
トラウマ/鮮血の叫び
「トラウマ/鮮血の叫び」の感想です。
映画「サスペリア」(1977)などで知られるダリオ・アルジェント監督によるホラー作品。
良い具合にキモさがあって良かったです。ミステリーとしても良質で、見ごたえがあったと思います。終盤はなにがなんやらでエグい。「ギョエー!」ってなりました(笑)。
本記事は2026年01月日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
精神病院から逃げ出してきた少女を匿い、首切り連続殺人事件を追いかける!
作品情報
| タイトル | トラウマ/鮮血の叫び |
| 原題 | Trauma |
| ジャンル | ホラー、スリラー、ミステリー、サスペンス |
| 監督 | ダリオ・アルジェント |
| 上映時間 | 103分 |
| 製作国 | アメリカ、イタリア |
| 製作年 | 1992年 |
| 公開年(伊) | 1993年 |
| レイティング | 不明 |
| 好きレベル | ★★★★☆ |
あらすじ
グラフィック・デザイナーのデヴィッドはある日、橋から飛び降りようとしていた少女を見つけ、助ける。その少女の名はオーラ。オーラは拒食症のため、精神病院に入れられていたが脱走してきたのだという。その後、両親のもとへ連れ戻されたオーラは、部屋に閉じ込められる。オーラの両親はルーマニアからの移民で、降霊術で生計を立てていたのだが、オーラが連れ戻された日の夜、降霊術を使ったオーラの母アドリアナに何者かの霊が憑りついた。暴風雨の中、外に飛び出すアドリアナ。そして、それを追いかける父を見かけ、オーラも2人のあとを追いかけた。しかし、オーラが見たのは、何者かにより殺害される両親の姿だった――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
オーラ・ペトレスク
(演:アーシア・アルジェント)
拒食症のため、精神病院に入れられていた少女。目の前で両親を殺され、警察に保護されるも逃げ出す。その後はデヴィッドのもとに匿われていた。
デヴィッド・パーソンズ
(演:クリストファー・ライデル)
グラフィック・デザイナー。橋の上から身を投げようとしているオーラを見つけ、救助したことがきっかけで知り合う。特ダネを見つけたとしてオーラを匿い始めるが、その後はその境遇に同情するように。
アドリアナ・ペトレスク
(演:パイパー・ローリー)
オーラの母親。降霊術で生計を立てている。
ジャド医師
(演:フレデリック・フォレスト)
オーラの主治医。オーラを病院に連れ戻そうとしている。
グレイス・ハリントン
(演:ローラ・ジョンソン)
デヴィッドの上司で、肉体関係がある。デヴィッドの家に居候しているオーラを良く思っていない。
ガブリエル・ピカリング
(演:コリー・ガーバン)
とある家に住む好奇心の強い眼鏡の少年。
映画「トラウマ/鮮血の叫び」の感想
映画「トラウマ/鮮血の叫び」の感想です。個人的にはかなり楽しめたけれど、あまりダリオ・アルジェントのイメージじゃなかったかな? という印象。
ダリオ・アルジェント監督
先述した通り、個人的にはダリオ・アルジェントのイメージではなかったかなと思っています。
というのも、私が初めてダリオ・アルジェントに触れたのは「サスペリア」(1977)だったから。あの作品、やたらアート性が高いですもんね(その点は本当に好きだった)。色使いは良いし、デザインも素敵だし。
それに比べると、本作は正統派といった印象でした。ミステリーという部分においては物足りなさを感じる人もいるかもしれないけど、絶妙にエグい描写においては、アルジェント監督らしさもありました。そこだけね。
オーラ・ペトレスクは16歳
そして、主人公のひとりオーラ・ペトレスクは16歳の少女なんですが、もうひとりの主人公デヴィッドとちょっと良い雰囲気になるのは「ひえー!」ってなる。もちろん、今の価値観に照らし合わせるとですよ。これ以上何か起きたらどうしよう、観るのやめちゃうかも、とドキドキしながら観ていましたが、結局キス以上のことは起きなかったので一安心(ではない)。
これ、90年代は許されていたんですかね。
高校生の頃、友人(男)が「16歳の時、30歳の女性と付き合っていた」と言っていて、当時は「へー! すごいなあ」ぐらいだったんですが、自分が大人になってみると「何その女! キモすぎるんだが!? 16歳なんて子どもじゃん! ただの庇護対象だよ!」とドン引きしたのを思い出す。
デヴィッドも、オーラとの仲を疑う同僚に対し「相手は子どもだぞ」的なことを言ってはいるし、最初は実際その通りだったんだろうと思うけど、徐々に男女の仲になってもおかしくないような雰囲気が出てきて、非常にハラハラしました。
16歳的にはね、年上に憧れることはある。でも、それを「恋愛なら同世代としなさいよ」と言ってくれる人のほうがときめくけどなあ。
主演のアーシア・アルジェント
ちなみに、オーラ役を務めたアーシア・アルジェントはダリオ・アルジェント監督の娘さんなんだそうです。びっくりですね!
