聖地X
岡田将生さん主演のJホラーです。
キャストのほとんどが日本人ですが、舞台は韓国という珍しい設定の内容となっています。岡田将生さんはじめ、川口春奈さんや真木よう子さんなど、安定した演技力の俳優さんたちが演じているので、安心して観られます。
映画「22年目の告白 ―私が殺人犯です―」の入江悠監督による作品です。
本記事は2024年01月に執筆されました。すべての情報は執筆時点のものです。
作品情報
タイトル | 聖地X |
ジャンル | ホラー |
監督 | 入江悠 |
上映時間 | 114分 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2021年 |
レイティング | G |
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
あらすじ
ある日、韓国にある父親の遺した別荘で暮らしていた輝夫のもとにやって来た、輝夫の妹・要。夫の滋が父親の遺産を使い込んでいただけでなく、そのお金で風俗通いをしていたという。要は傷心のまま、しばらく韓国に滞在することにするが、商店街を訪れた際、滋らしき人影を見かけた。思わずそのあとを追いかけた要だったが、辿り着いた和食店で見つけたのは、記憶がなく、パスポートさえも持たない夫だった。
登場人物
(敬称略)
山田輝夫(演:岡田将生)
韓国にある父親の遺産の別荘で暮らしている、小説家志望の男性。小説家を目指してはいるものの、ひとつの話を書き上げたことはない(妹談)。
東要(演:川口春奈)
輝夫の妹。だらしない夫と結婚生活に嫌気が差し、韓国にいる兄のもとに避難してくる。気が強く、ハキハキした性格。
滋(演:薬丸翔)
要の夫。上司曰く「チャラい」。
星野(演:真木よう子)
滋の上司。
映画「聖地X」の感想
映画「聖地X」の感想です。「呪怨」や「リング」のようなJホラーを想像していると、やや物足りなさを感じるかもしれませんが、なかなか面白いストーリーでした。
若干の物足りなさがあるJホラー
Jホラーといえば「呪怨」や「リング」「着信アリ」「仄暗い水の底から」のような作品を想像するかもしれませんが、こういった典型的Jホラーを期待していると、やや物足りなく感じるでしょう。
基本的に、怖くはありません。
どちらかといえば、雰囲気で楽しむお話でした。
舞台が韓国である必要性
あらすじにも書いてある通り、舞台は韓国。
この必要性がいまいちわかりませんでした。
話的には、韓国でなくても問題ないような気がします。
主人公である女性が夫から逃げて兄のもとへ、そして逃亡先でなぜか夫を見かけるというストーリーなので、家から離れる必要はあったでしょうが、基本的にはそれだけ。
九州でも沖縄でも、極端な話、山梨あたりでもイケたような……。
まあ、日本あたりでは「家にいるはずの夫がいたとしても、ありえないことではない」ということですかね。だとしたら、日帰りできる程度の距離にあるという意味では、韓国も同じような気がしますけれど。
薬丸翔さんはあのふたりの子ども
要の夫・滋を演じた薬丸翔さん。
「どこかで見たことあるなあ……」と思っていたら、
そんななか、強烈なインパクトで注目を集めているのが、薬丸裕英(55才)と石川秀美(55才)を両親に持つ薬丸翔(31才)だ。
(引用元:NEWSポストセブン – ヤックン長男の薬丸翔 作品の本質を表現する「演劇人」の名演)
なんと、薬丸裕英さんと石川秀美さんご夫婦の息子さんだったんですね。
めちゃくちゃ演技がうまく、こう、イライラさせられました。演技だとわかっていてもイライラさせられるのって、本当にすごい。流石の演技力です。
あのドラマのような演出
初めてこの作品を観たとき、妙な既視感を覚えたんですけれども。
「これ、なんだろう」と考えてみたところ、演出がドラマ(映画)「トリック」っぽい……!
話としては「世にも奇妙な物語」のようなところもあり、これはむしろドラマ向きの話ではないかと思いましたね。映画にするには盛り上がりに欠けているというか。
ただ、私のように「トリック」が好きだったという人は、結構刺さるシーンもあると思います。
回収しきれなかった謎
結局、あの不気味な現象はなんだったのか。
それが物語のキモになる部分だとは思うんですが、いまいちわからないままでしたね。
ホラー映画でありがちな、土着のなにかだったということなんでしょうか。
祈祷シーンで「神か悪魔か」みたいな話をしていたので、たぶんそう。だとしたら、もうちょっと明確な描写が欲しかったかな……そういえば、祈祷シーンはすごかった。
映画「哭声/コクソン」(の祈祷シーン)を観たときにもびっくりしたんですが、韓国のお祓いや祈祷ってこういうのなんですね。
共感できる愛の形
上司曰く「チャラい」という要の夫・滋。
そんな夫に愛想を尽かした……けれど、夫婦になるぐらいには好きだった相手なので、なかなか未練を断ち切れない要の「滋の中に私がいてもいなくても、滋は変わらない」みたいなセリフにギュッと胸を締め付けられました。
愛情の形はいろいろだと思いますが、これってきっと相手の愛情をはかる基準のひとつではありますよね。
自分の存在が相手の中にあるかないか。
たとえあったとしても、いないときとまったく変わらないのであれば、結婚という形を取ってまで一緒にいる必要はないような気がします。
ここの部分、めちゃくちゃ共感しました。
滋の「俺、これから変わるから!」みたいなセリフも、浮気男そのままでちょっと笑えましたし。滋はいろんな意味で「チャラかった」ですね。
映画「聖地X」が好きな人におすすめの作品
映画「聖地X」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 散歩する侵略者(2017)
- 宇宙人のあいつ(2023)
- コンビニエンス・ストーリー(2022)
- LOVE LIFE(2022)
まとめ:雰囲気で楽しめる人には◎
映画ほどの大きな盛り上がりがあるわけではないので、ずっと絶妙に不気味という雰囲気だけで楽しめる人におすすめです。
気まずいシーンも特になく、突然驚かすような演出もないので、家族一緒に観るのも◎。岡田将生さんの主人公らしからぬ臆病さと弱さもクセになります。
Rotten Tomatoes
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IMDb
5.4/10