シンデレラ・ストーリー(字幕版)
ヒラリー・ダフ主演の映画です。
父親が亡くなり、継母と義姉たちに虐げられながら生活している女の子が主人公。世界的に知られているあの「シンデレラ」の登場人物たちを、現代のものとして置き換えたような作品です。
ちなみに、コメディー寄りなので、そこまで悲壮感はありません。
本記事は2024年07月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
本当は……恋に夢見る女の子。
作品情報
タイトル | シンデレラ・ストーリー |
原題 | A Cinderella Story |
ジャンル | ロマンス、コメディー |
監督 | マーク・ロスマン |
上映時間 | 95分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2004年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★★★ |
あらすじ
父を亡くし、継母と義姉2人に虐げられながら毎日を過ごしていたサムの唯一の癒やしは、顔も知らないメル友「ノーマッド」とのやり取りだった。そんなある日、同じ高校に通っているらしい「ノーマッド」から、ハロウィンの仮装パーティーで会おうと提案される。意を決してパーティーに参加するサムだったが、そこで「ノーマッド」の正体が、高校の人気者であるオースティンであることを知り――。
登場人物
(敬称略)
サム・モンゴメリー(演:ヒラリー・ダフ)
父を亡くして以降、継母と2人の義姉に虐げられている。プリンストン大学を目指すため、勉学に励む一方、継母の言いつけにより、かつては父が経営していた(現在は継母経営)ダイナーで働いている。ダイナーの従業員たちは家族みたいなもの。
フィオナ(演:ジェニファー・クーリッジ)
サムの継母。サムの父親からダイナーの経営を引き継いでいるが、自分は現場に出ず優雅に暮らし、サムをこき使っている。
オースティン(演:チャド・マイケル・マーレイ)
サムのメル友「ノーマッド」の正体。サム同様、プリンストン大学への進学を目指しているものの、父親にはそれを言えずにいる。アメフト部のスター選手で、高校の人気者。
カーター(演:ダン・バード)
サムの親友。なにかとサムのことを気にかけ、力になってくれる。
映画「シンデレラ・ストーリー」の感想
映画「シンデレラ・ストーリー」の感想です。観た瞬間から惹き込まれ、ハッピーな気分になりたいときなどに、定期的に観たくなる作品。
悲壮感のないシンデレラ
実父が亡くなり、継母と義姉にすべてを奪われるという点では、あの誰もが知る「シンデレラ」と同じ。
でも、もっと恋愛に焦点を当てたコメディー寄りの作品なので、あの「シンデレラ」に比べると悲壮感はほとんどありません。
頭が良く、プリンストン大学という超名門校(世界大学ランキング10位以内とか)に進学したいと思えるほど優秀なサムに対して、「あなたは大学なんて行かなくていいの。ずっとダイナー働けばいいじゃない」と無償で尽くすことを強要してくる継母フィオナ。
まるで奴隷扱い。とんだブラック企業――ならぬ、ブラックファミリー!
