
らせん
「らせん」の感想です。
Jホラーの代表格! 映画「リング」(1998)の後日談的お話。
実は、原作未読のうえ、映画も初めての鑑賞でした。簡単なあらすじだけは知っていたんですけどね。有名なお話ですし。
でも、個人的には「あー! そっち行っちゃったかー!」となってしまったお話でした。
本記事は2025年08月29日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
死んだ友人からの暗号を解いてみた。
作品情報
あらすじ
解剖医として働く安藤のもとに、ある日、友人である高山の遺体が届けられる。その解剖を担当することになった安藤は、遺体の胃の中から暗号が書かれた紙切れを見つけた。その暗号を、自分たちの学生時代に流行ったものだと考え、読み解いていくと――。
主な登場人物
(敬称略)
安藤満男
(演:佐藤浩市)
解剖医。高山と同級生で、かつて暗号遊びをしていた。幼い息子を死なせてしまった過去を持ち、希死念慮がある。
高野舞
(演:中谷美紀)
高山の恋人。安藤に高山の見たビデオテープの件を告げる。
映画「らせん」の感想
映画「らせん」の感想です。怖くはないし、個人的にはほとんどハマらなかった作品。正直、あまりホラーっぽくはなかったかなと。
路線変更
完全に路線変更してきましたね。
これをどう思うかは、その人次第という感じ。「めちゃくちゃ良い!」という人もいるでしょうし「なんじゃこれ……?」と思う人もいるでしょう。が、個人的には後者だったかな。
というのも、前作の「リング」(1998)のあの雰囲気を期待して観てしまったから。前作が正統派Jホラーだとしたら、今作はもはやホラーですらなく、不穏な空気があるだけのSF。アイデアとしては斬新と言えるかもしれないし、これ単体で観たらまあ面白いのかもしれないけれど。
ホラーとしては怖くない
先述しましたが、ホラーとしてはほぼほぼ怖くありません。Jホラーのあのじっとりした恐怖演出とかはあんまりない。
映画「Smile/スマイル」(2022)とか「禁じられた遊び」(2023)とかでも書いたような気がするんですけれども、こういうホラーって「わからないから怖い」みたいなところあるじゃないですか。何がどうなってこうなっているのか、こんな目に遭っているのか原因、その正体がわからないから怖いみたいな。
「リング」ではビデオを見たら呪われる。一応、貞子のこととかはあるわけだけど、まず呪いそのものが「理不尽でよくわからないもの」ですし。
その点、本作では「人が死ぬのは呪いのせいではない」という科学的アプローチをかけていて、前作で出した結論を全否定するところから始まるんですよね。なので、賛否両論出てくるのはきっと予想していたとは思う。まあね、呪い要素も残してはあったけど。
しかも、聞いた話によると、本作と「リング」は同時上映だったらしい。「こんないかにも賛否両論上等! みたいな作品を!? 狂ってやがるぜ……!(歓喜)」ってなりました。たぶん、当時映画館で「リング」を観ていたら、確実にその流れで「らせん」まで観たと思う。で、「なんじゃありゃ!?」となって帰るのもまた楽しそう。
息子の話は……
あと、個人的には、主人公の安藤の息子の話をもっと活用してほしかったところ。
まあ、息子の件があったから希死念慮があるわけですしね。それが本作の土台となる部分でもあったのですし、この時点で十分活用できていると言えばできているんだけど。
幼い息子のいる安藤と高山の対比も良かった。
ただ、もうひとつ何かあっても良かったのではという物足りなさがありました。高山的な何か(笑)。
超皮肉連発の高山氏(好き)
それから、高山氏の皮肉は最高ですね。
序盤の、希死念慮がある安藤に対して「手首を切る勇気はないのに、人は切るのか」みたいなセリフから「ひゃっはー!(興奮)」ってなりました。安藤、解剖医なので。
少なくとも、安藤にとっての高山はそういう存在だったんでしょうね。天才肌で皮肉屋という。「そういや、『リング』だとどんな感じだったっけ?」と思ったり。随分前に観たきりなので、いまいち思い出せませんでしたけども。
でも、個人的にあのキャラは強烈で好きです。いろいろとそそのかしておきながら、「お前は大人だろ? 自分の行動には責任持てよ」って放り投げる感じが。
映画「らせん」
で、最後に。
タイトル(「らせん」)の意味が、やっとわかったよっていうお話。
ぼんやり観ていて、最後の最後で「あれ、もしかして『らせん』ってそういう意味だったのか! 考えたことなかったー!」となったので、たぶん自分は相当鈍い部類の人間なのだろうなあと思いつつ(笑)。
あ、中谷美紀さんはとんでもなく美しかったです。これは間違いない。
映画「らせん」が好きな人におすすめの作品
映画「らせん」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 着信アリ(2004)
- リング(1998)
まとめ:呪いの正体を突き止めたい人に
「あの『リング』のあとってどうなったん?」と気になっている人にはおすすめ。前作の主人公のその後も出てくるには出てくるので。
ただ、個人的にはやっぱりSF方面に舵を切ったのはモヤモヤしちゃうなあというところですが。高山氏の発言の切れ味はなかなかのものでした。
Rotten Tomatoes
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IMDb
5.2/10
Filmarks
2.9/5.0