
オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)
トム・クルーズ主演のSFアクション映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を観ました。
原題「Edge of Tomorrow」に対して、邦題「オール・ユー・ニード・イズ・キル」。「原題をそのまま邦題にしたっぽいタイトルなのに、原題はまったく違うんだなあ」と不思議に思っていたら、そもそもこの作品、日本のラノベを原作としていたんですね。
そのタイトルが「All You Need Is Kill」。なるほど!
本記事は2025年05月23日に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
ワンフレーズ紹介
上司を脅しちゃいけない理由(切実)。
作品情報
タイトル | オール・ユー・ニード・イズ・キル |
原題 | Edge of Tomorrow |
原作 | All You Need Is Kill/桜坂洋著 |
ジャンル | SF、アクション |
監督 | ダグ・リーマン |
上映時間 | 113分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2014年 |
公開年(米) | 2014年 |
レイティング | G |
個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
「ギタイ」と呼ばれる宇宙人の侵略行為を受けている近未来の地球。米軍でメディアを担当しているウィリアム・ケイジ少佐は、上司のブリガム将軍から、ギタイ殲滅作戦の取材任務を言い渡される。しかし、前線に行きたくなかったウィリアムは、ブリガム将軍に脅迫染みた言葉をかけてしまった。そのため、憤ったブリガム将軍に身分を剥奪され、一兵士として前線に送られることになったのだが――。
主な登場人物
(敬称略)
ウィリアム・ケイジ
(演:トム・クルーズ)
軍属の報道官で、少佐。前線に赴くのが嫌でブリガム将軍を脅した結果、「脱走癖のある」二等兵として前線に送られることになってしまった。
リタ・ヴラタスキ
(演:エミリー・ブラント)
階級は軍曹。過去の作戦で大きな功績を打ち立てたため「ヴェルダンの女神」と称されている。とあることから、ウィリアムと行動を共にするように。
ブリガム将軍
(演:ブレンダン・グリーソン)
ギタイ殲滅作戦を指揮している人物。ウィリアムに脅迫染みたことを言われたため、身分を剥奪したうえで、一兵士として前線に送り出した。融通が利かないところがある。
ファレウ曹長
(演:ビル・パクストン)
二等兵に降格のうえで前線に送り込まれたウィリアムの上官。ウィリアムの話には聞く耳を持たない。
カーター博士
(演:ノア・テイラー)
ウィリアムとリタの唯一の理解者であり、協力者。素粒子物理学及び微生物学を専門とする学者。
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の感想
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の感想です。トム・クルーズのアクション映画ってやっぱり良いよね! という感想。
ループものアクション
本作の主演は、映画「ミッション:インポッシブル」シリーズ(1996~)や「オブリビオン」(2013)で知られるトム・クルーズと、そして「クワイエット・プレイス」(2018)で知られるエミリー・ブラントです。
SFアクションということで、いわゆるループものですね。
トム・クルーズ演じるウィリアム・ケイジが、とにかくループしまくります。ループが発動するタイミングは、ウィリアムが命を落としたとき。
なので、何度も何度もループするということは、つまりまあそういうことですが、そこら辺はテンポが良いので、実際に生々しく死ぬシーンはありません。なので、スリラー系やグロいのが苦手という人でもきっと大丈夫。
なかなかに不謹慎なシーンも(ブラックコメディー)
とはいえ、なかなかに不謹慎なシーンもありました。
劇中の中では、見ているこちらとしてもつい笑ってしまうんだけど、よくよく考えると「あれ、今のもしかして結構不謹慎だな?」みたいな。
背骨が折れちゃった! なシーンなんて、特にそう。
ループ条件はウィリアムが命を落とすことなんだけど、怪我をして戦えない状態になったら、やり直すために死ななければならないという。で、リタから厳しい訓練を受ける中で、背骨を折って首から下が動かなくなってしまったウィリアム。
そこでリタが銃口を突き付けるというシーンなんですが、これがまた、コメディーちっくに描かれているんですよね。クスッとしてしまう程度には面白いので、勢いでつい笑ってしまうんだけど、しばらくして「いや、今の普通に笑えないシーンだったのでは?」ってなっちゃう(たぶん考えすぎ)。
このあたりは、ハリウッドお得意のブラックコメディー味がありました。
もうループできないリタ
ちなみに、ウィリアムの前には、リタがループできていたらしい。という設定。
では、今はどうなのかというと。今は無理。もうループする能力がないのだとか。リタ曰く、輸血をするとループできなくなるということらしいんですが。ギタイの血を浴びたのがループが始まるきっかけだったので。
リタは、怪我をして輸血をされたところ、ループする能力がなくなってしまったと。
……え?
