陰陽師0 (文春文庫)
さて、「陰陽師」といえば、日本で知らない人はいないというほど大人気なお話ですが。
その安倍晴明の学生時代を描いた作品がこちらになります。
正直、どうかなあ……なんて挑戦する気持ちで観に行ったんですけれども、個人的にはかなり好きな作品でした。映像と派手なアクションが◎!
本記事は2024年05月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
安倍晴明と源博雅のバディが最&高!
作品情報
タイトル | 陰陽師0 |
原作 | 陰陽師/夢枕獏 著 |
ジャンル | ファンタジー |
監督 | 佐藤嗣麻子 |
上映時間 | 113分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2024年 |
レイティング | ― |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
時は平安時代。陰陽師の学校兼省庁だった「陰陽寮」に、学生として所属していた安倍晴明。多くの人が上を目指すそこで、安倍晴明は陰陽師になる意欲がないまま過ごしていた。そんなある日、貴族の源博雅から、皇族の徽子女王が襲われている異様な現象について相談を受けた晴明は、博雅と二人で真相を追いかけ始める。ところが、ある一人の学生が変死したことをきっかけに、事態は大きく動くことになる……。
▼文庫▼登場人物
(敬称略)
安倍晴明(演:山崎賢人)
陰陽寮に所属する学生。上を目指す意欲はほとんどなく、そのうえ人嫌いなので、いわゆる変わり者の扱いをされている。
源博雅(演:染谷将太)
貴族。徽子女王に寄り添い、奇怪な現象に悩まされていることを晴明に相談しに来た。正直者。
徽子女王(演:奈緒)
皇族。博雅は従兄弟。人には見えないものが見える体質。
平群貞文(演:安藤政信)
陰陽寮の学生。45歳だがいまだ芽は出ず、田舎に残してきた母に楽をさせたいと、帝の陰陽師を目指している。
橘泰家(演:村上虹郎)
陰陽寮の学生(得業生)。家柄が良く、成績優秀ながらも傲慢な性格。
帝(演:板垣李光人)
醍醐天皇の第14皇子。兄が崩御したことにより即位した。晴明の噂を聞き、興味を持っている。
賀茂忠行(演:國村隼)
陰陽博士。陰陽寮では教師を務めており、幼い頃に親を亡くした晴明を引き取った人。
惟宗是邦(演:北村一輝)
天文博士。陰陽寮では教鞭を執っている。指導者としては熱心だが、やる気のない晴明のことは煩わしく思っている節がある。
藤原義輔(演:小林薫)
陰陽寮のトップ(陰陽頭)。陰陽師たちがこぞって目指す帝の陰陽師に最も近い人物だと目されている。
映画「陰陽師0」の感想
映画「陰陽師0」の感想です。山崎賢人さん主演というだけあり、アクションシーンが実に美しい作品でした。もちろん、映像も大迫力で綺麗です。
陰陽師のイメージ
個人的に、陰陽師というか、安倍晴明といえば野村萬斎さん一択だったんですが。
意外とイケていた。
正直、「晴明は萬斎さん! 晴明は萬斎さん! それ以外は認めん!」という厳格な気持ち(笑)で観に行ったんですけれども、山崎賢人さんの安倍晴明も予想外に良かったということです。
野村萬斎さんver.はもっと生意気で、人を小馬鹿にした感じが強かったと思うんですが、それはもう少し時間が経って、年齢を重ねて経験を積んだからこそそうなった、と考えれば結構整合性が取れているような気もしますしね。
ただし、一点。山崎賢人さんの線の細さだけはちょっぴり気になってしまいました(いや、本人はとても美しいんですけれども……)。
っていうか、最近漫画や小説原作の実写映画を観ると、ほとんど必ずといっていいほど山崎賢人さんが出ていますね。少し前までは「あ、この漫画好きだったんだよねえ! 実写版も観てみるか……また真剣佑(さん)!」という状態だったような。
博雅とのコンビが最&高
本作における安倍晴明(山崎賢人)と源博雅(染谷将太)はまさに名コンビでした。
山崎賢人さんは先述した通りですが、源博雅を演じた染谷将太さん。
とっても良かった。
