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NEW!映画「時計館の殺人」(上)(下)読書感想文|主人公の江南はめちゃくちゃ運が良かったね!

時計館の殺人_感想タイトル ミステリー

時計館の殺人 上下巻セット

小説「時計館の殺人」(上)(下)の感想です。

十角館の殺人」で知られる館シリーズの5作目で、上下巻なのでちょっぴり長め。

主人公は「十角館の殺人」でお馴染みコナンくんでした! ……が、展開が進むにつれ「コナンくん、生き残るといいなあ……(遠い目)」という感じになりましたね(笑)。個人的には「十角館の殺人」のほうが好みでしたけど、これはこれで面白かったですよ。

すみれ
すみれ

映画「時計館の殺人」の見どころは……


  • 犯人の正体より犯行動機! トリック!
  • コナンくんの豪運っぷり。
  • 鹿谷(島田)さんの安全パート。
  • 殺人現場の生々しい描写。

本記事は2026年04月07日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。

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作品情報

タイトル時計館の殺人
著者綾辻行人
ジャンルミステリー
発行元講談社
ページ数(上)372(下)420
発行日2012年6月15日
(初出)1991年9月
好きレベル★★★★☆
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あらすじ

出版社の新米編集者として働いている江南孝明は、大学時代に経験したとある事件の中で関わった島田潔――現在は鹿谷門実の名前で作家として活動中――のもとを訪れた。担当はオカルト雑誌だという江南は、雑誌の企画で「時計館」と呼ばれる建物を訪ねるのだと鹿谷に告げる。時計館は、江南と鹿谷にとって因縁のある中村青司の建築した建物らしい。3日間、雑誌の企画のためにそこで過ごすことになった江南だが――。

主な登場人物

江南孝明

大学卒業後、出版社に就職。現在は新米編集者として、オカルト雑誌「CHAOS」の制作に携わっている。雑誌の企画の一部として、少女の幽霊が出るという時計館を取材することに。

鹿谷門実

本名は「島田潔」。現在は推理作家として活動中(本も出版済)。好奇心旺盛な性格で、時計館(で起きた出来事)にも興味を持っている。

小早川茂郎

「CHAOS」の副編集長で、時計館の企画の発案者。

内海篤志

江南と小早川に同行したカメラマン。

光明寺美琴

霊能者。雑誌の企画に参加。鹿谷と同じマンションに住んでいる隣人。

瓜生民佐男

大学3年生で、超常現象研究会会長。早希子、河原崎、福西とは幼馴染みで、他メンバーも含めなにかとまとめ役になりがち。江南と共に、冷静に調査を進める。

樫早希子

超常現象研究会のメンバー。

河原崎潤一

超常現象研究会のメンバー。

新見こずえ

超常現象研究会のメンバー。来られなくなった福西の代わりに参加することに。

渡辺涼介

大学2年生で、超常現象研究会のメンバー。時計館での企画を持ち込んだ人物。

福西涼太

大学3年生で、超常現象研究会のメンバー。親戚に不幸があり、今企画には急遽欠席することになったが、やはり気になったのであとあと時計館を訪れてみる。そして、鹿谷と出会うことに。

古峨由季弥

時計館の先代当主の息子(養子)。もともとは先代当主の従兄弟(故)の子どもだった。義姉の永遠が亡くなってから、精神を病んでしまう。

伊波紗世子

時計館の管理者。同時に、夢の世界に生きる由季弥の世話をしている。補聴器をつけている。

野之宮泰斉

先代当主が信頼していた老齢の占い師。現在も時計館で暮らしている。

田所嘉明

時計館の使用人。通いで働いている。

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小説「時計館の殺人」の感想

小説「時計館の殺人」の感想です。なんかね、うん、登場人物多いなー! という感じでした(笑)。面白かったけど!

登場人物の多さ

先述したとおり、登場人物がやたらめったら多い。

いや、こればかりは自分のキャパの少なさに問題があると思うんですけれども。それに、登場人物といっても、その多くが故人で名前が出てくる程度なので「まあ、覚えなくてもワンチャン……」みたいな雰囲気はあるし。本の冒頭に名前と立場を書いてくれているのもありがたい。

例えば、輝美という人物がいるのですけど、確か序盤と終盤に名前が出てくるぐらいなので、終盤で出てきたときには「これ誰だっけ?」と冒頭の人物紹介のページをもう一度読み込んだりしました(笑)。この人は、先代当主の妹で由季弥の後見人、現在はオーストラリア在住という女性なのですけどね。

あと、個人的には「十角館の殺人」から入ると鹿谷という名前にいちいち違和感を覚えるという(本名は島田潔)。これ、作家さん的にはどうなんでしょうね? 本名を知っている人に筆名で呼ばれるのはうれしいものなのかな。コナンくんが編集者だからということなのか。