死んでもいないのに、もうループできないってわかるのかしらねえ。
ウィリアムが「(ループできるか否か)感じる」と言っていたことからしても、たぶん自分で「もうループできる気がしない!」と確信したということなんでしょうが、まあね、できないと思っているのに、一応ということで試してみるにはリスクが高すぎる(笑)。
ただ、ウィリアムの言動から「こういうことなのかな」となんとなく推測できるだけで、この辺の設定に対する説明がやや不親切だったように感じました。
というか、このウィリアムの発言もかなりあとのほうになってから。
それまでずっと「リタは自分がループできないとなぜ知っているのか?」な状態が続くので、ちょっとモヤモヤするし、私がウィリアムだったら、リタに「私はもうループできない」と言われた瞬間「それは確かですか? どうやって確信したんです?」って聞いちゃう(笑)。
それに、ループできるウィリアムがいるなら、リタの言っていることが正しいかどうか検証することもできるよねって。一度リタには命を落としていただいて、ループできなかったらそれが正しい、みたいな。もしリタができないと思い込んでいるだけで、実際にはまだ力が残っていたのだとしたら、ループできる人間が2人になるわけだから、もっといろいろできそうなことがありそうですよね。まあ、同時にややこしくもなりそうだけど。
どんどん強くなるウィリアム
そして、リタの訓練を何十回、何百回(そんなにあったかは知らないが)と受けて、目を瞠るほど強くなっていくウィリアム。いや、トム・クルーズ。
やっぱり、「ミッション:インポッシブル」シリーズ(1996~)同様、トム・クルーズのアクションシーンって本当に格好良いですよね。動きが泥臭くも鮮やかで、つい見入ってしまう。
最初は「あの、セキュリティー……セキュリティーは……」とかわたわたしていたウィリアムが、中盤以降は次から次へと襲いかかってくるギタイを鮮やかに処理! 最後には「ヘルメットなんて邪魔なだけだぜ(キリッ)」みたいなことも言っていて、実に頼もしい。
でもちょっとしんどそう
でも、戦場で自分が死んだらループするのって、普通にループするのよりちょっとしんどそうではある。
すぐに命を落とす環境だからループの感覚も短いし、人間を殲滅しにかかってくる獰猛なエイリアンの大ボスを倒すまで帰れまテン! だし……。短い間隔で何度も死を繰り返すのって、精神的にやばいことになりそうだけど。
ということは、序盤、なんとなく頼りない感じだったウィリアムだけど、メンタルは相当強いことになりますね。
ミドルネームをうまく使ってほしかった
劇中、リタがミドルネームを告げるシーンがあるのですが、いかにも「重要です!」な感じで出てくる割に、そうでもなかったのがちょっぴり気になりました。
その設定を、もうちょっとうまく活用してほしかったなあ。「ここ、使いどころ!」なところもあったはずなのに。
私は、それなりに長いこと海外生活を送っていたんですが、ミドルネームとか知らない友人もいるんですよね。でも、ふとした拍子に知ったりして「えっ、そういうミドルネームだったのね!」となることもあります。そう言えば、長年海外で暮らしながらも、ミドルネームが本人たちにとってどれほど重要なものなのか、聞いたことはなかったかもしれない……。
ギタイのビジュアルはちょっと好き
あと、ギタイのビジュアルは好きでした。
宇宙人というか、クリーチャーという感じ。そのギタイの設定も嫌いじゃありませんでした。人間を殲滅しようとしたら、自分の能力の一部が人間に移ってしまうなんて、きっとギタイにとっても予想外の出来事だったんでしょうね。
あの感じで、実はちょっと焦っているのかもと思うと、少し笑えます。
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が好きな人におすすめの作品
映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- アバウト・タイム ~愛おしい時間について~(2013)
- ハッピー・デス・デイ(2017)
- ハッピー・デス・デイ 2U(2019)
まとめ:トム・クルーズVSエイリアンVSループ
個人的には、まあまあ面白かったんじゃないかと思える作品でした。
ただ、解消されない疑問がいくつかあったので、そこはやっぱり気になるところですが。こうなると、少し原作を読んでみたい気もする。ちなみに、主人公はキリヤ・ケイジという人物らしい。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 91% Popcornmeter 90%
IMDb
7.9/10
Filmarks
3.7/5.0