キュートでちょっぴり抜けていて、でも一本芯が通っているような。
どこか斜に構えていて、人を小馬鹿にした態度を取る晴明に対しても偏見を持たず、真正面から向き合っていました。貴族なんだから、もっと偉ぶっていてもいいのにね。
そこに染谷将太さんの可愛らしさ(褒め言葉)がピシャリとハマっていました。
あとは、変わり者の晴明が陰口を言われているのを聞いて、自分も「コイツぅ……!」と何度も思っていたくせに「アイツの悪口を言っていいのは俺だけなんだ!」みたいな態度を取ったこと、解釈一致すぎる! となりました。
豪華な俳優陣
先述した通り、メインコンビは安倍晴明(山崎賢人)と源博雅(染谷将太)。
ですが、そのほかにもかなり有名な俳優さんたちがそろっていました。
奈緒さんに國村隼さん、北村一輝さんに板垣李光人さん……。
個人的には特に、帝を演じた板垣李光人さんが好きでしたね。立ち振る舞いが優雅で上品、なるほどプレイボーイ……! と納得の演技でした。
大迫力の映像と美しいアクションシーン
大迫力の映像と美しいアクションシーンも見どころのひとつです。
本作のVFX(視覚効果)は、「ゴジラ-0.1」や「シン・仮面ライダー」のVFXを担当した「白組」が手掛けていることもあり、間違いのないクオリティーに仕上がっていました。
大迫力でとにかく惚れ惚れするような美しさ。
それと、山崎賢人さんのアクションシーンも良かったですね。
まあ、正直、もろワイヤーで吊り上げています! なアクションだったんですけれども、このある種のわざとらしさみたいなものも、晴明が持つ背景やストーリーそのものの背景を考えれば、意外と納得に足るというか。
曰く、
本作では、アクション監督の園村健介がフィギュアスケーターの羽生結弦のパフォーマンスにインスピレーションを受け構築した、重力を感じさせない舞うようなアクションに挑戦。“キツネの子”と言われる晴明の人間離れした動きを再現するため、スタッフのアドバイスを受けながら細かく動きを確認し挑んだ本番では、華麗な足捌きを披露。
(引用元:羽生結弦にインスピレーション!『陰陽師0』山崎賢人“舞”アクションの裏側公開|シネマトゥデイ)
とのこと。
確かに「踊っているような動きだなあ」と感じたんですよね。この感覚は正しかったよう。
謎解き要素は薄め
あらすじにもある通り、事態が大きく動くきっかけというか、本格的に晴明が動くことになった原因は、ある学生の変死事件。
……ん? あれ? これ、サスペンスだっけ?
突然ジャンル違いの何かが始まるのかと思って、きょどきょどしちゃいました(笑)
個人的には、ジャンル分けの感覚って人それぞれだと思っているので、ファンタジーの中にサスペンス要素があっても全然いいんですが。
でも、ファンタジーがサスペンスに成り代わるのは流石に駄目でしょうと。
突然謎解きが始まるのかと思って一瞬困惑しましたが、安心してください。履いてま……謎解きメインではありませんでした。
むしろ、意外と謎解き要素は薄かった。
どちらかというと、ファンタジー×ヒューマンドラマ×(添え物程度に)サスペンス、みたいな感じでしたね。
現代とはまた違う(平安時代の)階級社会と、人を信じるということ、そして夢と現実、過去と現在。いろんな想いが詰まっていて面白かったです。
映画「陰陽師0」が好きな人におすすめの作品
映画「陰陽師0」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- レジェンド&バタフライ(2023)
- わたしの幸せな結婚(2023)
- 花戦さ(2017)
- さんかく窓の外側は夜(2021)
まとめ:陰陽師ファンでも意外とイケる
野村萬斎さん出演「陰陽師」ファンでも意外と楽しめました(それにびっくり)。
もちろん好き嫌いはあると思いますが、個人的には好きでしたね。大迫力の映像と、舞っているような、けれども派手なアクションシーン。
見どころ盛りだくさんの作品でした。
Rotten Tomatoes
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IMDb
5.4/10