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映画「PERFECT BLUE」あらすじ・感想|これは傑作!現実と虚構が交錯し次第におかしくなっていく

PERFECT BLUE_タイトル アニメ

PERFECT BLUE

「PERFECT BLUE」の感想です。

……素晴らしい! ブラボー!

久々にここまで刺さるアニメ映画を鑑賞しました。ただ、サイコサスペンスということもあって癖は強めなので、好き嫌いには分かれると思います。

※本記事には、ラストを除くネタバレが一部含まれます。ご注意ください。

本記事は2025年06月25日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。

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ワンフレーズ紹介

さあ、どれが本物の「私」?

作品情報

タイトルPERFECT BLUE
原作竹内義和
ジャンルアニメサスペンスミステリー
監督今敏
上映時間81分
製作国日本
製作年1998年
公開年1998年
レイティングR15+
個人的評価★★★★★
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あらすじ

アイドルグループ「Cham(チャム)」を引退し、女優へと転向することになった霧越未麻。しかし、初出演のドラマで用意されたセリフはたった一言だけ。やがて未麻は、ヘアヌード写真などの過激な仕事もこなさなければならなくなる。そんな中、未麻のもとに「裏切り者」と書かれた脅迫文が届き、さらにはインターネット上で公開されている「未麻の部屋」というウェブサイトを見つけ――。

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主な登場人物

(敬称略)

霧越未麻

(声:岩男潤子)

元アイドル。「Cham(チャム)」というグループに所属していたが、ある日引退を宣言すると、そのまま女優に転向した。

日高ルミ

(声:松本梨香)

未麻のマネージャー。元アイドルだった。未麻には「ルミちゃん」と呼ばれるなど、親しくしている。

田所

(声:辻親八)

未麻が所属する事務所の社長。未麻を売りだそうと過激な仕事を受けたりするので、たびたびルミと口論になる。

内田守

(声:大倉正章)

コンサート会場で警備アルバイトをしている男性。未麻が引退を宣言したミニライブの会場にもいた。

土居正

(声:陶山章央)

不良チームのリーダー。未麻が引退を宣言したミニライブの会場にて問題を起こし、内田に暴力を振るう。

村野

(声:江原正士)

未麻がオファーを受けたヘアヌード撮影を担当したカメラマン。曰く「脱がせ専門」。

渋谷貴雄

(声:塩屋翼)

未麻が出演したドラマ「ダブル・バインド」の脚本家。

手嶋

(声:秋元羊介)

「ダブル・バインド」を製作している放送局のプロデューサー。

桜木健一

(声:堀秀行)

「ダブル・バインド」に出演していた俳優。主演。刑事の篠原役。

落合恵理

(声:篠原恵美)

「ダブル・バインド」に出演していた俳優。主演。主人公の麻宮瞳子役。未麻との共演シーンも。

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映画「PERFECT BLUE」の感想

映画「PERFECT BLUE」の感想です。90年代のアニメ映画ってなかなか観る機会もなかったんですが(テレビアニメは大好き!)、これがまためちゃくちゃ面白かったです。

今敏作品が気になる

実は、これが私にとっての初今敏監督作品でございました。「パプリカ」(2006)とかも有名だけど、まだ観たことはない。結論。

……めっちゃ面白かった!

いいね、いいね! 質の良いサイコサスペンスだね!

といっても、アニメ映画のサイコサスペンスを観た記憶はあまりないので、比べようもないんですけど。でも、私はとても好きな内容でした。まあ、画質だけならず、作画もモロ90年代! って感じで好き嫌いには分かれそう。

こうなってくると、原作のほうも気になりますよねえ。原作ありきのホラーやサスペンスは原作と雰囲気がまた違ったりしますし。

機会があれば読んでみようと思います。

現実と虚構が交錯する(我々も)

本作は、主人公の未麻がアイドルから女優に転向して活動していくうち、次第に現実と虚構が交錯していくというストーリーでした。

このあたりの演出が非常にうまかった。

最初は虚構がほとんど夢のような形であからさまなんだけど、物語が進むにしたがって、ただ観ているだけの私も一緒に「えっ、今の現実? 妄想?」みたいにわからなくなっていく。現実だと思っても「待てよ、さっきのも結局虚構だったっぽいし、今のもそうなんじゃないか?」「いや、でもこっちが現実かも……」と疑心暗鬼になる。

最後のほうになると、虚構が現実に入り込んできている感じで気持ち悪いんですよね。特にラスト周辺では「え、これどういうこと?」となるシーンがありました。

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理想と現実の落差

本作の主人公である未麻は、女優に転向した自分(現実)アイドルだった自分(虚構)を見る。アイドルだった頃のキラキラした自分と、女優に転向することを決意して、蓋を開けてみたら出演ドラマのセリフはたった一言。そのうえヘアヌード写真やちょっと過激な撮影までしなければならなくなった自分。

これって一種の理想と現実みたいなところありますよね。現実がつらいだけに「こうなるはずじゃなかった」と思うみたいな。でも、経緯がどうであれ、一度は自分で頷いてしまったのだから今さら辞めるわけにもいかないし、過去に戻るわけにもいかない。

