
クワイエット・プレイス:DAY1
「クワイエット・プレイス:DAY 1」の感想です。
映画「クワイエット・プレイス」(2018)と「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」(2020)に続く、「クワイエット・プレイス」シリーズの第三作目。
時系列的には「クワイエット・プレイス」の前日譚的な位置づけになります。
先日、やっと二作目である「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」を観ることができたので、勢いのまま三作目をレンタルして鑑賞! ツッコミどころがないわけじゃないけど、面白く観られました。
本記事は2025年06月16日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
みんなが逃げても、サミラはピザを食べに行く。
作品情報
タイトル | クワイエット・プレイス:DAY 1 |
原題 | A Quiet Place: Day One |
ジャンル | ホラー、SF |
監督 | マイケル・サルノスキ |
上映時間 | 100分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2024年 |
公開年(米) | 2024年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
末期癌を患い、余命を宣告されているサミラ。ホスピスで暮らすサミラは、観劇をするため、愛猫のフロドと共にマンハッタンを訪れていた。しかし、突如として空から「何か」が降り注いでくる。その直後、「何か」がマンハッタンの人々を襲い始めた。逃げ惑うサミラは爆発に吹き飛ばされ、意識を失う。次に目を覚ますと、そこは劇場の中だった。他の生存者たちもいる。サミラはフロドと共に「ピザを食べる」と言って、とあるピザ屋を目指すことにするのだが――。
主な登場人物
(敬称略)
サミラ
(演:ルピタ・ニョンゴ)
末期癌患者。他の生存者たちが港を目指す中、たったひとり(+一匹)ピザ屋を目指す。
エリック
(演:ジョセフ・クイン)
イギリス人男性。ロースクールに通うため、アメリカに滞在していた。
ルーベン
(演:アレックス・ウルフ)
看護師。サミラに付き添い、マンハッタンを訪れていた。サミラのことは患者ということ以上に、友人だと思っている。
映画「クワイエット・プレイス:DAY 1」の感想
映画「クワイエット・プレイス:DAY 1」の感想です。劇場公開時、相当話題になっていたのは知っていたんですが、やっと観ることができました!
ダイナミックな映像
まず、映像がすごかった。
ダイナミックで、見ごたえ抜群でした。さすがというか、なんというか。アメリカだからこそ作れた迫力というか。エンターテインメント性があって、観ていて楽しかったです。
エリックは記憶喪失……じゃなかった!
主演は映画「それでも夜は空ける」(2013)や「アス」(2019)で知られるルピタ・ニョンゴですが、その相棒的? 役割を担ったエリックを演じているのは、映画「グラディエーターⅡ 英雄を呼ぶ声」(2024)などに出演していたジョセフ・クイン。
ルピタ・ニョンゴ演じるサミラと行動を共にするエリックですが。
水の中からザッバーンな登場に加え、その後はどこかぼんやりとした感じで、挙句サミラの質問にも「あ、いや……」と答えづらそうにしていたものだから、これはもしや記憶喪失パターンか!? と思ったら、どうやらそうじゃなかったらしい(笑)。完全にそういう雰囲気だったでしょうが!
単にこの状況に(当然だけど)ビビり散らかしている男でした。
「とても怖いんだ」と言い、半ば無理矢理サミラについて来たエリックだけど、その後の会話でサミラが逃げるのでなく、ピザ屋を目指していることを知ったエリック(笑)。この2人のシーンで「嘘だろ!? って思ったよなあ、これ。でも、サミラは最初から『ついてくるな』って言ってたし、サミラのせいにはできないはず……」と。
登場当初、エリックは完全にサミラの足を引っ張る存在かと思っていましたが、予想を超えて「よし、じゃあピザ屋に行こう!」と言える強さのある人でした。最短距離が、必ずしも正しい道とは限らないもんね。
音を立てないとは?
