
#真相をお話しします
「#真相をお話しします」の感想です。
正直、あまり期待せずに見始めたんですが、なかなか面白い映画でした。原作は未履修なので、映画だけを観た感想を綴っていきますね!
個人的には岡山天音がやっぱり好き。
本記事は2025年12月17日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
本当に暴きたい真相とは。
作品情報
| タイトル | #真相をお話しします |
| 原作 | #真相をお話しします/結城真一郎著 |
| ジャンル | ミステリー、サスペンス |
| 監督 | 豊島圭介 |
| 上映時間 | 117分 |
| 製作国 | 日本 |
| 製作年 | 2025年 |
| 公開年 | 2025年 |
| レイティング | G |
| 個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
あるビルで警備員として働いている桐山は、友人の鈴木と共にパソコンの画面を覗き込んでいた。彼らは、生配信暴露チャンネル「#真相をお話しします」が始まるのを待っていたのだ。このチャンネルでは、スピーカーに選ばれた人物が「真相」を話すことで、視聴者からの投げ銭を得られるシステムとなっている。多額の借金を抱えた桐山も、「警備王」というハンドルネームでスピーカーに応募をしていて――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
桐山(HN:警備王)
(演:菊池風磨)
友人とトラブルがあり、多額の借金を抱えている。その後、仕事を転々とし、現在は警備員として働いている。ある日、職場と同じビルの中に事務所を構える鈴木と知り合い、友人となった。
鈴木
(演:大森元貴)
友人の桐山とは「#真相をお話しします」の配信を一緒に見る仲。
桑島砂鉄
(演:岡山天音)
生配信暴露チャンネル「#真相をお話しします」の管理人で、配信者。
映画「#真相をお話しします」の感想
映画「#真相をお話しします」の感想です。普段、あまり邦画は観ないほうなんですが、たまにはこういうのもいいですね。
キャスティングが◎
先述した通り、基本的にあまり邦画は観ないんですが、本作の場合は公開当初から割と気になっているほうでした。というのも、岡山天音が出ているから。好きなんですよね。
映画「ある閉ざされた雪の山荘で」(2024)も、映画的には微妙だったけど岡山天音はやっぱりよかったし、なによりもドラマ「リアル鬼ごっこ THE ORIGIN」を見た時からドハマりしています。あの存在感はとてもいい。
それから、菊池風磨と大森元貴も意外とよかったと思います。正直、よくある話題作りのアイドル映画かなと思ったし(失礼)、素晴らしい俳優さんが数多くいる中で、なぜわざわざ別ジャンルのアーティストを? と疑問に感じたりもしたんですが、いやあ、このお2人はすごかったですね。演技がお上手で。
というわけで、キャスティングが好みでした。
ひとつひとつの話が面白い
劇中では、菊池風磨演じる警備王(HN)を含む3人のスピーカーたちが「真相」を話します(厳密には4人か?)。
が、この3人のお話がしっかり面白かったです。1人目がカテキョで2人目がミーコ。話はどれも面白かったんだけど、個人的に特に好きだったのはミーコの話で、その中の登場人物を演じる伊藤英明に「悪の教典」(2012)のハスミン味があってよかった(笑)。
カテキョとミーコの話に比べると、3人目のスピーカーである主人公の話はいまいちインパクトに欠けるような気はするけれど、でも、次の展開につながるいいお話でした。
なお、お話的に一番面白かったのはカテキョ。最後までビックリが続いて面白かったですね。家庭教師の体験授業(営業)である家を訪問したら、母親と息子の様子がおかしくて――というお話。普通にこのオムニバスだけでも満足感は高かった。
人には二面性がある
で、ラストのお話もそうなんですけれど、劇中では人には二面性があるというのが描かれていたように思います。実際、カテキョは一見真面目そうなのに、投げ銭を得るために公になっていない事件の詳細まで語っているし。ミーコも親には見せられない顔を持っている。
警備王も、友達思いなのに、一方ではSNSでクソリプなるものを送ったりしている。
人には親しい人にも見せられない別の顔があったりするんですね。だから、世の中でもなにか重大な事件が起きた時に「あの人が犯人? そんなことをする人には見えなかったのに……」みたいな(自称)友人が出てくるのでしょう。
ちょっぴりある違和感
