
荒野のストレンジャー (字幕版)
「荒野のストレンジャー」の感想です。
クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇。
これは、うん。クリント・イーストウッドは格好良かったんですが、私にはあまり合わなかったかなあと。西部劇な雰囲気自体はとても好きでした。
本記事は2025年07月12日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
余所者に頼み事をしたらとんでもないことになった。
作品情報
タイトル | 荒野のストレンジャー |
原題 | High Plains Drifter |
ジャンル | アクション、西部劇 |
監督 | クリント・イーストウッド |
上映時間 | 105分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1972年 |
公開年(米) | 1973年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
とある小さな町「ラーゴ」に、ひとりの男が流れ着いた。町で悪さをする3人が男に絡んだが、あっという間に片付けてしまう。一年前、町で捕まえて刑務所に送った男たちがいたのだが、彼らの出所に伴い、町の人々を守ってくれるように用心棒として雇ったのがこの3人だったのだ。この3人の代わりに、流れ者の男を雇おうとする町の人々だったが――。
主な登場人物
(敬称略)
流れ者
(演:クリント・イーストウッド)
ラーゴに流れ着いた余所者。町で雇っていた男たちを片付けてしまったことから、とある依頼を受けることに。
キャリー・トラヴァース
(演:マリアンナ・ヒル)
流れ者の男に文句をつけに行った勝気な女性。
サラ・ベルディング
(演:ヴァーナ・ブルーム)
流れ者の男が宿泊した宿屋の主人の妻。
ルイス・ベルディング
(演:テッド・ハートリー)
宿屋の主人で、サラの夫。
ジェイソン・ホバート
(演:ステファン・ギーラシュ)
ラーゴの町長。
モーディカイ
(演:ビリー・カーティス)
床屋で働く男。
映画「荒野のストレンジャー」の感想
映画「荒野のストレンジャー」の感想です。個人的には結構しんどい描写もあって、「面白いんだけど微妙……」となってしまいました。
西部劇だ!
クリント・イーストウッド監督って西部劇のイメージも強いですよね。そのうえ、自分で監督して自分で主演している作品も多いイメージ。個人的に、割と最近の作品ではありますが「クライ・マッチョ」(2021)とかは結構好きでした。こう、クリント・イーストウッド味がありながらも少し落ち着いた感じで。
本作の冒頭も、とある小さな町に流れ者がやって来るという。まさに西部劇! という雰囲気で、西部劇好きさんにはたまらない演出だったんじゃないでしょうか。
クリント・イーストウッドの作品
先述した通り、本作はクリント・イーストウッドが監督及び主演を務めています。それはね、まあ、いいんですよ。そういう作品なら他にもあるから。
ただ、本作はなんか「クリント・イーストウッドによるクリント・イーストウッドのための作品!」という感じがしてしまって、ちょっと苦手だったかも。もちろんクリント・イーストウッド自身はめちゃくちゃ格好良いんですけれども、いかんせん内容があまり合わなかった。
主人公が「言っとくけど、それ、全然格好良くないよ……?」ってことばかりするんだもん(涙)。
今の価値観では少々きつい描写
その筆頭が、女性に対してやりたい放題していたところ。
ああいうの、本当にきつい。しんどい。苦しい。
今の価値観を当時の映画に当て嵌めるのはナンセンスだと思いつつ、現代人である私が「あ、これ無理」って思ってしまうのはある意味仕方のないことです。だってそういうのを「駄目」だとする価値観の中で育てられたんだもの。本能的な拒否感というか、忌避感があるんですよね。
救いは細かい描写がなかったことかな。
まあ、この辺にもきっと彼なりの事情があったからということなんでしょうが。だとしてもね、な状況でした。
ちなみに、それにキレた女性が主人公の入浴中に乱入してくるんですが、至近距離で発砲されたのにもかかわらず、湯船の中にちゃぽんと沈んだらOKでした。「え、今頃になってキレてんの?」という主人公の素っ頓狂なセリフと併せて、あそこはちょっと笑ってしまいました。
対極的なふたりの女性
とはいえ、初っ端から主人公にダル絡みしていたあの女性(キャリー)はなんだったのか。
出会い頭に3人もの男を撃ち殺した見るからにヤバそうな奴にあんなふうに絡みに行ったら、そりゃあ何されても文句言えないよとはなる。だからといって、実際にそうなったら「あ、これ無理」とはなるんですが。でも「ほら、言わんこっちゃない!」とは思いますよね。だって主人公、誰が見てもヤバそうなんだもの。
それ以降も、いったい主人公になんの恨みがあるのかよくわからない行動ばかりしていたし。一番謎なキャラでした。
そんなキャリーと対照的に描かれていたのが、宿屋の主人の妻であるサラ。
主人公が客だからというのもあるでしょうが、最初から従順で余計なことは口にせず、言われたことだけを忠実にこなしていた。中盤あたりでは、若干主人公に対して物欲しげな表情をしていましたが(これがお上手だった!)、きっとそれは勝手気ままに振る舞う主人公を羨んでのことだと思います。小さい町だと噂話が回るのも早いだろうし、自由とは程遠かったりしますもんね。
狭いコミュニティーの中で最大限自由に振る舞っているようなキャリーに対して、真の自由を求めているサラという感じがしました。
で、結局なんだったの?
で、結局なんだったの?
これに尽きます(笑)。
たぶんこういうことだろうなあというのはうっすら察することができるんですが、リアリティーはほとんどないので確証は持てず。というか、あえてそういうラストにしているのでしょうけれど。
にしても「え、え、えー!?」ってなるラストでした。まあ、このラスト自体はそんなに嫌いじゃない。
映画「荒野のストレンジャー」が好きな人におすすめの作品
映画「荒野のストレンジャー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ペイルライダー(1985)
- 奴らを高く吊るせ!(1968)
- 許されざる者(1992)
- リンゴ・キッド(1966)
まとめ:西部劇+α要素がある
雰囲気は生粋の西部劇という感じなんですが、終盤になると+αの要素が加わるので不思議な感覚になります。ネタバレはしたくないので、それが何かは言いませんけれども。
若かりし頃のクリント・イーストウッドのビジュは良かったです。相変わらず。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 94% Popcornmeter 86%
IMDb
7.4/10
Filmarks
3.6/5.0