ですが、童話「シンデレラ」と違うのは、ダイナーの従業員たちが100%サムの味方であること。それに加えて、学校にはカーターという親友までいるので、童話のほうにあったような孤独感がほぼほぼなくなっているんですね。
継母フィオナと義姉たちも、意地の悪さはそのままですが、一部コミカルな描かれ方をしているために、「嫌な奴らだな」と思いつつクスッとしてしまうところがあります。
普通の男の子と強い女の子
本作で特徴的だなと思ったのが、本来ヒーローの役割を担っているはずのオースティンが、ヒーローっぽくなかったこと。
性格が合わない人たちと行動を共にし、空気を壊さないように取り繕い、そこに息苦しさを感じながらも、自分の父親にすら自分のやりたいことを伝えられずにいる。
オースティンは、意思弱めの優柔不断男子でした。
彼をヒーローとして見るとあまりに頼りなく思えますが、現代ではまあまあいる感じの男の子なんじゃないかなという感じ。
だし、この点に関しては、サムが結構ガツンと言ってくれたりもするので、すっきりします。あまり王子様すぎないのも、現代ではリアリティーがあって良いというか。
で、主人公のサムも弱いばかりじゃないのが面白かったです。
サムは、童話「シンデレラ」のように、虐げられ、俯きがちにひたすら家事をしているようなヒロインではない。
継母に従いつつも、パーティーに出ると決意したら、確固たる意思を持って継母の目を欺いたりするし、継母に反対されても、最後まで「プリンストン大学に行く」という気持ちを貫き通したりもする。頭がすっからかんの義姉2人を呆れたように見ているし、どれだけ虐げられても「自分は悪くない」という自信を持っているようにも感じられる。
自信がないのは恋愛に関してだけで、他のことに関しては結構強気な女の子なんじゃないかなという感じがします。
この、普通の男の子×強気な女の子のコンビが、うまく噛み合っていて良かったです。
ヒーローはむしろカーター
個人的MVPは、間違いなくカーターでした。
サム同様、地味めなグループに所属する男子なのには変わりないんですが、常に親友であるサムのことを思って行動してくれる、最高の存在でしたね。
サムとカーターの間に、恋愛的要素が一切ないのも良かった。
あの2人がどのように友人になったのかもちょっと気になります。そのあたりのストーリーも見てみたいなと。
顔を知らないからこその関係
開始当初、メル友だったサムとオースティン。
「メル友」ってなんだか懐かしい響きですが、顔――つまり相手を知らないからこそ打ち明けられることってありますよね。
家族をはじめ、親しい人だからこそ言えないことがあるみたいな。
まあ、正直なところ、私がサムだったらオースティンみたいな男は勘弁ですが。
だって、人のダイナーに来ておいて、自分のことを馬鹿にするグループの中に入っている男ですよ。オースティン自身が何かを言ったわけでなくとも、ヘラヘラしている時点で「お前も同じだろうよ(ケッ)」となりそうな感じがします。
でも、だからこそ、顔を知らない状態で相手に惹かれてから、正体がオースティンだとわかるみたいな展開が重要だったんでしょうね。
ありのままの自分でいることの勇気
単なるメル友でしかなかった時は、本音を言える相手だった「ノーマッド」。
「ノーマッド」がオースティンだということを知り、サムは自分の正体を言い出せなくなります。まあ、そりゃそうだ。ダイナーでオースティーンが所属するグループに馬鹿にされたり嗤われたりしているもの。
オースティン自身に何かあるわけでなくとも、自身がサムだと打ち明けたとき、どんな反応が返ってくるか……。
自分は、いつもオースティンを囲んでいるような華やかな女子ではない。化粧っ気もなければ、愛嬌もなく、長所といえば人より頭が良いことぐらい。だけどそれも、自分ひとりが特別ということではない。
サムは、そんな自分を恥じているようにも見えます。
恋愛に関しては、奥手中の奥手。当たって砕けろタイプのカーターを見習ってほしいところですが。
好きな人にありのままの自分をさらけ出すのって、簡単なようでいて、とても難しいことなのかもしれませんね。やっぱり、好きな人には自分のことも好きになってほしいし、どうしても取り繕いたくなってしまうものだと思う。
でも、サムの場合、ありのままの自分を見せることが、オースティンとの恋愛に踏み出す第一歩だったんだと思います。
映画「シンデレラ・ストーリー」が好きな人におすすめの作品
映画「シンデレラ・ストーリー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- アメリ(2001)
- ヒーズ・オール・ザット(2021)
- キャンプ・ロック(2008)
- ワイルド・ガール(2008)
まとめ:キラキラしている現代版シンデレラ
童話「シンデレラ」をベースにした物語ですが、童話のほうに比べると悲壮感がないどころか、キラキラした雰囲気のある作品に仕上がっていました。
まず、とにもかくにもヒラリー・ダフがめちゃくちゃ可愛い。それだけでハマること間違いなし!
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 11% AUDIENCE SCORE 53%
IMDb
5.9/10