基本的には面白く観られたんですが、ツッコミどころがまったくないわけでもなくて。
例えば、脱出船が出るというので、生存者たちが港に向かうシーンがあるんですけれども。足音って、どんなに静かにしようと思っていても少しは出てしまうものですよね。
それが、あんなに大勢で一斉に移動して、エイリアンが反応しないとは思えない(笑)。この辺は「そりゃあ、無理があるぜ……」となります。
学生の時、集会やら何やらで学生が一度に移動するあの光景に覚えがある日本人なら、きっと違和感を覚えるはず。
まあ、二作目で出た話からして、助かった人はそこまで多くもなかったようなので、あのシーンのあとにどこかで襲われてしまったのかもしれませんが。「きっとエリックが彼らについて行っていたら、彼らもろともエイリアンの餌食になっていたんだろうな」と思っていたので、拍子抜けしたシーンでもありました。
猫ちゃんは可愛いけれど(ちょっと不自然)
ちなみに、ツッコミどころに関して言えば、猫ちゃんもそうでした。
いや、可愛かった。唯一の癒やしだったことは確かなんですよ。水からザッバーンしたエリックを上からじっと見つめる視線とか。きょとんと首を傾げているあの感じとか。もうね、可愛いは正義。猫ちゃんは可愛い。たぶんこれは猫ちゃん映画だった(違う)。
ただ、猫ちゃんがあまりに良い子すぎたあたりには、さすがに違和感を覚えずにはいられませんでした。
エイリアンという得体の知れない存在、しかも自分を襲ってきそうな雰囲気がある奴らが目の前に現れて、一鳴きもしないなんて変。どう考えても変。怖がっていたのだとしても、だとしたらなおさら「シャーッ!」って威嚇ぐらいしそうだけど。
一作目と二作目では赤ちゃんが「いつ泣くかわからなくてヒヤヒヤ!」な仕事を担っていたし、割とそれでうまくいっていたと思うんですけど、こと猫ちゃんに関しては、中盤までは同様のヒヤヒヤ感があったものの、終盤はもう「この猫ちゃんは泣かないんだ!(確信)」という感じで、あまりドキドキはしませんでしたね。
とはいえ、まあ、緊張感がずっと続く中での癒やし(緩和)にはなっていたかな。
ラストシーンがたまらない(ネタバレなし)
あと、個人的に本作で一番好きだったのは、なんといってもラストシーン。
ここでラストのネタバレはしたくないので、詳細なことは省きますが、映像がとても良かった。
突如としてエイリアンが現れて、何をするにも音を出してはいけないという制限をかけられてしまった人間。そんな過酷な状況の中でも心の中までは縛れないというのがありありとわかるシーンでした。
末期癌で余命が幾ばくもなくとも。獰猛なエイリアンが現れて、常に死と隣り合わせの環境になっても。心の中は自由なのだと。
最初、サミラが「ピザ屋に行く」と言った時には「ああ、末期癌でもう自棄になっているんだな」と感じましたが、中盤以降に抱いた印象はまったく異なるものでした。サミラが「自分はもう長くない」と思っているのは確かでしょうが、「なら最後に、今までできなかった好きなことをしてやろう」という強い意思が感じられましたね。
あの人も登場!
一、二作目と三作目に直接のつながりはないのですが、二作目に登場したあの人も出てきました。「あー!」って思わず声が出た(笑)。
一、二作目を観ていなくても、本作単体で十分理解できる内容ではありましたが、前作を鑑賞した人はまた違った意味でも楽しめると思います。
映画「クワイエット・プレイス:DAY 1」が好きな人におすすめの作品
映画「クワイエット・プレイス:DAY 1」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- バード・ボックス(2018)
- アポカリプスZ ~終末の始まり~(2024)
- エイリアン(1979)
- 終わりの鳥(2023)
まとめ:迫力抜群で面白い
正直、ツッコミどころはまあまああったものの、評判通りかなり面白かったです。
映像も迫力があったし、それだけじゃなく、ヒューマンドラマもあったというか、「生きるとは何か」について考えさせられるようでもあった。
レンタルしてまで観て良かったです。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 86% Popcornmeter 72%
IMDb
6.3/10
Filmarks
3.6/5.0