自分はこんな人間じゃないと思うのに。

未麻が泣き叫ぶシーンがあまりに切なくて、胸が締め付けられました。「こんな仕事したいわけない」。本当にそうだよなって。「決心したはずだろう」と言われても、じゃあ喜んでそれをこなせるかというとそんなことないよなって。この言葉、結構きついなと思った。決心したのは自分の意思なのだから、それは自己責任なのだと言われているようで。

そこにはそうするしかなかったその場の雰囲気とか、アイドルを引退してしまった(しかもそれだって本人が心から望んでいたことではない)以上、もう引き下がれない環境とかがあったはずなのに、その決断をしたことにより降りかかったつらいことはすべて未麻自身のせい。

現実世界の芸能界でも、こういうことってあるんですかね。まったくないとは言えなそうだから胸が痛くなるのかな。

そもそも、未麻の決断を促すために誰かが違法な手段を用いて何かを仕組んだとかそういうこともないから、余計に切なくなるんですよね。こう、周囲の雰囲気的なアレはあったにしても「選んだのは未麻自身だ」と言えてしまうような、そんな状況になってしまっているというか。悲しい。

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偶像(アイドル)

そして、どこまでも偶像を求める人たちというのにもゾッとしました。危うい。危うすぎる。でも、現実世界にも少なからずいるんだろうなと。

本来は霧越未麻というひとりのアイドルにすぎなかったのに、それがいつの間にか「未麻はこんなことしない」「未麻ならこうする」「だってアイドルだから」と、過剰なまでにアイドルの霧越未麻を追い求める。やがてそれはプライベートにまで及んだりして。事務所のビルに入る前、一連の出来事でぼんやりした未麻がファンに声をかけられ、それを無視してしまったところ「女優になった途端……」と悪態をつかれるのも、それをよく表しているなと感じました。

事務所に入る前ということはプライベートなのだから、本来は、知らない人に話し掛けられても応える義務はないはずですよね。そこに付随するイメージはともかくとして。

でも、霧越未麻を待ち伏せするほどに執着していながらも、思った反応が得られなかったら嫌悪感を露わにする。「アイドルの霧越未麻だったらそんなことしなかったのに」というように。

まあ、80年代のアイドルには親衛隊などという存在があり、過激すぎるファンからアイドルを守ったり(?)盛り上げたり(?)していたようですから、こういう事務所ビルの入口前で張っているということもあったのでしょう。この映画自体は90年代後半に作られたものですが、未麻はどう見ても雰囲気が80年代アイドルっぽいし、本作の原作は91年出版のようですし。

ああ、そう言えば、よく耳にする「アイドルはうん(略)なんてしないもん!」とかいうアレも、偶像の一種ですよね。今となっては冗談で言う人を見るぐらいなので、当時の人たちがどの程度の熱量で言っていたのかは不明ですが(笑)。

そういうのがどんどん過激化していくと、今回のような事件に発展していくんだなって。未麻自身、偶像に取り込まれそうになっていたのが興味深いところでもありました。

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犯人はいったい……

現実と虚構が交錯するというサイコサスペンスでありながらも、ストーリーとしては混乱するところもなく、割とシンプルなものだったかなという印象でした。

ただ、一連の事件について、私には犯人がすべて同一人物であるとは限らないように思えました(少なくとも一名はたぶんあの人。だよね?)。ここですごいのが、犯人が誰であろうとそこまで気になっていない自分がいること。普通、劇中で事件が起きたら、犯人が明確に「この人だ!」ってならない限りはモヤモヤしますよね。他の人の可能性が少しでもあればなおさら。

でも、そうはならなかった。

鑑賞後にそれを意識した時、「難しく考えなくても、それが本作のコンセプトじゃないって肌で感じていたんだな」と、改めて感じたんですよね。メインはあくまで未麻自身のことで、事件解決(犯人を捕まえること)ではないって。

あのシーンはちょっとしんどい

なお、あのシーン(大きな声では言えませんが、未麻がちょっと過激な撮影に挑むところ)は見ていてしんどかったです。たぶん、多くの女性は同性としてそう感じるのではないかと思います(もちろん男性もですが)。こう、生理的嫌悪というか。強烈な不快感というか。

で、あのシーンでうまいなと思ったのが、一瞬カットがかかった時、相手の俳優さんが未麻に「ごめんなさいね」と言うところ。相手も仕事でやっていることだから、未麻の言う通り「いえ……」でしかないんだけど、だからこそ嫌と言ってはいけないというか、気が乗らない素振りすら見せてはいけないような、そんな雰囲気が強調されていたように感じました。あの瞬間、ブワッと嫌悪感が沸き上がってきた。相手の俳優さんは発言からして良い人そうなのになんでだろうと考えたんですが、たぶんそういうこと。演出がすごすぎる。

女性が酷い目に遭っているシーンが苦手な人や、そういったことにトラウマがある人は、あそこは飛ばしたほうがいいかもと思えるぐらいには悲壮感がありました。

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映画「PERFECT BLUE」が好きな人におすすめの作品

映画「PERFECT BLUE」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

まとめ:境界線はとても大事

現実の世界にもいますよね。他者との境界線が曖昧な人。SNSなんかを見ていると特にそれを感じる今日この頃ですが、本作を鑑賞してなおのこと強く思いました。

いかに近しい人であっても、いや、近しい人だからこそ人との境界線って大事なんだなと。

Rotten Tomatoes
Tomatometer 84% Popcornmeter 89%
IMDb
8.0/10

Filmarks
4.0/5.0

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