コカイン・ベア (字幕版)
タイトルだけはかねがねうかがっていた「コカイン・ベア」。
ようやく配信で観ることができたのでしあわせです。B級はB級でも、思っていたよりしっかりグロくて、それでいてしっかり笑えるポイントも押さえられていて、個人的にはとても好きでした。
本記事は2024年06月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
森に行ったら、ハイになったクマさんに出遭った。
作品情報
タイトル | コカイン・ベア |
原題 | Cocaine Bear |
ジャンル | スリラー、コメディー |
監督 | エリザベス・バンクス |
上映時間 | 95分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023年 |
レイティング | R15+ |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
舞台は1985年のアメリカ。運び屋アンドリューは、セスナ機に積んでいた大量のコカインを投下するが、自身も誤って落下し、命を落としてしまう。アンドリューの雇い主シドは、自身が最も信頼を寄せるフィクサーのダヴィードに、シドの息子であるエディと共に森へ向かい、コカインを回収してくるように命じた。一方その頃、13歳の少女ディーディーは友人のヘンリーを引き連れ、絵を描くために森に向かっていた……。
登場人物
(敬称略)
ディーディー(演:ブルックリン・プリンス)
絵を描くのが好きな13歳の少女。この日も、学校をサボって森を訪れていた。
ヘンリー(演:クリスチャン・コンベリー)
ディーディーの親しい友人。共に森を訪れていたところ、ハイになったクマさんに遭遇し、ディーディーとはぐれてしまう。
サリ(演:ケリー・ラッセル)
ディーディーの母親。学校をサボって森に向かった娘を追いかけ、森に足を踏み入れる。
リズ(演:マーゴ・マーティンデイル)
森林公園のレンジャー。ピーターに好意を寄せている。
ピーター(演:ジェシー・タイラー・ファーガソン)
野生動物管理人。リズに好意を寄せられている。
ボブ(演:イザイア・ウィットロック・Jr)
あと少しで引退というところのベテラン刑事。職務に忠実で、愛犬「ロゼット」のことを溺愛している。
リーバ巡査(演:エイヨーラ・スマート)
ボブの部下である新人警官。ボブが森に向かった際には、ロゼットを預けられる。
シド(演:レイ・リオッタ)
麻薬王で、運び屋アンドリューの雇い主。渋々ながらに、孫の面倒を見ていた。
エディ(演:オールデン・エアエンライク)
シドの息子だが、裏の世界からは足を洗った。病で妻を亡くしたことから立ち直れず、息子を父親に預けている。
ダヴィード(演:オシェア・ジャクソン・Jr)
シドの信頼するフィクサーで、エディの親友。
映画「コカイン・ベア」の感想
映画「コカイン・ベア」の感想です。思いのほかちゃんと作り込まれていて、流し見程度(失礼)にする予定が、しっかりガッツリ見入ってしまいました。好き。
チープさのないB級映画
B級映画にあって然るべきもの。
それは映像のチープさ(褒め言葉)。
その点、本作は「これぞB級映画!」というほどのチープさはなかったように思います。なんていうか、チープなところとそうじゃないところのバランスが非常に良かった。
想像していたよりもちゃんとグロかったんですが、グロいシーンがチープな感じに出来ていた(何度も言うけれど褒め言葉)ので、とても観やすい雰囲気に仕上がっていましたね。
バリエーション豊かな退場
あとは、物語の性質上、ばっしばしに登場人物たちが退場していくんですけれども、その退場の仕方にバリエーションがあってとても良かったです。
ただクマさんにやられてハイ、終わりじゃない、みたいな。
人間同士でもいざこざがあったりして、クマさん一辺倒じゃないのがまた良かったですね。
クマさんのクールな登場シーン×可愛い子熊ちゃん
人間同士の対立がありつつも、ならクマさんは悪役か? というと、そういうわけでもない。
まあ、クマさんは普通に自分の居場所にいるだけですしね。
個人的にはむしろ「かっけー!」な部分が大きくて、特に終盤シーン、崖の上からロックな音楽を背負い、遠吠えしながら登場するシーンとか、めちゃくちゃクールでした。
あとは、子熊ちゃんたちも普通に可愛い。
主人公補正ありき
スリラーやパニック映画などでありがちな展開ですが、本作も例外に漏れず、主人公補正ありきのストーリーでした(当然といえば当然)。
所謂モブたちはばっしばしやられていくのに、なぜかメインの子どもたちは、クマさんに遭遇しておきながらも生き延びるという。
そこらへんは流石に「なぜ?」とツッコまないでもなかったけれど、そもそもコメディー寄りの作品ですしね(私はそう思っている)。そこまでに気にはなりませんでした。
実は実話ベース
本作に関して、なんだかんだ一番驚いたのが、実話を基にした話であるということ。
といっても、ざっと調べてみると「ほとんどがフィクション」で、実際の事件は「着想を得た」ぐらいの感じみたいですね。
麻薬密売業者アンドリューが森にコカインを投棄する(その後、飛行機から飛び降りるも、パラシュートがうまく開かず命を落とす)というところまではほぼほぼ同じ。
で、実際には、そんなことがあった数カ月後に、開封済みのプラスチック容器が発見されたんだとか。そして、その隣? 近く? で、薬物の過剰摂取により死亡したと見られるツキノワグマが発見されたと。解剖した際、体内から3~4グラムのコカインが見つかったと言います。
ちなみに、この「コカイン・ベア(本物)」の剥製は現在、ケンタッキー州にあるそうです。
というわけで、ハイになったクマさんが人に襲いかかって云々のあたりは、完全なるフィクションと言えるでしょう。
映画「コカイン・ベア」が好きな人におすすめの作品
映画「コカイン・ベア」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- HUNT/餌 ハント・エサ(2016)
- キラー・ナマケモノ(2023)
- MEG ザ・モンスター(2018)
- JAWS/ジョーズ(1975)
まとめ:みんなで集まって楽しむのも◎
集中して真面目に観るのもいいですが、みんなで集まってポップコーンパーティーをしながら観るのも楽しそうな作品だなと感じました。
そのくらい、頭を空っぽにして気軽に楽しめる内容(褒め言葉)。
B級映画の中では、特に良く出来た動物パニックだったと思います。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 66% AUDIENCE SCORE 71%
IMDb
5.9/10