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NEW!映画「ザ・タワー」あらすじ・感想|フランス映画らしい!ある日突然外に出られなくなった人々は……

ザ・タワー_感想タイトル ホラー

ザ・タワー

「ザ・タワー」の感想です。

やたらと配信のおすすめ欄に出てきて、かねてより気になっていたフランス製ホラー。ホラーというより、ヒューマンドラマやダークファンタジーといったほうがしっくりくる内容でしたが、個人的にはあんまりハマらなかったかなというところ。

フランス映画らしい雰囲気ではあるなと感じました。

本記事は2025年08月31日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。

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ワンフレーズ紹介

外の世界から隔絶された団地で、住人たちの争いが始まる――。

作品情報

タイトルザ・タワー
原題La Tour
ジャンルホラーヒューマンファンタジー
監督ギョーム・ニクルー
上映時間89分
製作国フランス
製作年2022年
公開年(仏)2023年
レイティングPG12
個人的評価★☆☆☆☆

あらすじ

いろんな人が暮らす団地に住んでいるアシタンが、ある朝目覚めると、窓の外が暗闇に包まれていた。物を投げ込むとそのまま消失。人が入るとその部分だけがやはり消失してしまう。外部との連絡手段もなく、住人たちはそこで生活することを余儀なくされる――。

主な登場人物

(敬称略)

アシタン

(演:アンジェル・マック)

団地に住んでいる女性。幼い弟と共に暮らしている。

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映画「ザ・タワー」の感想

映画「ザ・タワー」の感想です。フランスらしさはありつつも(それは好き)、展開が一本調子に感じてしまった映画でした。

謎が多すぎる

まず、謎が多すぎて「???」ってなりました。

そもそもあの闇はなんだったのか。何が原因であんなことになったのか。外の世界はどうなっているのか。

まあ、「主題はそこじゃないし、気にするところじゃないよ」と、余計なところを排除した結果だとは思うんですけれども、だとしてもあまりにもヒントが少なすぎて。逆に気になりますが。

闇に包まれてすぐ「5カ月後」とテロップが出たのにはびっくりしちゃいましたね。「5カ月後!? もう!?」って。

アシタンのお母さん、アシタンの口ぶりからしたら(仕事にでも行っていたのか?)外の世界にいるようでしたし、どうしているのかな。闇に包まれて以降、この団地は現世から切り離された存在となって、外の人が持つアシタンたちの記憶がないものとなっていたりしたらちょっと怖い。外の世界のお母さんに会っても「娘? 私に子どもなんていないわよ」って言われるみたいな。

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展開が単調

そして、フランス映画らしい雰囲気だなとは思いました。

こう、どことなく皮肉げな空気感というか。ほんのり暗くて、憂いを帯びた感じ。「あ、フランス映画だ」っていう何かがある(ちなみに、私はフランス映画が好きです)。映画「アメリ」(2001)みたいなロマコメですらちょっとした不穏さがありますもんね。すごい、フランス映画。

個人的には、これはこれでとても好きなんですけれども、展開としては単調な印象を受けました。一本調子というか。

極限状態の中で住人同士が争い合う。

これをとにかく繰り返している。見ていてちょっと集中力が途切れてしまうような感じでした。

人種差別の問題

で、本作で大きく描かれていたのは、たぶん人種差別の問題。もしくは、人種間でのトラブル。劇中でも「アラブの連中はなんたら」「黒人がなんたら」みたいなやり取りが何度かありましたし。

自分が割と長く海外で暮らしていた経験から、人種差別の標的になったことも当然あるんですが。「こんなに単純なことではない気がするな」とも思うし「リアルと言えばリアルかも」とも思える描写でした。できればアジア人一派みたいなのも作ってほしかったけれど。そうすると、だいぶ違ったものになったんじゃないかと思います。

でも、実際には、同じ人種でも出身国は(おそらく)違うわけで、結局はそのグループの中で争いが生まれそうですけれどね。先述した「アジア人一派」なら、日本人も韓国人も中国人もたぶん同じカテゴリーになりそうだし。個人的にはどの国にも特に何も思っていないんですが、協調性のない人がひとりでも混ざっていたら大変なことになりそう。

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男女の問題

あとは、男女の問題もそうですよね。性差別という意味で。

本作を鑑賞中にも思いましたもの。男性は同時に複数の女性と子をもうけられるけれど(倫理的な問題においてはダメ! 絶対!)、女性の数は限られている。この場合、こういう状況では女性が重宝されるべきか。でもそうすると男性差別が起きてしまいかねない。当然、産めない女性もその対象になり得る。

極限状態においては非力な女性が男性に襲(略)という事態も引き起こしそう。

このあたりだけ、割と本気で「こわー……」ってなりました。勝手に想像を膨らませただけなんですけれども。

人が生きる意味

いやしかし、ここまでして人が生きる意味ってなんなんだろうとは思いますね。

彼らにとっては未来などないとわかっているはずで。でも、それでも一縷の望みにすがらずにはいられなかったということなのか。「もしかしたら」という未来さえ思い描ければ、人はどんなに残酷なことをしてでも生き延びようと思ってしまうということなのか。

ここまでしても、自分たちがあとどれくらい生きられるかなんてわからないのにねって。そうは言っても「じゃあきっぱり諦めよう」とはならないでしょうし、難しいところですが。

人が生きる理由って、突き詰めていけば結局「死にたくないから」みたいな単純なものなのかもしれません。

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ラストシーンの意味

ラストにアシタンがある話をするんですが。

「どういうこと!?」ってなりました。あのタイミングで、あの話をするのだからきっと何か深い意味があるのだろうけど、ヒントがあまりに少なすぎて。ライオンの話なんですけれどもね。序盤で弟のことを「ライオン」と呼んでいたから、それにかけていたのかなとも思うけど、それにしてはいまいち話がよくわからないという。

強いて言うなら、今まで残酷な光景を見続けてきたアシタンは、「それでも生き物(人間)は他人のために怒り、嘆き、行動できるものだと信じている」ということなのかなとは。

最後まで不思議なお話でした。

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映画「ザ・タワー」が好きな人におすすめの作品

映画「ザ・タワー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。

まとめ:極限状態のリアルなしんどさ

人種差別や性差別要素については「現実味はあるけど、それでもこんなに単純ではない気がする」と思うところもありましたが、極限状態に陥った人間のしんどさみたいなものはとてもリアルでした。こう、誰も助けてはくれない、みたいな。

けれども、最後にちょっぴり優しさがある。そんなお話。

Rotten Tomatoes
Tomatometer ―% Popcornmeter 17%
IMDb
4.7/10

Filmarks
2.5/5.0

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