YouTubeでの実況動画などで、フリーホラーゲームの「青鬼」を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
そんな「青鬼」の実写版映画第2作目「青鬼 ver.2.0」(以下、本作)。
危機的な状況の中で生まれる友情や信頼に要注目です! 85分と短い上映時間となっていますので、隙間時間などに楽しめるのも魅力です。
作品情報
作品名 | 青鬼 ver.2.0 | 原題 | ― |
上映時間 | 85分 | ジャンル | ホラー |
製作国 | 日本 | 監督 | 前川英章 |
おすすめ度 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
高校生の卓郎・美香・タケシの3人は、ブルーベリー色の化物が出ると噂の「ジェイルハウス」を訪れる。そこに鉢合わせたのは、不思議な青い蝶々を追いかけてやってきたヒロシだった。「ジェイルハウス」の中に入った4人は、ブルーベリー色の化物と遭遇する――。
登場人物
虫が好きで、青い蝶々を追いかけてきたところ「ジェイルハウス」に辿り着く。卓郎と共闘して「ジェイルハウス」脱出を目指す。常に冷静な一方、自分の感情に疎い一面も。
高校で直樹(故)とシュンをいじめていた。「ジェイルハウス」でヒロシと共闘する中で、人間的な成長を遂げていく。
卓郎の彼女。
見た目は金髪のヤンキーだが、ビビり。卓郎の金魚の糞。
卓郎たちによるいじめのターゲットになってしまった被害者。不登校になり、卓郎たちが必ず死ぬゲーム「青鬼」を作った。
ヒロシたちのクラスの委員長。ヒロシたちの状況を見かねたシュンと共に、同級生たちを救うべく「ジェイルハウス」に駆け付ける。
映画「青鬼 ver.2.0」の注目ポイント
自分で逃げゲーをプレイするのが苦手な人でも、映画の中だから楽しめる「青鬼 ver.2.0」。何も考えずに映画を観たいときにおすすめの作品です。
中川大志の映画初主演作品
本作で映画初主演となった中川大志。
ヒロシという役柄的にどこか冴えない(不思議な?)雰囲気でしたが、あの清潔感と整った顔立ちは隠しようがないですね。
初めて映画の主演を務めることについて、
プレッシャーがなかったわけではありませんが、主演だからと意識して演じてはいません。この映画のお話を頂いたときも、現場でも普段通りのスタンスで臨みました。
インタビューの中で、彼はこう話しています。
ヒロシの人間的成長
常に冷静で物事を的確に判断する一方で、だからこそ自分の感情にさえ疎いヒロシ。
虫に興味はあるものの、序盤のヒロシはそれこそロボットやアンドロイドのように無感情でしたが、物語が進むにつれて、次第に人間らしい感情を理解するようになっていきます。
この演技の違いは意図したものだったようで、
後半に進むに連れてひろしは、人間らしい感情を理解し始めますが、そうやってだんだんと成長していく様子はきちんと見せられたら良いなって思いました。だからこそ最初の方はインパクトのあるちょっと不思議な子として演じました。
と語っています。
フワッティーが可愛い
今作から登場する新しいキャラクターの「フワッティー」。
名前からしてもう可愛らしいですが、攻撃力は抜群です。
「青鬼」同様ブルーベリー色の化物で、はんぺんのような形状をしています。その可愛らしい見た目と名前から、「フワッティー」ファンは多いはず!
「フワッティー」との戦闘シーンは、ヒロシが人間的に成長するきっかけにもなりました。
ホラー苦手なヒロシと大好きな卓郎
ヒロシ役を務めた中川大志がホラーを苦手とする一方で、ヒロシの相棒・卓郎役に抜擢された松島庄汰はホラー大好き!
インタビューの中でも、
――大志さんは、そもそもホラーは好きですか?
中川 苦手ですね。今までそういう作品は見てこなかったです。
――え? 見ようとも思わなかった?
中川 はい。見たから怖いということは、嫌いなんでしょうけれども。小さい頃から怖がりだったので。
(出典:スマートボーイズ 中川大志SPインタビュー②「実はホラーが苦手です(笑)」映画『青鬼 ver.2.0』が7/4~公開)
松島 アハハハ! 女性といえば「ホラーは怖くて見られない」という人はかなり多いですね。僕は部屋を真っ暗にして一人で見るくらい、ホラーが大好きなんです。
(出典:スマートボーイズ 松島庄汰SPインタビュー①「ホラーが大好きなんです!」映画『青鬼 ver.2.0』が7/4~公開)
両者ともに、こう話しています。
怖いのが苦手なら、ホラー作品の撮影をするときなどは大変そうですね。
映画「青鬼 ver.2.0」を観た感想
一言。
突っ込みどころ満載の作品でした。
でも、俳優陣が豪華なのと、ストーリーの流れ自体は非常にシンプルでわかりやすいので、好きな人は好きだと思います。
ただし、実写版「青鬼」はまさにゲーム版「青鬼」ファンのためのものという感じ。
作中ではあくまでも「ジェイルハウス」の中の出来事に重きを置いているというだけあり、ひとりひとりの背景はそこまで描写されないので、正直、あまり感情移入はできませんでしたね。
そうなると、卓郎も物語の進行と共に改心したとはいえ、「でも、直樹とシュンをいじめてたのは事実でしょ?」「それについては後悔も反省もしてないよね?」と。
ヒロシとは良い関係を築いていけそうですが、日常生活に戻ったら、喉元過ぎればなんとやら。すぐにまたいじめっ子と化してしまうのではないかと思いました。
また、ラストの展開には疑問を感じる人も多いはず!
卓郎はいいとして、ヒロシなんかはせっかく良い方向に人間らしくなってきていたのに、それを一気にぶち壊された感じがしました。
それに、虫好き少年ヒロシが追いかけていたあの不思議な蝶々はいったいなんだったのか。最後まで明らかになることはありませんでしたね。
「青鬼」自体がファンタジーな存在だから、そこらへんはスルーしておくようにということでしょうかね。
それに加えて、美香とタケシ、杏奈、シュンの4人がほとんど活躍できていなかったのも残念。シュンなんかは特に、自作のゲームが元になっているのだから、もっと動きようがあったような気がします。
美香は成す術なく犠牲になり、タケシはゲーム同様ガクガクしているだけ。
杏奈に至っては、別にいなくても成り立ったのではと思えるほどの存在感のなさでした。
これはほとんど、卓郎とヒロシの友情物語と言っていいでしょう。
冷静に考えるといろいろ突っ込みたくなるので、頭を空っぽにして観たいときにおすすめです。
とりあえず、フワッティーが可愛かった!
映画「青鬼 ver.2.0」が好きな人におすすめの作品
映画「青鬼 ver.2.0」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
●「デスフォレスト 恐怖の森」(2014)
●「来る」(2018)
●「シライサン」(2020)
●「コープスパーティー」(2015)
まとめ:フリーホラーゲームファンにはたまらない作品
フリーホラーゲームをプレイしたことがある人、あるいは実況動画を観るのが好きな人におすすめの「青鬼 ver.2.0」。
ゲームのオマージュシーンがあったり、新しいキャラクター(フワッティー!)が出てきたりと、それなりに見どころもあります。
ちなみに、「青鬼」や「フワッティー」は当然CGで出来ているのですが、これは不自然さもほとんどなく、実によく作られていましたね。
※本記事の情報は2023年2月時点のものです。