スピーカーの話がどれも面白かったとは先述した通りですが、ただ同時に「ん?」と思った部分もあって。
それは、女性を「愚かな存在」として描いている節があるなということ。例えばミーコの話なんかでは、伊藤英明演じる剣持も愚かといえば愚かだし、ヤバい奴であることに変わりはないんだけど「彼がこんなことをしているのは、女のせいですよ!」という動機付け(に感じた)。
そこだけちょっと違和感があったかなと思います。原作のほうはどうなっているのか気になるところ。
SNSの匿名性
また、SNSの匿名性についても言及されていました。
もっと正確に言うと、匿名であるがゆえの無責任さみたいなもの。
個人的に、他人に対しては言いづらい自分の意見を堂々と言える、あるいは単なる独り言を好き勝手に呟けるという意味では、SNSの普及は世の中に良い影響をもたらしたと言えると思っています。ただ、匿名であるがゆえに、画面越しにいるのも人間なのだということを忘れて、無自覚に誹謗中傷を繰り返す人もいるにはいます。
現に、劇中に登場したスピーカーたちも本名、かつ顔出しという条件であれば応募しなかっただろうし、それを見て投げ銭をしたり好き勝手コメントしたりする視聴者たちにも同じことが言えるでしょう。
SNSに救われたという人もいれば、SNSに人生を壊されたと感じる人もいる。
作中では、皮肉なことに、前者が桐山(警備王)で後者が鈴木というふうに描かれていました。警備王の話を聞いたあとだと、終盤の展開がまた心にくるんですよ。
だからこそ、SNSは正しく使わなければならないということですね。この正しくというのが難しいのですけど。正解もないと思うし。ただ、匿名だからって何を言ってもいいわけじゃないというのは肝に銘じています。使い方によっては人を深く傷付けることができるんですから。
指摘したほうもまともじゃない
ただ、本作で興味深いなと思ったのは、「SNSの匿名性」「匿名であるがゆえの加害の可能性」を指摘するほうもたいがいまともじゃないというところ。
(あえてこう言いますが)まともじゃなくなった原因がどうなったかには一切触れず、なぜか無関係の匿名の人たちにやんややんや言っている。同情の余地はあれど、大多数にそんなことは関係ないのに。「お前らのせいで傷付いたんだ!」というふうに描かれていたけど、正直、一瞬「え、なんで?」ってなった。いや、言いたいことはだいたいわかるけどって。
結局、やっていること自体は、匿名でクソリプを送りつけている誰かと同じレベルなんですよね。顔や本名をさらしているにしても、元凶を罰することができなかった(たぶん)から、一方的に強く出られる匿名の人たちを選んだんだろうと思ってしまいます。
でも、こういう理不尽さも含めてSNSなのだということなのだと思います。クソリプなるものを誰かに送りつけている人のコメントを見ていると、無自覚に論点をずらしていたり、自分が正義だと疑っていなかったりというものも散見されます。
SNS上で誰かと会話をする際は、相手がいるのだということを忘れずにいきたいなあと思う所存であります。もう本当にね、自分もたまに(基本的に優しい方ばかりで滅多にありませんが)強い言葉で返されると「うっ……」となってしまうので、自分自身、送信ボタンをタップする前に一度文章を見直すようにしています(それでもなぜか誤字は擦り抜けていく)。
私の場合、自分の気が弱いというのもある(笑)。傷付きすぎないように、SNSと適度に距離を取るのも大事ですね。
映画「#真相をお話しします」が好きな人におすすめの作品
映画「#真相をお話しします」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
映画「#真相をお話しします」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月17日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:スルーすべきところをスルーすれば
例えば、女が愚かな存在として描かれがちだとか、そういった「ん?」と思う部分をスルーできれば割と楽しめるストーリーだったと思います。
個人的には、やっぱり原作小説を読んでみたい。というか、読んだほうがいいのかもと思えるような内容でした。ちなみに、ラストはあまり好みじゃなかったです。
Rotten Tomatoes
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IMDb
6.4/10
Filmarks
3.4/5.0