どうなのかなあなんて思いながら読みました。

事件のペースが早い

なお、人数が多いからということもあると思いますが、事件が起きるペースが異様に早い(笑)。次から次へと犠牲者が出るうえに、そのときの描写がなかなか生々しく、スプラッター! な感じに仕上がっております(好き)。

読んでいる側としてはですね、あれですよ。あ、あれ? 3日間ここにいるんじゃなかったっけ? と。3日間なんていう期間はおかまいなしだった。アタイ、いつの間にか常識にとらわれていたよ……。

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割と運任せ

これ、「十角館の殺人」の感想にもまったく同じことを書いたのですけど。

犯人、やっぱり運任せ!

十角館の殺人」では、それすら犯人の精神状態を表していて良いよねという結論に落ち着いたのですが、今回も本当にそう。執念深く、怒りをじわじわとため続けていたわけですからね。そのあいだに精神的におかしくなってしまったと言われても、そりゃそうでしょうねと。

にしても、作中には本来殺す予定じゃなかったけど、テヘペロ! みたいな犠牲者がいたりして(笑)悲劇すぎるだろとは思いました。でも、これもリアル(?)と言えばリアルなのでしょう。

そもそも、幼馴染みがそろって、いかにもマイナーそうな超常現象研究会に入るのも考えづらい。私にも幼馴染みはいるけど、趣味はまったく違うし。

あと、コナンくんは豪運の持ち主

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鹿谷さんの安心パート

また、「十角館の殺人」で角島パートと本土パートに分かれていたように、本作でもコナンくんパートと鹿谷さんパートに分かれて展開していきました。

言わずもがな、コナンくんパートは次から次へと事件が起きてんやわんやになっているので、冷静に推理する鹿谷さんパートは安心感がありましたね。鹿谷さんパートでいったん一息つこ! みたいな感じ(笑)。いや、本当、コナンくんよくあの状況で(半ば無理矢理にでも)自分を落ち着かせることができたわ(感心)。

にしても、鹿谷さんは好奇心で首を突っ込んでくる割にターゲットにはならなそうで、私としてはセーブポイント的な印象になっている。安心安全の鹿谷さん! みたいな。

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終盤の怒濤の展開

そして、謎解きパートがなかなかの怒濤の展開。

待って待って、置いてかないでー! となります。

しかし、同時に「そうか……複雑な気持ち……でも、受け入れるには人が死にすぎた……」という苦しさが芽生える。

そう言えば、「十角館の殺人」では鹿谷さん以外誰も彼もが怪しく見えたものだけど、今作ではっきり怪しいと思えるのは2、3人ぐらいでしたね。謎解きに関してはどっちか! という感じだったので、そんなに難しくもなかったし、犯人が明らかになったときも「え、この人なのー!?」という驚きはなかったかな。

たぶん、メインは犯人の正体じゃなくて、動機のありかなのかもしれませんね。動機については「そういうことか……」となる。

あと、トリック(というより時計館の設計)は「こりゃー誰も気付かんわ!」ですごい。

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行き過ぎた執着

犯人含め、本作では行き過ぎた執着が描かれていたように思います。

例えば、亡くなった永遠の義弟である由季弥。時計館の管理人を務める伊波さん曰く、永遠が亡くなって以降「夢の世界に生きている」とのことですけれども、これもある意味では永遠に対する執着の結果ですよね。両親を亡くして、養子に入った家では(確か)永遠のことを考えろと言い聞かせられ、そのうえその永遠が亡くなってしまったのだからやりきれない。

行き過ぎた執着は精神を破壊する。

そういうことなんだと思う。

何かに執着し続けるのって、並大抵の精神力では無理だと思いますしね。無理なことをし続けた結果、精神的に病んでいってしまうのでしょう。

それにしても、ひとくちに病んでいると言っても、由季弥のようにはたから見て明らかな場合もあるし、まるで普通に生活しているように見える人が実はな場合もあるんだなと改めて。人の気持ちは、見た目からじゃわからない。

また、鹿谷さんが「(由季弥は)精神を病んでいるといっても、伊波さんの言うような狂い方をしているのだろうか」と疑問を呈していたように、人にはそれぞれ狂い方というのがあるんでしょうね。この、先入観も何もない鹿谷さんの純粋な疑問、私は好きです。

はー、上下巻に分かれているだけあって、ボリュームたっぷり! 満足感がありました。

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まとめ:中村青司はすごい建築家

改めて、中村青司、すごい建築家だよあんた……となる内容でした(笑)。

正直、自分の好みで言えば「十角館の殺人」ほどではなかったけど、まあ、これはそもそも同じミステリーといっても雰囲気が違うので。

これはこれでとても好きでした。

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