
ロングレッグス
「ロングレッグス」の感想です。
映画「ナショナル・トレジャー」シリーズ(2004~)や「ウィリーズ・ワンダーランド」(2020)などで知られるニコラス・ケイジが存在感を放っている作品。
個人的には、出オチ感があったなあといった印象でした。そんなに怖くもない。
本記事は2025年12月01日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
新人FBI捜査官が残虐な事件に挑み、巻き込まれていくお話。
作品情報
| タイトル | ロングレッグス |
| 原題 | Longlegs |
| ジャンル | ホラー、スリラー |
| 監督 | オズグッド・パーキンス |
| 上映時間 | 101分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2023年 |
| 公開年(米) | 2024年 |
| レイティング | PG12 |
| 個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
新人FBI捜査官のリー・ハーカーは、持ち前の直感力でとある事件の犯人逮捕に寄与する。その才能を買ったリーの上司であるウィリアム・カーターは、長年捜査が続いている連続殺人事件の担当にハーカーを指名する。平凡な家庭の父親が、妻子を殺害して自身も自害するという事件が、30年の間に10件も起きているというのだが、FBIの力を持ってしてもいまだ解決の糸口を見つけられずにいた。毎回現場には「ロングレッグス」と書かれた暗号文が残されていたが、何者かが侵入した形跡はない。ハーカーが事件の担当捜査員として抜擢されたある日、家の机の上に「ロングレッグス」を名乗る人物からの暗号文が置かれていて――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
リー・ハーカー
(演:マイカ・モンロー)
新米FBI捜査官。人一倍直感力に優れており、その能力を上司カーターに評価され、未解決事件の担当に抜擢されることになった。
ウィリアム・カーター
(演:ブレア・アンダーウッド)
ハーカーの上司のひとり。人間関係の構築がうまくないハーカーに家族を紹介したりなど、部下思いな一面もある。
ルース・ハーカー
(演:アリシア・ウィット)
ハーカーの母親。
ロングレッグス
(演:ニコラス・ケイジ)
一連の事件の犯人。
映画「ロングレッグス」の感想
映画「ロングレッグス」の感想です。確かにニコラス・ケイジのあの役のインパクトは大きくて、その点においてはすごく怖かったけど……という映画。
ロングレッグスの出オチ感
「史上最狂」みたいな触れ込みだったので相当怖いんだろうなと期待していたんですが、想像していた怖さをまったく上回ってこなかったホラー映画。
やっぱりハードルを上げすぎちゃうといけないよねという気がします。
なんなら、一番怖かったのは冒頭のロングレッグス登場時。ジャンプスケア的な演出で、ニコラス・ケイジのあの見た目も相まってかなり怖かった。ただ、冒頭でこれを持ってきちゃったものだから「やっぱり『史上最狂』の触れ込みも嘘じゃなかったんだ!」と期待値が上がりまくってしまったんですよね。これが失敗だった。
(ニコラス・ケイジの)見た目は強烈すぎるけれどそれだけで、他はちょっと不気味かなという程度だし、完全に出オチになっていました。
ニコラス・ケイジの演技
とはいえ、これはニコラス・ケイジが悪かったというわけじゃなくて。
ニコラス・ケイジはむしろすごかった。
個人的に、一番好きなニコケイ作品は「ウィリーズ・ワンダーランド」(2020)なんですが(主人公なのに一言も喋らないのが大好きすぎる)、演技力が凄まじいですよね。この辺に関しては、わかってはいたけどすごい人なんだなあという感じでした。
ロングレッグス=あしながおじさん?
また、タイトルにもなっている「ロングレッグス」というのは「あしながおじさん」という意味。
これ、なに? どういう意味? と思ってしまった。
そもそも「あしながおじさん」にそこまで詳しいわけではないので、理解が足りていないだけかもしれないけれど、「あしながおじさん」と被る要素はあったかな? と。強いて言うなら手紙のくだりだけど、「あしながおじさん」では少女からあしながおじさんに手紙を送るという感じだったような気がします。
本作では、ロングレッグスのほうから被害者に暗号文(手紙)を送りつけてくるので、その時点で違うと思うし。タイトルだけでも「あしながおじさん」と結びつけるなら、もうちょっとうまいことやってほしかったなあというのが本音でした。
ロングレッグスのバックボーン
それから、ロングレッグスのバックボーンを想像させられたのもいまいちだった。
だいたいの場合、登場人物のバックボーンを想像して、ああでもないこうでもないと考えるのは楽しいというか、それも映画鑑賞の醍醐味のひとつと言えなくもないんだけど、本作のロングレッグスに関してはいらなかったかなと思ってしまう。
あれだけ奇妙な見た目をしているんだから、もうそこは愉快犯だとかサイコパスだとか、そういう設定にしてほしかった。
劇中、ロングレッグスが車の中で叫び声を上げるシーンがありましたが、あのシーンを挟むことでロングレッグスのバックボーンを想像する余地が生まれ、「ロングレッグスは何かが起きて歪められただけの普通の人間」と感じてしまって、恐怖が半減してしまいました。やっぱり未知のものって怖いですからね。なんだかよくわからない、常人には理解できないロングレッグスとしておいたほうが良かったと思う。
いらない設定が多い
あとは、そうですね。
悪魔的な存在が介入してきているあの感じも「この作品にそれ必要かな?」と感じてしまいました。もう普通に、サイコなシリアルキラーが手当たり次第に幸せそうな家族を潰し回っているとかのほうが面白かったと思う。もはや元も子もないことを言っていますが。
たぶん、父親が妻子を殺害後に自害という、このあたりとかがまさに悪魔的だよねということもあると思うんですが、これも悪魔である必要はなかったように思いますし。例えば、ロングレッグスが自ら、あるいは何者かを使って父親を洗脳したとか、そういうのでも十分事足りたような気がする。
「ロングレッグス」という署名入りの暗号文(手紙)はあるのに、何者かに侵入された形跡がないというのも、一見人知を超えた存在の介入をにおわせてくるけれど、実際にはしっかり誰かが侵入していたわけですもんね。あそこも「ただ目撃証言が得られなかっただけってこと!?」となってしまい、無理矢理すぎるなと思った記憶。
FBIが無能すぎる
それに、FBIが無能すぎるのもある。
ハーカーに直感力があったのはそうでしょう。そういう、他人よりちょっと感覚が鋭いみたいな能力。こういうのは確かにあると思います。
でも、本作で描かれるのは、FBIが30年間まったく解決の糸口を見つけられなかった事件ですよ。直感力で捜査に進展があるならまだしも、暗号文をほんの一日程度で解いてしまうという展開にはびっくりしました。
悪魔を題材にした「死霊館」(2013)にもなりきれないし、暗号を用いた「ゾディアック」(2006)にもなりきれない、どうしても中途半端さを感じてしまう映画でした。
映画「ロングレッグス」が好きな人におすすめの作品
映画「ロングレッグス」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- Smile/スマイル(2022)
- 羊たちの沈黙(1991)
- オーメン(1976)
- イマジナリー(2024)
映画「ロングレッグス」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月01日)。レンタル作品等も含まれます。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:ニコラス・ケイジが素晴らしい映画
個人的に、映画の内容にはほぼほぼハマりませんでした。
ニコケイだから最後まで観られたという感じ。
にしても、途中で変に人間味を出してしまったせいで、ミステリアス感が半減してしまいましたね。ニコケイの演技はすごかったけど。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 86% Popcornmeter 61%
IMDb
6.6/10
Filmarks
3.4/5.0

