「ゾンビ・ホロコースト」の感想です。
ニュージーランド発のゾンビ映画!
ニュージーランドのホラー映画と言えば、思い出すのは「ハウスバウンド」(2014)。この時にも思ったけど、ニュージーランド産のホラー映画、意外と好きなのかもしれないなあ。
本記事は2025年10月14日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
B級ゾンビ映画の撮影をしていたら、本物がおりまして。
作品情報
タイトル | ゾンビ・ホロコースト |
原題 | I Survived a Zombie Holocaust |
ジャンル | ホラー、スリラー、B級映画、ゾンビ |
監督 | ガイ・ピグデン |
上映時間 | 104分 |
製作国 | ニュージーランド |
製作年 | 2014年 |
公開年(新) | 不明 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★★★★ |
あらすじ
脚本家志望でやる気に満ちあふれたウェズリーは、とある低予算ゾンビ映画の撮影現場を訪れていた。しかし、彼に与えられるのは誰もが嫌がる雑用ばかり。それでもなんとか協力しようとするウェズリーだが、空回ることのほうが多いようだった。そこでウェズリーは、女優でありながらも食事担当にさせられている女性と出会い、惹かれ始める。撮影はなかなか進まず、厳しい監督の苛立ちは増すばかり。ゾンビに分した役者が数多くいる中、なんと本物のゾンビが紛れ込み――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ウェズリー・ペニングトン
(演:ハーレイ・ネヴィル)
脚本家志望の青年。意気揚々と撮影現場を訪れるが、与えられた仕事は雑用ばかりだった。しかし、その雑用をこなすにも、いろいろと空回ってしまう。食事係をしていたスーザンに一目惚れをした。
スーザン・フォード
(演:ジョスリン・クリスチャン)
売れない女優。今回の現場では食事係をしているが、料理は大の苦手。
ターネイ
(演:ベン・ベイカー)
撮影現場で働いていたマオリ人男性。ラグビー経験があり、屈強な体つきをしている。
アダム・ハリソン
(演:マイク・エドワード)
撮影していたゾンビ映画の主演を務めていた男性。自意識過剰な部分がある。
スタンリー
(演:アンドリュー・ラング)
ゾンビ映画の監督。熱意がありすぎるあまり、撮影スタッフ及び俳優への当たりは強め。プライドが高い。
映画「ゾンビ・ホロコースト」の感想
映画「ゾンビ・ホロコースト」の感想です。意外や意外、(自分の中で)ゾンビ映画として久々にヒットした! という感じでした。
系統としてはゾンビ・コメディー
本作の系統としてはゾンビ・コメディーですね。
言うなれば「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)とか「ゾンビランド」(2009)とか、ああいったタイプの映画。もちろん、劇中で「低予算ゾンビ映画を作っている」ように、本作も紛れもなくB級映画ではあるのですけど。
でも、こういったゾンビ・コメディーって、ピタッとハマらないとどうしても白けてしまいがちなところ、本作を手掛けたガイ・ピグデン監督はこのあたりも非常にお上手だったと思います。この監督、「オールダー/Older」(2020)という作品も作っているようなので、これはチェックしたい。
ニュージーランド版「カメ止め」?
ちなみに、本作、「ニュージーランド版『カメ止め』」と言われているらしいです。
個人的には「確かにな?」とも思う部分もあったし、「カメラを止めるな!」(2018)のあのまんまを想像していると、ちょっと違うかも? となるような、そんな感じでした。B級ゾンビ映画を撮影していたら実は、という設定はまあ似ているかな。スピード感も割と似ている。
ただ、ゾンビがわーっと襲ってきたあたりからは完全に似ている部分はなくなったように思います。「カメ止め」のネタバレも控えようと思うと、ちょっと表現しづらいけど。序盤は「ああ、まあ、雰囲気はね、雰囲気は」となり、中盤以降は「全然似てねー!」ってなる。
絶妙なゴア描写
あとは、本作のゴア描写がすごく好きでした。丁度良いというか。ここら辺は当然個人差があるところだと思いますけれど。
実は、個人的に一番「いってー!」ってなる描写は、映画「ゾンビ」(1978)のあれ。人がチキンにかぶりついているかのように、サクッと体の肉が持っていかれる感じ(わかってくれるとうれしい)。結構気持ち悪くて「しばらくチキンはいいですぅ……」ってなった。
これはこれでいいんだけど、やっぱり「いいぞ、いいぞ!」とテンションが上がるのは本作のような描写。
中には、自分の体の中から内蔵を引っ張り出してモグモグしているゾンビとかも出てきて、アイデアもバッチリでしたよ。ピグデン監督。
走るゾンビを見たウェズリーの「ロメロのゾンビの動きじゃない!」みたいなセリフが最高に好きでした。ロメロゾンビの動きではないけど、「28日後」(2002)とかは観ていないのでしょうかね。
最初はノロノロゾンビが主だったのに、次第にゾンビの動きが機敏になっていくあの感じ、今まで観てきたゾンビ作品の中にはなかったな。
緊張と緩和
ゾンビ・コメディーであることは先に述べた通りですが、緊張と緩和もうまく演出されていたように感じましたね。劇中、主演俳優だった自意識過剰男のアンドリューは基本コメディー担当(人を苛立たせるのもうまい)。この人の使い方がいいし、主演女優だった女性とのシーンはもう笑ってしまう。
かと思えば、ターネイは本当にいいキャラでした。
ニュージーランドを象徴する人物。(おそらく)マオリ人で、ラグビー経験があり、ハカを踊れる。
それまでクスクスしながら観ていたのに、ターネイがラグビーさながらに走るシーンではちょっと泣きそうになるという。頑張れ、ターネイ! と応援したくなりました。
主人公は冴えない男(だけど……)
そんなターネイも含め、本作にはヒーローらしいヒーローはいません。
ターネイやアンドリューなど、ヒーローとしてのポテンシャルがありそうな人はいるのに、それでも明確なヒーローにはならない(個人的にはターネイがMVP)。
なにしろ主人公がザ・冴えない男ですしね。
でも、空回りまくっているのになぜかいつも一生懸命なこういう人って憎めないんですよね。精神的にも肉体的にも決して強いわけじゃないのに、一目惚れをしただけのスーザンを助けに行くその性格も素晴らしい。
幸せになってほしい人です。ウェズリーという男は。
映画「ゾンビ・ホロコースト」が好きな人におすすめの作品
映画「ゾンビ・ホロコースト」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- YUMMY ヤミー(2019)
- ブラックシープ(2006)
- ゾンビーワールドへようこそ(2015)
映画「ゾンビ・ホロコースト」の配信サイト(サブスク)
※記事執筆時点での情報です(2025年10月14日)。レンタル作品等も含まれます。
Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:ニュージーランド発のホラーはいい
ニュージーランド発のホラー、意外とよき。
低予算映画だと思うので、一部チープさはあるものの、ストーリーはしっかり作り込まれていました。なぜかCMっぽい映像が挟まれていた(※主観です)のも、ちょっとクスッときてしまうポイントでしたね。
Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter 44%
IMDb
5.0/10
Filmarks
3.0/5.0