
JUNK WORLD
「JUNK WORLD」の感想です。
映画「JUNK HEAD」(2017)の続編で、三部作のうちの二作目。
今回は「ゴニョゴニョ版(日本語字幕)」と「日本語吹替版」があるらしく、私は「ゴニョゴニョ版(日本語字幕)」で鑑賞しました。相変わらず面白かった! ただし、好き嫌いには分かれそう。
本記事は2026年01月10日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
人間とマリガン、そしてロボット。宗教まで関わってきたと思ったら……。
作品情報
あらすじ
かつて、人間は労働力として人口生命体「マリガン」を創造した。しかし、マリガンは自らクローンを増やし、人間に対し反乱を起こす。以来、人間は地上で、マリガンは地下で日々の営みを送るようになったが、地下世界に異変が起きたことで、マリガンと人間が共同で調査をすることになった。人間側の隊長はトリスという女性、マリガン側の隊長はダンテという男性でチームが組まれる。トリスらは地下都市カープバールを目指すことにしたものの、希少だという理由で人間の女性トリスを狙う「ギュラ教」信者が現れて――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
トリス
(声:三宅敦子)
人間チームの隊長を務める女性。地下世界では人間の女性が希少であるため、カルト教団「ギュラ教」の熱狂的な信者に襲撃される。
ロビン
(声:松岡草子)
トリスに付き従うロボット。トリス最優先で行動している。
ダンテ
(声:杉山雄治)
マリガンチームの隊長である男性で、マリガンのオリジナル体。
バステト
(声:三宅敦子)
リビーア族の姫。名付け親はロビンで、ロビンに尽くしたいと思っている。
トゥルカ
(声:松岡草子)
未開種族世界の初代皇帝で、バステトの父親。娘との別れを惜しみながらも、異世界へと送り出した。
映画「JUNK WORLD」の感想
映画「JUNK WORLD」の感想です。全体的に、前作よりパワーアップしている印象でした。雰囲気もちょっと違ったかな?
セリフ多め?
ちょっと正確なところまで前作「JUNK HEAD」(2017)の内容や展開を覚えてはいないんですが、今作は前作に比べるとややセリフ多め。
なお、本作には「ゴニョゴニョ版(日本語字幕)」と「日本語吹替版」がありまして、邦画なのに日本語吹替版!? とちょっと面白く感じたところでもあるんですが、私はゴニョゴニョ版で観ました。冒頭だけ吹替版で観たけど、前作がゴニョゴニョ版だっただけに違和感(笑)。
で、話を戻しますけれど(?)、今作ではセリフが多いだけに、前作までの「不思議な空間」感は薄くなっていたような気がします。
堀監督曰く、
セリフの量が前作と比べて倍近くになっているので、全部字幕で見るのはきついだろうなとも思いました。でも、ゴニョゴニョ版の受けがよかったので、今回は日本語吹替版とゴニョゴニョ版を作ることにしました。
(引用元:待望の続編『JUNK WORLD』日本語でさらにわかりやすい! でも“ゴニョゴニョ語”も健在 【堀貴秀監督インタビュー】│アニメ!アニメ!)
とのこと。
個人的にきついとは思わなかったけど、セリフが多いとどうしても文字情報に頼ってしまうなと。セリフ少なめだからこその余白みたいなものも感じられず、そこが物足りないところでもありました。
日本語入りのセリフ
「日本語入りのセリフ」ってどういうこっちゃ? ですが(笑)。
これはゴニョゴニョ版に関する話ですね。
前作を観たことがある人はわかると思うんですが、今作のゴニョゴニョ版はまさにあれ。
前作の公開時、堀監督が
――気になっていたんですが、キャラクターたちは何語がベースで喋っているのですか?
「何語にも聞こえないようなスタンスで作ってはいたのですが。実は、誰もが知っている某人気キャラの名前を連呼しているだけのセリフとかもあるんですよ(笑)。内容に即した意味に聞こえるように調整には務めました」
このように語っていたのを覚えていたんですが、今作ではこれがさらにパワーアップ! していましたね(笑)。
例えば、
― 新海誠
― マジカルバナナ
― 合点承知(「合点承」で終わっていたかな?)
― ジョニー・デップ
などなど。
こういうのがかなりあって、もしかしたら人生で一番耳を澄ませて映画を観たかも。ただ、本当に頻度が多いので、ノイズに感じる人はまあいそうといった感じでした。
「合点承(合点承知)!」は実際に「了解!」の意で使われていたから自然だけど、「本物!」は確か「パチモン!」になっていたので、法則性は特になさそう。たまに巻き戻してまでチェックしてしまった(笑)。そういう意味ではやっぱりすごい方です、堀監督。
前作では、上記のインタビューを読んでも「え、どこで某人気キャラの名前言ってたの?」程度でしたが、本作ではしっかりはっきり発音してくれたおかげで、たぶん半分ぐらいは聞き取れたんじゃないかなと思う。
描写が細かい
言わずもがな、本作はストップモーション・アニメーション映画。
いやあ、前作より格段にクオリティーがUPしていましたね! 感動!
