
ライト/オフ(字幕版)
「ライト/オフ」の感想です。
映画「アナベル 死霊人形の誕生」(2017)などを手掛けたデヴィッド・F・サンドバーグ監督による作品で、「Lights Out(原題)」(2013)の長編映画化ver.です。
正直、しっかりちゃっかりビビらせられました(笑)。怖かった!
本記事は2025年12月27日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
幽霊はいる?いない?電気を消したら現れる何か。
作品情報
| タイトル | ライト/オフ |
| 原題 | Lights Out |
| ジャンル | ホラー |
| 監督 | デヴィッド・F・サンドバーグ |
| 上映時間 | 81分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2016年 |
| 公開年(米) | 2016年 |
| レイティング | G |
| 個人的評価 | ★★★★☆ |
あらすじ
数年前に家を出たレベッカは、ある日、義理の弟の通う学校から弟を迎えに来るよう連絡が入る。母親と連絡がつかないというのである。義弟マーティンを連れて実家に向かうと、母親は在宅だった。鬱の状態が酷くなり、薬を飲むのをやめているようだ。そこで、レベッカはいったんマーティンを一人暮らしをしている自宅に連れ帰り、母親に時間を与えようと考えた。マーティンを泊めることになったレベッカだが、その日の夜、カリカリと床を引っ掻くような音が聞こえてきて――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
レベッカ
(演:テリーサ・パーマー)
数年前より、実家を出て一人暮らしをしている。マーティンとは異父兄弟。母親とはぎくしゃくしている。血縁上の父親は、幼い頃に蒸発。
マーティン
(演:ガブリエル・べイトマン)
レベッカの義弟。レベッカが家を出て行ったため、今は母親と二人暮らし。
ソフィー
(演:マリア・ベロ)
レベッカとマーティンの母親。鬱病を患い、精神病院に入院していた過去がある(幼い頃)。
ブレット
(演:アレクサンダー・ディペルシア)
レベッカの交際相手。体の関係だとレベッカには認識されていたが、良い雰囲気に。
ポール
(演:ビリー・バーク)
マーティンの父親で、レベッカの義理の父親。職場で謎の死を遂げるが、犯人は捕まっていない。
映画「ライト/オフ」の感想
映画「ライト/オフ」の感想です。「Lights Out(原題)」の長編映画化と聞いて気になったので! 予想以上に面白くて良かったです。
短編からロッタ・ロステン
冒頭、あのお方が出ていましたね。
――そう、ロッタ・ロステン氏!
彼女は短編「Lights Out(原題)」で主人公を演じた人であり、デヴィッド・F・サンドバーグ監督の奥さまでもあります。冒頭で彼女を見た時「あっ、短編主人公じゃん!」とちょっとだけ興奮しました(笑)。
ちなみに、冒頭のどれがそうかと言うと、ソフィーの夫ポールに声を掛けていた秘書的な女性ですね。
短編を観ていて良かったと思えたポイントのひとつ。本編で活躍するということは特にないのですが(笑)。
で、この冒頭が短編の雰囲気を絶妙に再現していてとても良かったです。まったく同じ演出というわけではないんだけど「あ、これ短編で見たかも?」と思えるシーンで最高!
