
ミンナのウタ
「ミンナのウタ」の感想です。
なんていうか。「あ、そうですか……」ってなるホラー映画。
「面白かった!」という口コミばかりを聞いていたからか、期待値が上がりすぎていた模様。面白くないこともない……んだけど、怖さレベルはかなり低めでした。
あと、よくわからない部分も多かったかなという印象。
本記事は2025年07月11日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
カセットテープ、届きましたか?
作品情報
あらすじ
ラジオ番組のパーソナリティーを務める小森隼は、ある日、倉庫で一本のカセットテープを発見する。それから程なくして失踪してしまう隼。隼が所属するグループのライブ日程が数日後に迫っていることから、彼らのマネージャーは探偵の権田に隼の捜索を依頼するのだったが――。
主な登場人物
(敬称略)
白濱亜嵐
(演:白濱亜嵐)
「GENERATIONS」のリーダー。最初こそ権田に非協力的な姿勢を見せていたものの、失踪者が増えるにつれ、凜や権田と共に事態の解決に乗り出すようになる。
小森隼
(演:小森隼)
最初の失踪者。ラジオ番組のパーソナリティーを務めており、曲の倉庫で古びたカセットテープを見つけた。
片寄涼太
(演:片寄涼太)
失踪直前の隼と電話で話していた。その際、謎の女の声を聞いている。
佐野玲於
(演:佐野玲於)
自動販売機の下をまさぐる謎の少女を目撃した。
関口メンディー
(演:関口メンディー)
宿泊しているホテルの廊下で謎の男の子に走り寄られる。
中務裕太
(演:中務裕太)
霊感が強く、たびたび謎の少女を目撃する。
数原龍友
(演:数原龍友)
ライブシーンに登場。
角田凜
(演:早見あかり)
「GENERATIONS」のマネージャー。探偵に事態の解決を依頼する。
権田継俊
(演:マキタスポーツ)
元刑事の探偵。「GENERATIONS」のことはよく知らないものの、3日という期限で依頼を受けた。
柳明日香
(演:天野はな)
ラジオ曲のADで、隼の番組を担当している。「GENERATIONS」の中では、隼と親しい付き合いをしていた。
映画「ミンナのウタ」の感想
映画「ミンナのウタ」の感想です。ホラーが苦手な人にはちょっと怖いかも、という感じのJホラーでした。個人的にはほんの少し物足りない。
正統派Jホラー
最近では珍しい正統派Jホラーでした。原点に立ち返ろう! みたいなね。そんな雰囲気を感じました。「リング」(1998)とか、あんな感じの空気感を踏襲した作品。
ただ、じゃああそこまで怖いかというとそんなこともなく。正直、ホラー好きからすると怖さはいまいちな感じがしました(ホラーが苦手な人にはやや怖めかも)。
とはいえ、正統派Jホラーとして「こういうのが観たいのよ、そうそう!」みたいな点はしっかり押さえてくれていましたね。
足りないメンバー
っていうか、ねえ(笑)。
メンバーが足りなかったんですけど!?
本作には「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバー全員が出演しているんですけれども、その中のひとり数原龍友さんはライブシーンのみの登場だったみたいです。
みたい、というのはつまり私はあまり「GENERATIONS」のメンバーに詳しくないからなんですが、
さらに数原が「自分は、最後のライブシーンまで登場しないので、GENERATIONSを知らない方が、メンバーを一生懸命覚えながら行ったのに、最後の最後で青いスーツの人が出て来て、そのまま終わっていくから、あの人は誰なんだ、みたいな。それが一番怖かったという声があって」と言うと、清水監督も「あえて説明してないもんね」。“謎の人”としてインパクトを残したことに、数原は「個人的にはそれがうれしかった。驚かすことができたんだ、と(笑)」と、自身の出演シーンで観客をこわがらせたことを喜んでいた。
この記事を読んで思わず笑ってしまった(笑)。そりゃーこえーわー! と思って(笑)。お恥ずかしながら、私はこのことにすら気がついていなかったんですが、あとで見返してみたいとまで思っている。
ちなみに、ザッと調べた感じ、数原さんは俳優業はやらないと決めているらしく。だからライブシーンのみの登場だったんですねえ。やらないと決めたことはやらない。この辺も格好良い。
ちなみに、マネージャーの凜ちゃん役は早見あかりさんでした。「あ、元ももクロの子!」って。確かブレイクする直前で辞めてしまったと思いますが、「行くぜっ!怪盗少女」のMVを見たときに「ブルーの子めっちゃ可愛い!」と思った記憶。
これこれ。「狙いうち」のところの表情も好きすぎる。
登場人物が多すぎて……(無念)
あとは、そうですね。
「GENERATIONS」に詳しくない勢としては、登場人物が多すぎてちょっと混乱しました。「誰が誰!?」状態。唯一知っているのはメンディー氏ぐらいでした。
いや、本当に無念。
「GENERATIONS」についての予習をして、顔と名前を一致させておけばもうちょっと楽しめたかもしれないと思うと「くうっ……!」ってなります。不勉強で申し訳ない。
