オデッセイ(字幕版)
「オーシャンズ11」や「ボーン・アイデンティティー」などの作品に出演している、マット・デイモン主演の作品です。
流石、マット・デイモンというべきか。ほとんどのシーンがひとり芝居であるのにもかかわらず、かなり没入感のある内容に仕上がっています。
本記事は2024年05月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
ジャガイモ食べて、生き延びる。
作品情報
タイトル | オデッセイ |
原題 | The Martian |
原作 | 火星の人/アンディ・ウィアー 著 |
ジャンル | SF、ヒューマン、アドベンチャー |
監督 | リドリー・スコット |
上映時間 | 144分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2015分 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
有人火星探査中、砂嵐に襲われたマーク・ワトニーら調査隊。隊は火星からの撤退を余儀なくされるが、撤退しようとする最中、マークは飛行物に巻き込まれて隊からはぐれてしまった。マークは助からないだろうと推測した隊は、そのまま火星を離れることに。しかし、奇跡的に生きていたマークは、火星でたった一人、生き延びなければならなくなるのだった……。
▼DVD▼登場人物
(敬称略)
マーク・ワトニー(演:マット・デイモン)
エンジニア兼植物学者。自身の持つ知識を総動員して、火星で一人生き延びようとする。
メリッサ・ルイス(演:ジェシカ・チャステイン)
調査隊の隊長兼地質学者。高い決断力でプロジェクトメンバーを引っ張っていく。地球に夫がいる。
リック・マルティネス(演:マイケル・ペーニャ)
操縦士。マークとは親友のような気安い仲。地球に妻子がいる。
ベス・ヨハンセン(演:ケイト・マーラ)
システムオペレーター兼原子炉技術者。
クリス・ベック(演:セバスチャン・スタン)
航空宇宙医師兼生物学者。ベスに好意を持っている。
アレックス・フォーゲル(演:アクセル・ヘニー)
科学者兼天体物理学者。ドイツ出身。
映画「オデッセイ」の感想
映画「オデッセイ」の感想です。マット・デイモンがいかにすごい役者であるかを、改めて実感した作品でした。
絶望な状況からのサバイバル生活
仕事をしていたら、砂嵐に遭った挙句、もう助からないと思われて仲間に置き去りにされる……火星に。
もちろん、仲間たちの迅速な判断は非常に正しいものなんですが、当の(置き去りにされた)本人からしたら、普通に絶望的ですよね。
それを「よし、とりあえず一人で生き延びるためには……」と、素早く計算に入るマーク・ワトニーさん。すごすぎます。
この状況を楽しそうに描くリドリー・スコット監督の手腕が、実に見事でした。
緊張感とそうでない部分のバランスがとても良かったというんですかね。
これぞ緊張と緩和。
息苦しくならない宇宙ベースの物語
私は特にそうなんですが、宇宙(宇宙飛行士)を題材にした物語って、なんだか息苦しく感じることが多くて。
例えば、「ゼロ・グラビティ」なんかもそうでした。
まあ、あれは体感型映画のひとつなので、そう感じる人は多かったのかもしれませんが。
酸素濃度が減っていくのを見るたびに、こう、一緒に苦しくなっていく感じがしたんですね。で、「苦しい! もう限界!」と思ってハッとすると、無意識に呼吸を止めていたなんていうこともありました。
でも、本作にはそれがなかった。
宇宙を題材にしているといっても、マーク本人はほとんど地上(火星ですが)にいるからでしょうか。なので、身構えずに観ることができました。
目の前にある問題との向き合い方
また、マークを見ていると、目の前にある問題との向き合い方がどれほど大事なのかがわかります。
いや、そもそも、目の前にある問題と向き合うのか、それとも目を逸らして逃げるのか、というところも。
個人的に、私がマークと同じ状況になったらば(なるわけないんですが)、逃げる一択になってしまう気がしました。
一度火星を離れた仲間が迎えに来てくれるかも怪しいし、なまじっか知識のあるマークなら「自分はおそらく死亡扱いにされているだろう」ということも、なんとなく想像がついたはず。
それでもひたすら日数を計算し、自力で生き延びることを決意するマーク。
これ自体は「まあ、助けに来てくれるだろう」と楽観的に思っているわけではなく、意識して良くない可能性を排除しているように見えました。このあたりも頭が良い。
怪我の応急処置をして、誰かが助けに来るなら……と素早く計算し、では、生きるために自分はどうしたらいいのか、と考える。
ひとつひとつ、目の前にある問題を着実に片付けていく姿勢ですね。なんでもかんでも一気にこなそうとするのではなく、焦らずできることからしていくという、一見簡単なようでいて、忘れてしまいがちなこと。
優秀な人たち(当然)
当然すぎる前提ではあるんですが、マークをはじめ、本作に登場する調査隊の方々。
とっても優秀です。
各々専門的な知識があるだけでなく、情に厚く、判断が迅速で、メンタルも強い。
ただ頭が良いだけじゃ駄目なんだろうな、というのがよくわかる面々でした。
原作/原題と異なる日本語タイトル
本作は、アンディ・ウィアーの小説「火星の人」をベースにした作品。
原題も「The Martian」。
実は、劇場で本作を観た時、私は海外にいたんですけれども、帰国した際に本作の日本語タイトルが「オデッセイ」であると知って、結構びっくりしました。
まったくちゃうやん!? と。
でもね、まあ、考えればわからなくもない。
日本語でそのまま「火星の人」としてしまうと、イメージ的には「火星に住んでいる人の話」っぽい……かもしれない。つまり「火星人」の話。
しかも、原題(「The Martian」)の「Martian」は、日本語訳にすると実際に「火星人」になる。
この「The Martian」には、ほかにも英語だからこそのニュアンスがあるのだと思うんですけれども、日本語で伝わりづらいのは確かです。
なので、わかりやすくキャッチーなタイトルとして「オデッセイ」となったのでしょう(実際のところは知りませんが)。
ちなみに、「オデッセイ(odyssey)」は「長い冒険」の比喩として使われる言葉。このタイトルの付け方もお洒落で結構好きです。
映画「オデッセイ」が好きな人におすすめの作品
映画「オデッセイ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ゼロ・グラビティ(2013)
- インターステラー(2014)
- アポロ13(1995)
- ファースト・マン(2018)
まとめ:楽しんで観られる傑作SF映画
あまり身構えず、楽な気持ちで観られるSF映画です。
流石、マット・デイモンというだけあって、ほとんど一人芝居であるにもかかわらず、ずっと演技が安定していてすごい。そういった意味でも安心して観られます。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 91% AUDIENCE SCORE 91%
IMDb
8.0/10