チャイルド・プレイ(字幕版)
映画「チャイルド・プレイ」といえばかなり有名な作品ですが、今回取り上げるのは2019年版の比較的新しい「チャイルド・プレイ」です。
狂暴性はそのままに、一作目とはちょっと違う現代版チャッキーが(さらにパワーアップして!?)大暴れしていました。
本記事は2024年03月に執筆されました(2024年07月更新)。すべての情報は更新時点のものです。
ワンフレーズ紹介
愛しくも切ない、耳に残る「バディソング」。
作品情報
タイトル | チャイルド・プレイ |
原題 | Child’s Play |
ジャンル | ホラー、スリラー |
監督 | ラース・クレヴバーグ |
上映時間 | 90分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2019年 |
レイティング | R15+ |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
あらすじ
母親から「バディ人形」という高性能人形を誕生日プレゼントにもらったアンディ。人形は自身を「チャッキー」と名乗り、孤独を感じていたアンディの心にするりと入り込んできた。最初こそ最高のバディを手に入れたと夢中になるアンディだったが、そのうち、チャッキーには深刻な欠陥があるらしいことに気付いて――。
登場人物
(敬称略)
アンディ(演:ガブリエル・ベイトマン)
多忙な母親を持ち、孤独を感じている少年。母親の恋人とうまくいかないのが目下の悩み。
アンディの母親(演:ザーラ・アンダーソン)
アンディの母親で、シングルマザー。
ヘンリー・カスラン(演:ティム・マシスン)
高性能な「バディ人形」を開発・発売した最先端テクノロジー企業の創設者。
シェーン(演:デヴィッド・ルイス)
アンディの母親の恋人。従順に言うことを聞かないアンディのことを疎ましがっている節がある。
マイク(演:ブライアン・タイリー・ヘンリー)
アンディと同じ建物に住んでいる刑事。母親と同居している。
ドリーン(演:カーリース・バーク)
マイクの母親。気前が良く、アンディにも親切にしてくれる。
パグ(演:タイ・コンシーリョ)
アンディの友人で、ファリンの弟。アンディとは同じ建物内に住んでいる。
ファリン(演:ビアトリス・キットソス)
アンディの友人で、パグの姉。アンディとは同じ建物内に住んでいる。
チャッキー(声:マーク・ハミル)
高性能人形。
映画「チャイルド・プレイ」の感想
映画「チャイルド・プレイ」の感想です。初代「チャイルド・プレイ」のリブート版ということもあって、プロットは第一作目に沿っています。
前作までと異なる設定
複数展開してきた「チャイルド・プレイ」シリーズですが、基本的には殺人鬼の魂が乗り移るという設定でしたよね。
それが今作では、AI人形の暴走という形になっています。
そういう意味では、「M3GAN/ミーガン」に近い雰囲気に仕上がっていました。
魂が宿っているようでいて、実はテクノロジーの暴走という。しかも、元凶(笑)は最初に登場します。これがバレたらクビどころの騒ぎじゃないですね。
グロいシーンはB級映画
チャッキーが殺人マシンと化すので、中にはグロいシーンも出てくるんですが、そこはB級映画っぽく(良い意味で)チープな感じに描写されていたのであまり生々しくありませんでした。
グロいのが苦手でも、比較的観やすい作品かなと。
エンタメ要素が強いので、テンション高く楽しめる内容です。
リアルなチャッキーのビジュアル
初代「チャイルド・プレイ」のリブート版である本作。
おおよそのプロットも一作目の内容に沿っているということで、まあ、それ自体はとても良かったんですけれども(そもそもの設定が違うので、微妙な改変はある)。
なんというか、ビジュアルが。
いや、個人的には普通に好きでした。
ただ、前作までの「お人形さん」な可愛いチャッキーを想像していると、「なんか思っていたのと違う……」となるかもしれないなとは思いました。
AI人形というだけあって、ちょっとリアル。
それも海外の人形なので、日本人的な「可愛い」には当てはまらないかなと。
ただ、確かに海外の子たちにはこれぐらいリアルなほうが、高性能っぽくて人気が出るかもしれないとは思いましたね。
「こんなのチャッキーじゃない!」と感じる人には、なかなか受け入れがたいビジュアルかも。
まあ、慣れるとそれなりに可愛く見えてきます(こっそり)。
暴走さえしなかったら便利
これは「M3GAN/ミーガン」にも言えることなんですけれども、高性能人形というだけあって、暴走さえしなければ普通に便利な玩具(というかもはや家電)です。
子どもの面倒を見てくれるだけでなく、家電の操作とかもできちゃうし、チャッキーの目を通して子どもの様子も監視できるし。
このチャッキーの目を通して外の様子が監視できるというのが、また大きな問題を起こすわけですが……。
子どもだけでなく、親にとってもぜひ一家に一台欲しい道具でしょうね。
ただ、ビジュアルがビジュアルなので、慣れればそれなりに可愛らしく見えてくるものの、実家に置いてある日本人形やフランス人形みたいな不気味さはある。
なぜか感情移入してしまうチャッキー
不思議なことに、「ああ、可哀想なチャッキー……」と思える瞬間が何度かありました。
これまでの作品では中に入っているのが殺人鬼だったということもあって、チャッキーの中身は完全に大人でしたよね。
ところが、今作のチャッキーは、言動から考えるに幼い子どもっぽい。
チャッキーの狂気じみた言動に恐れを抱き、危機感を覚えたアンディ。ひとまずクローゼット(だったかな?)の中に閉じ込めようとするのですが、その意味がわからないチャッキーが「アンディ?」「どうして?」と無抵抗にされるがままになったりするのです。
そうか、純粋な子なんだ。
そう思ってしまったら、もう「この子(チャッキー)も可哀想な子やで……」と。
感情がぶれまくりでした。
狂気と可愛さのコンボ。
そして、最終的には安定の(?)メンヘラ化。これも孤独を背負った感じでなんか良い。
歌の重要性
音楽(歌)って、とても良いですよね。
何が良いって、懐かしい音楽や歌を聴くと、それを聴いていた当時の自分に戻ったような気分になりませんか? 私はなります。それに伴って、悲しくなったり、うれしくなったり、苦しくなったり。
つまり、歌と感情や記憶は直結しているんですよね。
今作の「チャイルド・プレイ」では、チャッキーが頻繁に「バディソング」を口ずさみます。
You are my buddy
Until the end
More than a buddy
You’re my best friend
I love you more than
You will ever know
うんたらかんたら、と。
「君は僕のバディさ」「親友だよ」「どれほど君を愛しているかなんて、君にはわからないだろう(意訳)」みたいな感じですね。
正直、めちゃくちゃ耳に残ります。
耳に残るからこそ、チャッキーはかけがえのない友達なんだ、と頭に刷り込まれる感じ。この歌の存在はかなり強烈で、重要なポイントだったと思います。
映画「チャイルド・プレイ」が好きな人におすすめの作品
映画「チャイルド・プレイ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- M3GAN/ミーガン(2023)
- マイキー(1991)
- デッドリー・フレンド(1986)
- ベニー・ラブズ・ユー(2019)
まとめ:好みはビジュアル次第
正直、シナリオの微妙な改変より、チャッキーのビジュアルを受け入れられるか否かで、この作品の好き嫌いが決まると思います。
慣れれば愛着が湧くビジュアルではあるんですが、それまでがたぶん違和感バリバリ。
いかにもAI人形(ロボット)な見た目をしているので、最先端テクノロジーを用いた現代的(狂気)アピールについては、そう不自然な感じはしませんでした。
Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 63% AUDIENCE SCORE 57%
IMDb
5.7/10