探偵役のマキタスポーツさんはさすがに決まっていましたね。彼は通常通りとても良かった。あの胡散臭い感じといい、だらしない感じといい(笑)。ただ、欲を言えばもっと活躍させてほしかったところ。あまりに「GENERATIONS」にスポットを当てようとしすぎて、「この探偵、いる?」となってしまいました。
「GENERATIONS」のメンバーが動く先々に現れるぐらいで、結局なにひとつ活躍しませんでしたしね。娘も電話越しにあの歌を聴いているしヤバいんじゃないの? とか思うけど、その辺もストーリーには関わってこなかった。というか「知らん女とホテルにいる」と思われたの、もうちょっと焦ったほうがいいんじゃないだろうか。
自分の父親がと考えると「キモい!」ってなるけどなあ。
もう少しキャッチーなメロディーを
んでもって、あのメロディーもインパクトに欠けていたように感じます。
というのも、ああいうのって耳に残るから怖い、みたいなところありません? 個人的なイメージですが。例えば「着信アリ」(2004)とかまさにそうですよね。あの着信音をいまだに口ずさめる人、多いんじゃないでしょうか。頭に残るあの不快かつ印象的なメロディー。
でも、本作に登場したあの歌って「不快な感じはするけど耳には残らない」ぐらいの感じだったような気がします。たぶん、街中でいきなりあのメロディーが流れてもわからないと思う。主旋律、どこ? みたいな。音階くださーい!(?) ってなった。
まあ、「GENERATIONS」の爽やかな楽曲に対してのあのメロディーという対比はとても良かったと思いますが。
可哀想な余地があまりない
それから、「リング」での貞子、「呪怨」での伽椰子みたいな感じで、本作にも呪い(?)の元凶となった少女がいるのですが。
これも、正直ちょっと微妙だったというか。
ああいうのって、今は元凶となっているほうにも同情する余地があってこそのものだと思うんですよね。可哀想だからこそ、「そりゃあ誰彼構わず理不尽なことしたくなっちゃうよねえ」と。その点、高谷さなはただただヤバい少女だったという(笑)。まあ、これはこれで新しいタイプの怨霊? なのかもしれませんけど、個人的にこの捻りはあまり合わなかったなあと。
しかしながら、本人には本人なりの苦しみはあったのでしょうね。きっと。たぶん。「他人と違う」って良いことばかりではないし。そういう葛藤みたいなものもなくああなったのだとしたら、本当にただのサイコパスだけど。
結局心残りはなんだったのか
とはいえ、呪われているほうからすると「成仏してくれ!」というのは変わらない。「高谷さなが望んでいること」を叶えるために動き出す面々ですが、結局あれは何を望んでいたんだろう? と思ってしまいました。
誰かに「自分はこれでも苦しんでいたんだ」と知ってほしかったとか? だとしても、そういった描写は伏線程度にもなかったので違うような気もするし。
誰かに「愛されている」「受け入れられている」ことを実感したかったとか? まあ、結局はいつも親身になってくれていた先生でさえさなのことを怖がっていたようですし、実の母親も少し苦手意識を持っていたような感じはするので、子どもが「ありのままの自分を受け入れてほしい」と思うのはわからなくもないですね。
このあたりも、こう想像するのが精一杯な感じでした。
ラストの展開で怖さが激減
個人的に、一番「駄目よ、それはー!」となってしまったのは、ラストの展開(笑)。どうだろう。好きな人はまあまあいると思う。怖いと言えば怖いのかもしれないとも。
ただ、私は正直「ああ、これはあんまり……」となってしまいました。
というのも、ここでラストの詳細は語りませんが(ネタバレになるので)、ざっくり言うと「え、呪われてもそれならまあ……」と思ってしまうから。ここで怖さが激減してしまった。でも、怖いのが苦手な人にとっては救いになったかもしれないから、本当に好き嫌いに分かれるところだとは思います。
本作は、正統派でありながらも怖さ控えめなホラーという印象でした。
映画「ミンナのウタ」が好きな人におすすめの作品
映画「ミンナのウタ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 着信アリ(2004)
- ノロイ(2005)
- リング(1998)
まとめ:キャストは豪華
言わずもがな、キャストは豪華ですよね。「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバーを主演にしているだけあって。マキタスポーツさんも早見あかりさんもとても良かったです。
たぶん「GENERATIONS」ファンにはたまらない映画なんだと思います。「GENERATIONS」ではないですが、かつて推しがいた身としてはまあわかる。
Rotten Tomatoes
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IMDb
5.3/10
Filmarks
3.4/5.0