「ぼくとニケ」は、子猫の“ニケ”と2人の子どもたちが織り成すハートフルで心温まる物語。
読書感想文の課題になることがある本作は子どもが読むと勉強になるのはもちろん、大人にとっても大事な“何か”を思い出させてくれる一作です。
あらすじ
ある日、子猫がやってきた――。5年生で突然登校拒否になった幼なじみの仁菜が、薄汚れた子猫を拾い、ぼくの家へ連れてきました。自分の家で飼えない仁菜にかわって、ぼくと家族が世話をすることになったのだけれど……。
(引用元:講談社BOOK倶楽部『ぼくとニケ』(片川優子))
こんな人におすすめ!
- これからペットを飼おうと思っている(飼っている)
- 生きていれば同じ日は二度とないんだよね
- 最近、ちょっと疲れ気味かも……
- 子どもと一緒に本を読みたい!
「ぼくとニケ」注目ポイント
児童書だと思ってあなどっていると、うっかり泣かされてしまうかも! 泣きたくなるほど優しくて、家族を大事にしたくなる――そんな物語です。
思春期ならではの繊細な描写
クラスメイトの目が気になって、もともと仲の良かった異性の友人と視線も合わせられなくなる。こんな甘酸っぱい経験がある人も多いのではないでしょうか?
まわりを気にするあまり疎遠になってしまったり。自分にできないことをする友人を羨んだり。自己主張をするために学校を休んだり。だけどそんな自分に嫌気が差したり。
ぼく(玄太)と幼馴染みの仁菜、この2人の関係が絶妙な距離感で描かれています。
子猫と子どもの成長
子猫の“ニケ”がはじめてだらけの毎日を送るのとともに、精神的に一回り大きくなる玄太と仁菜。2人はニケと過ごす日々の中で、責任と命の大事さを学んでいきます。
当然のことだと思いつつ、大人になるにしたがって、仕事やら勉強やらに忙殺されてつい忘れてしまいがちですよね。
玄太と仁菜がニケに向き合う姿勢がなんともいじらしく、改めて命の尊さを思い出させてくれます。
「ぼくとニケ」を読んだ感想
読書感想文の課題になるべくしてなったような真っ直ぐな作品でした。
まず、玄太の成長がすごい。というか、仁菜含め、子どもが成長するのって一瞬ですね。
最初は自分のことだけで精いっぱいだったのが、ニケの世話をする中で次第に仁菜や家族の気持ちをおもんばかれるようになっていくその様子のなんと涙ぐましいことか。きっと優しい大人になることでしょう。
それに、子どもにとってまわりの大人たちがいかに大事な存在かということもわかります。普段意識することはあまりないけれど、ひとつのことから多くを教わるものなんですよね。
玄太も仁菜も、互いの両親から動物を飼うことの意味を教えられます。
でもそれだけではなくて、保護猫の問題にも触れているのがなんとも読書感想文向き。物語として楽しいのはもちろん、子どもにとっても大人にとってもいまいちど、考えさせられる作品です。
ニケが周囲をメロメロにさせているのもキュンときますよ!
家族で読みたい児童書ナンバーワン
ニケとの出会いにより、変わっていく登場人物たち。
母親は母親の、父親は父親の、子どもは子どもの視点で共感できる部分も多いので、家族でまわし読みしたい一作です。
エンディングは切ないながらも美しく、カーテンの隙間から日差しが差し込んでいるかのような温かさをもたらしてくれます。
※本記事の情報は2020年11月時点のものです。

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