派手なアクションシーンが増えていたというのもあるし、ちょっとした描写まで丁寧で非常に良かった。
例えば、走って(確か)部屋を出て行く時に、床に倒れている誰かの頭をコツンと蹴飛ばしていくとか(笑)。緊急事態で慌てている。すでに倒れている誰かまで気に掛ける余裕はない。動線にいたからつい靴が当たってしまった。なくても成り立つ描写をこれでもかというぐらいに丁寧に描いている。
そういう、実写映画さながらの自然さがあって心地良く観られました。
繊細なカメラワーク
先述したアクションシーンですけれど、カメラワークが素晴らしかったですね。
なんていうか、実写映画さながら(二度目)。前作の感想でも書いていましたが、画角が実写で撮影したときのようにリアル。
前作に比べると動きが滑らかになっているのもあって、リアルさ増し増しでした。正直、もうちょっとストップモーションらしくていいよと思わないわけでもないけど、確実に迫力は増していました。個人的には、ストップモーションなら「オオカミの家」(2018)とか「イヌとイタリア人、お断り!」(2022)とか、「ストップモーション」(2023)とかぐらいカクカクした動きが安心します(笑)。
だからといって、本作がダメというわけでもないですが。アクションシーンに至っては、動きがスムーズだからこその迫力みたいなものがあって最高でしたし。
よくできたストーリー
それから、今作は前作に比べると若干難しい内容になっていました。というのも、いろんな時間軸を行ったり来たりするから。なのにツッコミどころもまあ少なく、よくできたストーリーだなと。SF味が強かった。
その代わり、想像する余地は特になかったというか、前作のように純粋に見て雰囲気で楽しめるという感じではなかったので、前作ファンこそ好き嫌いに分かれそうな印象ではありました。
堀監督曰く、
「SF映画が大好きで、いつか自分で時間ものに挑戦をしたいと思ってました」という堀監督。時間を題材にしたお気に入りのSF映画をたずねると、『バタフライ・エフェクト』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『スパイダーマン:スパイダーバース』など新旧作品が並んだ。
(引用元:『JUNK WORLD』堀貴秀監督、時間SFへの憧れ パズルのような『JUNK HEAD』前日譚「複雑だが何回も観たくなる」│シネマトゥデイ)
とのこと。
実に見事な時間SFになっていたと思います。正直、劇中で時間軸を移動し始めた時、「えっ、ムズッ!」と身構えましたもんね(笑)。もっと気楽な気持ちで観始めたので、展開を取りこぼさないよう気を引き締めました。
増えた制作スタッフ
前作は堀監督がほぼほぼおひとりで作られたということで、エンドロールの名前の欄を見て「狂気……!(※褒め言葉)」と思ったのですけど、今回はちょっぴりスタッフが増えたらしい。そうじゃなきゃ過労死を心配してしまうので安心。
と、思いきや。
前作に比べ作業量が増えたため、スタッフもわずかに増えた。「前作は1人で作りはじめ、途中から2人入ってくれてほぼその3人で制作しました。今回は6人ほどでスタートできたので、スピードアップしましたね。また、前作は人形など作り物は粘土をこねて作ってましたが、今回はパソコンでモデリングしたデータを3Dプリンターで出力したんです。同じ人形をいくつも出力できるので、2班体制で撮影しました」。
(引用元:『JUNK WORLD』堀貴秀監督、時間SFへの憧れ パズルのような『JUNK HEAD』前日譚「複雑だが何回も観たくなる」│シネマトゥデイ)
えー!? それだけー!? と驚きです。「しっかりお休みが取れていますように……」と願うばかり。
エンドクレジットにはクラウドファンディングの支援者のお名前も載っているので、実際のスタッフが少ないのはあまり目立っていなかった。というか、今作のエンドクレジットのメイキング映像には音声が入っていたので、そちらに注目していてあまり見ていなかった(笑)。
なお、ポストクレジットもありました。
映画「JUNK WORLD」が好きな人におすすめの作品
映画「JUNK WORLD」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ティム・バートンのコープスブライド(2005)
- 犬ヶ島(2018)
- オテサーネク 妄想の子供(2000)
- ファウスト(1994)
映画「JUNK WORLD」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年01月10日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:方向性は若干変わったけど技術はすごい
前作とは若干方向性が変わったような気がしなくもないですが、私はこれはこれで好きでした。描写が細かくて「丁寧な仕事をするなあ」という感じ。
さすが堀監督、そして堀監督のチーム!
いやしかし、それにしてもピロピロしたくなる映画ですね(笑)。
Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter ―%
IMDb
6.7/10
Filmarks
4.0/5.0


