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映画「ロープ」あらすじ・感想|さまざまな名作を世に送り出してきたヒッチコック監督の実験作

ロープ_タイトル サスペンス

ロープ (字幕版)

サイコ」や「めまい」「鳥」など、世に知れた有名作品を生み出したことで知られるアルフレッド・ヒッチコック監督による作品です。

上映時間が80分ほどなので、寝る前のひと時や隙間時間などに気軽に観ることができます。

本記事は2021年01月に執筆されました(2024年02月更新)。すべての情報は執筆時点のものです。

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作品情報

タイトルロープ
原作Rope
ジャンルサスペンス
監督アルフレッド・ヒッチコック
上映時間80分
製作国アメリカ
製作年1948年
レイティングPG-12
おすすめ度★★★★★

あらすじ

マンハッタンにあるアパートの一室。大学を卒業したばかりのフィリップとブランドンは、同級生のデヴィッドを絞め殺し、遺体を化粧箱の中に入れた。殺害の動機は、自分たちが他人より優れていることを証明すること。さらなるスリルを味わうため、2人はデヴィッドの父や恋人、恋仇、伯母、恩師である大学教授を部屋に招き、晩餐会を開くことにした。2人の対照的な反応とは……。

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登場人物

(敬称略)

フィリップ(演:ファーリー・グレンジャー)

大学を卒業したばかりの青年その一。ブランドンと共に自らの優秀さを試そうとしていたが、やがて罪の恐ろしさに冷静を失っていく。

ブランドン(演:ジョン・ドール)

大学を卒業したばかりの青年その二。フィリップと共に自らの優秀さを試そうとしていたが、やがて遺体を見せたい欲望に駆られていく。

ルパート・カデル(演:ジェームズ・スチュワート)

寮監。本作における探偵役。

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映画「ロープ」の感想

「素晴らしき哉、人生!」や「グレン・ミラー物語」など数々の人気作品に出演してきた名優ジェームズ・スチュワートを探偵役に据え、犯行を解き明かす静かなサスペンスです。

狂気の沙汰!ワンカット(風)ムービー&初カラー作品

この作品は、密室サスペンスワンカットムービーとして知られています。

つまり、全編ノンストップ

マジでどういうこと? ってなります。だって、この映画、長編作品としてはやや短めと言えど、80分もあるんですよ?

まさに狂気の沙汰

……とはいえ、実のところ、何度かカット割りがあるので、厳密には「ワンカット」とまでは言えないんですけれども。でも、時代背景を考えるとかなり綱渡り的な新しい作品だと思います。

ちなみに、なぜこの時代にワンカットが革新的かつ斬新なアイデアとされたのかというと、俳優の負担が大きいから……というのはもちろんですが、それ以外にも、撮影の限界があったということが挙げられます。

当時は、連続して10分ほどしか撮影ができなかったため、カット割りをせざるを得なかったというのが真実。カット割りをするたびに、登場人物の背中や家具をズームにするなど、カット割りのつなぎ目を感じさせない、つまりワンカットであるかのように見せる手法はまさにプロですよね。

ヒッチコック監督の実験作となってはいますが、ただの傑作です。

一般的な映画ではカット・カット・カットで、監督の好きなように時間軸を調整することができると思うんですけれども、ワンショット(風)になっているということは、画面の中と現実(私たち側)は同じ時間軸を歩んでいくわけです。

ちなみに、本作はヒッチコック監督初のカラー作品としても知られています。

そういった意味でも、やっぱり実験作だったんですね。

根底にある同性愛

この作品は、実際にアメリカで起きた事件をもとにした舞台劇……をさらにもとにした内容になっているんですけれども、フィリップとブランドンは実は同性愛者であるという隠れテーマ(?)のようなものがあります。

実在する事件の当事者たちも同性愛だったらしく、ただ、1948年という時代背景的にあまり公に「2人はゲイです!」とは言えなかったんでしょう。検閲が厳しかったというのもあるでしょうし。

作中では2人の関係を明言することはないものの、「2人で旅行に行こう」だとか「それが君の魅力なのだけど」だとか、それを匂わせる表現やセリフが散りばめられています

ここらへんにも、ヒッチコック監督の凄まじい手腕を感じますね。

舞台的な演出

本作は、ノンストップムービーということもあり、80分間にわたり延々と部屋の中を行ったり来たりしているだけなので、映画というより演劇的な演出に近いと言えるでしょう。

もともとは舞台劇がベースになっているというだけあって、まさに舞台を間近で見ている感じ

まあ、冒頭から犯人がわかっているタイプの物語なので、謎解きではなく、犯人側の緊張感や追い詰められていく心理などを楽しむ作品ですね。

なので、純粋なサスペンスというより、ヒューマンドラマも混じっているという。

見方は人それぞれですが、舞台劇が好きな人はきっと好きだと思います。

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映画「ロープ」が好きな人におすすめの作品

映画「ロープ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

  • 裏窓(1954)
  • フレンジー(1972)
  • 見知らぬ乗客(1951)
  • 三十九夜(1935)
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まとめ:無駄な登場人物がいないからスッキリ

映画作品でたまにある「このキャラ、必要あった?」という登場人物がひとりもいないので、全体的にスッキリまとまっていて、非常に観やすい内容でした。

最初から最後まで、わかりやすいストーリーも魅力のひとつです。

Rotten Tomatoes
TOMATOMETER 93% AUDIENCE SCORE 90%
IMDb
7.9/10

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