
禁じられた遊び
「禁じられた遊び」の感想です。
まったく怖くないホラーでした。
ホラーが苦手な人でも、気負わずに観られるんじゃないかなと。個人的には「物足りない!」×∞でした。でも、キャストはとても素敵!
本記事は2025年08月23日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
トカゲの尻尾を土に埋めたら胴体が生えてくる。
作品情報
あらすじ
伊原直人は、妻の美雪と息子の春翔と共に幸せな毎日を送っていた。そんなある日、美雪と春翔が交通事故に遭って病院に運び込まれたという連絡があり、直人は急いで病院に向かう。しかし、美雪はすでに亡くなっており、春翔も危険な状態だった。一度は心肺停止状態に陥った春翔だったが、なんとか一命を取り留める。春翔と共に、なんとか元の生活に戻ろうとする直人。その一方、映像ディレクターの倉沢比呂子の周辺で、不可解な出来事が起こりはじめ――。
主な登場人物
(敬称略)
伊原直人
(演:重岡大毅)
妻子と共に幸せな生活を送っていたが、一軒家を購入した矢先に妻を交通事故で亡くしてしまう。
伊原春翔
(演:正垣湊都)
直人と美雪の息子。母親である美雪と共に事故に遭い、一時は心肺停止状態に陥るものの、なんとか一命を取り留める。
伊原美雪
(演:ファーストサマーウイカ)
直人の妻で、春翔の母親。交通事故で他界。
倉沢比呂子
(演:橋本環奈)
映像ディレクター。社会で活躍する女性として、雑誌の取材を受けることも。直人の元同僚。
大門謙信
(演:長谷川忍 – シソンヌ)
霊媒師。
映画「禁じられた遊び」の感想
映画「禁じられた遊び」の感想です。「禁じられた遊び」と言えば、個人的にはやっぱりフランス映画が思い浮かぶ。
禁じられた遊びと言えば……
上で述べましたが、個人的に「禁じられた遊び」と言うとフランス映画のあの「禁じられた遊び」(1952)なんですよねえ。これがめちゃくちゃ好きで。同じタイトルの本作も気になってはいたんですが、ジャケットをパッと見た感じ「“それ”がいる森」(2022)のようなにおいがしたもので、ちょっと警戒もしておりまして(笑)。
で、「気になるならもう観ちゃえ!」という感じで鑑賞してみたんですが、やっぱり「“それ”がいる森」味がありました。
最近、海外ホラー「Smile/スマイル」(2022)を観た時の感想にも「呪いの正体があまりにクリーチャーっぽすぎると怖くない」と書いたんですが、本作の場合もまさにそれでした。呪いの正体をあまりにはっきり描きすぎているせいで、Jホラー特有のじめっとした怖さが半減してしまった感じ。
やっぱり、正体がわかるとワンチャン物理で戦えそうな気がするよねって(実際、物理で戦っていたし)。
比呂子=嫌な女?
あと、個人的に一番気になったのが、登場人物にあまり感情移入できなかったところ。
一応ヒロイン枠である比呂子は、かつて直人に好意を抱いていたことから呪われてしまったという話でしたが。こういうのって理不尽だからこそ映えるみたいなところあるじゃないですか。家に入ったら呪われる、着信が来たら呪われる、ビデオを見たら呪われる……。
でも、本作はその要素が非常に薄かったように感じました。
「(直人に)告白さえしていないのに、あの女は」と、たぶん比呂子なりに理不尽は感じていたんだと思うけど。でも、比呂子って、恋人や夫の周りにいたらかなり嫌なタイプの女だよねとは思う。無罪か? と言われれば、確実に無罪ではない(笑)。
人を想うのは勝手。相手が既婚者であっても。想うだけなら(想うだけなら……)。
ところが、比呂子の場合は、パニクっていたからといえども直人に抱きついているし、直人にもしっかり抱き締め返されている。2人きりの空間で。しかも、互いに好意を抱いている状態。
状況が状況なので、不倫や浮気に入るかと言われれば微妙なところだとは思うけど、妻からしたらまあまあ嫌なんじゃないかなと。そのうえ、お礼にとわざわざZippoなんて渡そうとしてくる女、まったく信用できない(笑)。最初は手紙まで同封しようとしていたし。その手紙の内容も、ただの同僚にあてたものというにはちょっとあれだったし……。
個人的に、比呂子は「黒寄りのグレーですよ」と思ってしまったので、最初から最後まで割と「そりゃあ美雪に嫌われるやろ……」という感情でした。
だけど直人はもっと嫌
でも、直人は直人でもっと嫌。
「あなた、既婚者だよ」ってなってしまう。
性別にかかわらず、不倫をしたときに「寂しかったから」みたいに言い訳をする人間ってたまにいますが、「で?」でしかないんですよね。基本は。寂しいという感情は、不貞を働く言い訳にはならないよって。相手(妻や夫)と話し合うなり離婚するなり、不倫以外の方法で解決しなさいよってなってしまう(相手に話が通じない場合を除いてですけれど)。
直人も似たようなもので、自分の気持ちを打ち明けた時に「まあ、そんなんじゃ到底美雪さんは納得しないでしょうな」と。
人間、正しいことばかり選べないというのはわかるけど。だけどさ、ってなってしまいました。
和美人なファーストサマーウイカさん
ちなみに、美雪を演じていたのはファーストサマーウイカさん。
これがね、もうものすごくお綺麗でした。
和美人というか。
比呂子を演じたのが橋本環奈さんだったので、また別タイプの美しさではあるけれど、他の人にフラッと行くのはもったいないよなあって。「直人ー! こらー!」ってなってしまった(笑)。
シソンヌ長谷川さんが最高!
で、ファーストサマーウイカさんも良かったんですが、本作における個人的MVPはシソンヌ長谷川さんでした(笑)。
長谷川さんは霊媒師の役を務めていたわけですけれども、あの胡散臭さが最高。とても胡散臭い。あまりに胡散臭い。胡散臭いのに力は本物。本物だけどメンタルはまあまあ弱いという。
シソンヌのネタも好きですが、コントをやるだけあって(?)さすがの演技力でしたね。長谷川さん。
特に怖くはない
と、登場人物やキャストについてばかり言及してしまいましたが、肝心のホラー部分はどうかと言うと、まったく怖くありません。たぶん、ホラーが苦手な人に丁度良いぐらい。子どもたちと一緒に観ると盛り上がるかも? っていう感じでした。
なので、私としてはまあ物足りなさはありましたね。でも、つまらなかったというわけではないから不思議。
個人的には、春翔をもう少し無邪気な感じの少年にしてほしかったところ。ちょっぴり存在感が薄かったような気がします。ほとんど直人と比呂子の話を行き来するだけなので。
映画「禁じられた遊び」が好きな人におすすめの作品
映画「禁じられた遊び」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ミンナのウタ(2023)
- あのコはだぁれ?(2024)
- 着信アリ(2004)
まとめ:原作が読みたい!
ふと思ったのは「原作はまたちょっと違うのかもしれないな」ということ。小説や漫画などを元にした映画って、往々にして端折っている部分なり改変している部分なりがあるものですし。
雰囲気とかも同じというわけではないかもしれない。
機会があれば、原作のほうを読んでみたいような気がしました。
Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter 57%
IMDb
4.5/10
Filmarks
2.8/5.0