
ダムド・ソルジャーズ(字幕版)
「ダムド・ソルジャーズ」の感想です。
イスラエル発のサイコ・スリラー。
もしかしたらイスラエル映画を初めて観たかもしれない。物足りなさはあったけど意外と楽しめました。少なくとも、他のイスラエル映画を観てみたいなという気持ちにさせられた!
本記事は2025年10月28日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
誰もいない。何もない。そんな極限状態の中、兵士たちが取った行動とは。
作品情報
| タイトル | ダムド・ソルジャーズ |
| 原題 | Mekulalim |
| ジャンル | スリラー、B級映画 |
| 監督 | エフゲニー・ルーマン |
| 上映時間 | 81分 |
| 製作国 | イスラエル |
| 製作年 | 2018年 |
| 公開年(以) | 2018年 |
| レイティング | 不明 |
| 個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
広報官のアヴィヴは、軍事地域を偵察する部隊に合流するため、ネゲブ砂漠の丘陵地帯を訪れた。広報官として、兵士たちに任務の説明をする将校トメルを撮影していると、突然女性が乱入してくる。それはかつてここを追われた遊牧民の女性だった。「息子はどこ?」と繰り返し、トメルの腕に引っ掻き傷を残す女性をなんとか追い払い、アヴィヴはトメルとモスキートと共に任務に繰り出すのだが――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
アヴィヴ
(演:アミット・ラハヴ)
広報官。カメラを持って、トメル及びモスキートと行動を共にする。
トメル
(演:ダニエル・ガッド)
将校。真面目で責任感が強く、3人の中ではリーダー的存在。
モスキート
(演:二ムロッド・ホヘンバーグ)
明るいお調子者。空気が読めないことがある。
映画「ダムド・ソルジャーズ」の感想
映画「ダムド・ソルジャーズ」の感想です。初見! イスラエル映画でした。一部の物足りなさを除けば、それなりに楽しめる映画でした。
設定は◎!
まず、設定は良かった。
かつて遊牧民たちが住んでいて、今は軍事地域となっているネゲブ砂漠。集まる兵士たち。突如として現れる謎の女性。将校トメルが腕に噛みつかれる。女性を追い払う兵士たち。カメラ片手に、トメル、モスキートに同行する広報官のアヴィヴ。
ここだけ見ると面白くなりそうな要素が詰まっているんですよね。パッと見は「悪くないな」って感じ。ただ、いまいち盛り上がりに欠けるというか、もう一段盛り上がりが欲しかったというか。鑑賞後に「あー! 惜しい!」という気持ちになりました。
丁寧に作り込まれていた印象
とはいえ。
本作は(たぶん)低予算映画に振り分けられる映画だと思うんですが、それにしては割としっかり作り込まれていたほうかなと思います。イスラエル映画には明るくないので、実際のところ、イスラエルの映画業界基準で低予算かはちょっとわからないんですけれど。日本だって、アメリカの規模と比べられたら低予算映画ばかりになってしまいますし。
面白い、とかそういうの以上に、丁寧に作られているなあと。雑に感じる部分はほぼほぼありませんでしたね。
何がしたいのかわからない
「何がしたいのかよくわからない」というと、やや言葉が強いような気がしてしまいますが、ここが一番惜しいと感じたところでもありました。
序盤、遊牧民の女性がトメルの腕に噛みつく描写があるんですよね。この時点で「おっ、これは何が起こるんだ!?」とワクワクする。というのも、この女性の様子が普通ではないから。「息子はどこ?」なんて言いながらうつろな表情をしているし、かと思ったら突然攻撃的になる。
その後の任務中、トメルがこの女性に噛まれた腕を確認する描写が挟まったりもするんですが、それ以上でもそれ以下でもなく、これがいったいなんだったのかさっぱりわかりません。まあ、あえて「正体を明かさない」「全部を説明しない」みたいなことは間々あるので、わからないということについては良いんですけれども。
でも、これが中途半端な描写すぎて、その後、兵士たちの様子がおかしくなるのも、人知を超えた力が働いた結果なのか、それとも単純に精神的に追い詰められた結果なのか、どうなんだろうと思ってしまうんですよね。広大な砂漠で、水もなく、渇きに喘ぎながら彷徨うことになったわけだから、後者も全然あり得るように感じてしまう。
むしろ、他のことに関しても、そのせいで見た幻覚だと言われたほうがしっくり来ます。この辺をもう少し細かく描写してほしかったところ。
謎に綺麗な景色
あと、夜の砂漠の景色が謎にめっちゃ綺麗でした(笑)。
いや、大自然なのでそりゃあ綺麗だろうとは思うんですが、そうではなく。なんというか、映像が? やたら背景がキラキラしていて、もはやちょっと違う映画を観ているようでもありました。
お調子者のモスキート
そして、個人的にはモスキートのはっちゃけぶりが嫌いじゃない。
一番好きだったのは「童て(略)のまま死ぬんだ」と泣き出すところ。
お調子者のモスキートは基本的にずっとうるさいキャラなんですが、この「童て(略)」のセリフの時だけはなぜかホロホロ静かに泣いていて。死を予感している時に出た言葉なので、本人にとってはとても深刻な悩みだったんでしょうけど。
この静かに涙をこぼすモスキートで少し笑ってしまいました(悩みを馬鹿にしているわけじゃなく!)。
映画「ダムド・ソルジャーズ」が好きな人におすすめの作品
映画「ダムド・ソルジャーズ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 川を越えた先(2013)
- ハイルシュテッテン~呪われた廃病院~(2018)
- バクラウ 地図から消された村(2019)
映画「ダムド・ソルジャーズ」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年10月28日)。レンタル作品等も含まれます。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
| × | ○ | ○ | × | × | ○ |
まとめ:派手さはないけれど
ほとんど派手さはなく、どちらかといえば地味な印象を持ちましたが、もしかしたらシチュエーションスリラーとかが好きな人には向いているかもなと思わせる映画でした。
イスラエル映画。
機会があれば、もっといろんな作品に触れてみたいと感じましたね。
Rotten Tomatoes
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IMDb
6.6/10
Filmarks
3.0/5.0