恐怖演出がJホラーに近い
なお、個人的な感覚ですけれど、本作の演出は割とJホラーに近いものを感じたんですよね。ジャンプスケアもありつつ、基本的にはじめっとした恐怖。
なにより、悪いことはしていないのに呪われるという理不尽さがJホラーっぽかったかな。別にね、例えば「カウントダウン」(2019)みたいに理不尽に呪われる海外ホラーってそれなりにあるとは思うんですけど(読み返したら「カウントダウン」にもJホラーっぽいって書いてありました)、でもやっぱり本作のこの陰湿さ(※褒め言葉)はJホラーな雰囲気を感じますよ。
まあ、一点残念なところがあるとすれば、幽霊の正体が若干クリーチャー寄りだったことですかね。
人間じみた行動
そんな幽霊ですが、時たま妙に人間じみた動きをするのに笑ってしまいました。
レベッカとマーティンをベースメントに閉じ込め、ドアを閉める時の動きなんかモロ人間。ああいうのでちょっと現実に引き戻されるというのはあるので、面白いは面白いんだけど複雑な気持ち。
映画「死霊館」ユニバース(2013~)のジェームズ・ワン氏が製作陣に名を連ねていることもあり、さすがの怖さではあるんですけどね。
物理は効くのか効かないのか
あとは、この幽霊は物理攻撃が効くのか効かないのかというのも疑問に思ったところ。
というのも、たぶん銃撃は効かなそうなんですけれど、レベッカたちに攻撃する際はなぜかやたらと持ち上げてくるんですよね(笑)。人間を持ち上げてバフーンと投げる、みたいな。なにこの攻撃!?(笑)とちょっとクスッとしてしまう戦い方。プロレスかと思った。
なお、マーティンはよく足首を持って引き摺られていた(笑)。
でも、そうなると物理攻撃も効きそうじゃない? と思う。銃も含め。こんなに物理攻撃をかましてくるのに自分だけ無効、なんてあり得る? って。ここら辺のルールがいまいち納得できなかった。
それに、レベッカたちがなかなかの奮闘できるのは結構ご都合主義だよなとも思う。レベッカの義父ポールがやられた時なんてもう一瞬で捻りつぶされているのにね。レベッカの母ソフィーが「子どもたちには手を出すな」と頼んでいたために本領が発揮できなかったということなのか。
レベッカたちの「幽霊を見る方法」もあまりに予想外で笑ってしまった。たぶん、ブラックコメディーとして観るのが正しいんだと思う。
ちょっと可哀想なレベッカ
っていうか、ソフィーってあれですよね、今で言う「毒親」。
精神的に弱い人ということもあって、ソフィーはちょっと子どもに依存しがちだったのかな。数年前、精神的に病んでいる母親とうまくいかず家を出たレベッカに対して「私が大変な時に見捨てた」みたいなことを言い、異父弟に対して「だから姉の言うことは聞くな」(おぼろげ)と指示していますしね。
そりゃあ、家族たるもの支え合うべきだとは思いますよ。基本的には。
でも、子どもに対して心を病んだ母親に寄り添い、助けてあげてねというのはなんというか、うん。ちょっと違うんじゃないのと思ってしまう。しかも、それを助けられる側の人間が言ってしまうのがもうね。
現にレベッカは「昔(自分が)言ってほしかった言葉」として、弟に「I believe you.(あなたを信じるわ)」と声を掛けている。ということは、母親含め、家を出る前のレベッカに寄り添ってくれた人はほとんどいなかったわけで。それがレベッカの(おそらく)派手な男性遍歴につながっているのかなとも想像します。
自分は寄り添わないのにお前は寄り添えだなんて、なんたる傲慢!
そんな母親を見ているからか、幼い弟にまで「レベッカは逃げた」と言われてしまうのがちょっと可哀想でした。まあ、弟は大変な状況にある母親とまだ同居しているわけですから、わからないでもないけれど。
恋人ブレットは良い奴
こういうホラー作品でありがちなのが、彼氏が恋人の女の子を置いて逃げるパターン。もちろんそういう奴は死ぬ。
ですが、本作に出てくる彼氏ブレットはただの良い奴でした。そもそも冒頭では、レベッカに彼氏認定すらされていないような感じだったのにね(笑)。
たぶん、レベッカとしては「8カ月も会ってたんだ!? じゃあ、そろそろオフィシャルにするのも考えるかー」的な感じだったんだと思う。
ブレットのほうは好意があったんだろうけど、こんなうっすい関係で家族のごたごたに巻き込まれたら(しかも幽霊がなんちゃらとか言い出している)、これはもう逃げるのでは? と思っていた私、本当にごめんなさいの気持ち。ブレットを完全に見くびっていた。
レベッカの気持ちを理解し、弟マーティンのことも優先して守ってくれるし、とても良い奴だ。
映画「ライト/オフ」が好きな人におすすめの作品
映画「ライト/オフ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ(2015)
- ハロウィン(2018)
- 死霊館のシスター(2018)
- 死霊館 エンフィールド事件(2016)
映画「ライト/オフ」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月27日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:しっかり怖い海外ホラー
自分としてはしっかりホラー耐性があるつもりでいたんですが、海外ホラーだと思ってジャンプスケアに警戒していたら、Jホラー寄りの演出で結構ビビってしまった映画でした。
実体があるのかないのか、物理が効くのか効かないのか、どっちなんだい!? というのはあるけど、コメディーだと思って観るとめちゃくちゃ楽しい。短編から入って良かったなと思います。ちなみに短編もしっかり怖い!
Rotten Tomatoes
Tomatometer 74% Popcornmeter 61%
IMDb
6.3/10
Filmarks
3.4/5.0


