優しい文章とポップなキャラクターたちが特徴の「ウィルとふゆのおきゃくさん」。
冬のある日、とある心優しい少年のもとを訪れる影がありました。凍える季節の中、寝床を求めてさまよい歩く動物たちです。
ウィルの優しさに心温まる一作、ここにあり!
作品情報
出版日 | 2020/10/1 | 出版社 | 光村教育図書 |
ジャンル | 絵本 | ページ数 | 32ページ |
おすすめ度 | ★★★★★ |
おもな登場人物
丘の上の一軒家に住んでいる心優しい男の子。
あらすじ
冬のある夜のこと。ウィリアムのもとにつぎつぎ動物たちがやってきます。冬のながい眠りにつくためのあたたかいベッドを求めて。快く迎えるウィリアムでしたが、ベッドはどんどん狭くなり……。
(引用元:amazon.co.jp)
「ウィルとふゆのおきゃくさん」の注目ポイント
丘の上にひとりで暮らすウィル(ウィリアム)が次から次へと凍える動物たちを自分の家に招いていく可愛らしいお話です。思わず微笑んでしまうような優しい物語を読みたい人におすすめ!
効果音の絶妙な使いかた
子どもたちに読み聞かせをするのに実にちょうどいい効果音の使いかた。
- コツコツコツ
- トントントン
- ドン!ドン!ドン!
「次はどんな動物が来るんだろう?」とワクワクさせられるような工夫がされています。
海外らしいポップなイラスト
本作「ウィルとふゆのおきゃくさん」はアメリカ出身の作家リンダ・アシュマンによるもの。ただし、イラストはオランダ生まれのチャック・グルニンクという人が描いています。
大学でイラストレーションについて学んだというだけあって、イラストはやはりどこか海外ちっく。
ポップでキュート。
子ども心をギュッとわしづかみにすること間違いなしです!
読みやすいページ数
短すぎず、かといって長すぎずのページ数も魅力のひとつ。
イラストと文字数のバランスも非常によく取れていて、子どもだけでなくヤングアダルトや大人にも楽しめる工夫が散りばめられています。
ベッドタイムストーリーとしての一冊にぴったりです。
「ウィルとふゆのおきゃくさん」を読んだ感想
絵本といえば子どものイメージが強いものですが、本作に限ってはまったくそんなことはありません。むしろ大人にこそ読んでほしい作品。
まだ時間や体力に余裕があった子どもの頃に置き忘れてしまった『優しさ』や『思いやり』を思い出させてくれます。
まさに心温まるハートウォーミングな物語。
「自分だけが良ければいい」なんてそんなことないんですよね! それから、他の人に「そこまでしなくても」「自分たちには関係ないし」と言われても、ハッキリ自分を主張するウィルの強さ。
それから「それは違うんじゃないかな」と言われたら、しっかり考えて反省する動物たちの素直さも。
大人になってこそ学ぶべきことはたくさんありますね。
損得関係なく他人に手を差し伸べること。
違う意見でも人の話には耳を傾けること。
自分の意見を伝えること。
『おともだち』でも適切な距離を保つこと。
これらすべて当然のようであって、いざできているかと言われれば……ちょっと自信ないかも! という人はたくさんいるのではないでしょうか?
みーんなでお布団、あったかい!
動物によって性格がまったく違うのも面白いところですね!
まとめ:心がホッコリ温かくなる
大人になるとどうしても厳しい面ばかりに目が向いてしまいがちな世の中ですが、子どもに伝えたい社会の『優しさ』や『思いやり』を描いた良作です。
可愛らしいイラストにもホッコリ癒やされます。寝る前の読書タイムにぴったりなので、ぜひ一度読んでみてくださいね!
※本記事の情報は2021年6月時点のものです。