アーシア&ダリオ・アルジェントの作品には、ほかにも「スタンダール・シンドローム」(1996)や「サスペリア・テルザ 最後の魔女」(2007)などがあるんだとか(無知で申し訳ない)。
にしても、美しいお嬢さんでしたね。演技力も素晴らしく、見ごたえがありました。
オーラの性格
オーラとデヴィッドが恋愛関係になりそうでヒヤヒヤするというのは先述した通りですが、これ、オーラだけに焦点を当てるととても切なくなります。
というのも、オーラってたぶん、両親からの愛情を感じられずに育ってきた子なんですよね。両親は降霊術とかいうよくわからないもので生計を立てているし、母親は厳しく、父親はそんな母親に逆らえない。精神病院から逃げ出して警察に保護までされたというのに、心配よりも叱責のほうが先でしたからね。というか、そもそも心配はしていなかったみたいだし。
こういうオーラの生い立ちを考えると、自ら命を絶とうとしていた時に「助けるよ」と声を掛けてくれたデヴィッドに好意を持ってしまっても仕方ないのかもしれないなと。父親から与えられなかった愛情を求めているのかなとも思うので。
カメラワークが◎!
で、アルジェント監督、やっぱりカメラワークが良い!
まずは、一人称カメラね。犯人視点で描かれる殺人現場。「アルジェントだー!」ってなる。それから、虫視点のカメラワークも。今回は庭を飛び回る蝶々視点でした。自由自在に飛び回り、ガブリエル少年が物語に深く関わっていくことを示唆し、そして現れたトカゲにバクンッ!
虫が出てくるのはアルジェント映画の鉄板ですが、今作は「サスペリア」や「フェノミナ」(1984)のように、虫が苦手な人が「ぎゃー!」ってなるほどではありませんでした。
トカゲが握りつぶされる
ただ、劇中に出てくるトカゲが握りつぶされるシーンはさすがと言うべきか、なんと言うべきか。
怪しげな家に忍び込んだガブリエル少年が、家主と遭遇しそうになるシーンなんですが、手に持っていたトカゲをギュッとしてしまう。恐怖心から緊張し、意図せず体に力が入ってしまったことを表現しているのだと思うけど、この演出はなかなか思いつかない。
内臓みたいなのが飛び出していて、本当に気持ち悪かった。食事中じゃなくて良かった! と思いましたね。
意外とみんな怪しい
基本的にはホラー色の強い映画ですが、先述した通り、ミステリーとしても良質でした。
意外と登場人物みんな、ちゃんと怪しく見える。
主人公のオーラなんて、最後の最後まで「不遇な生い立ちを持った普通の子」なのか「しっかりヤバい子」なのか判断しかねるような、絶妙なラインで描かれていて素晴らしいですし。一見まともなデヴィッドも、16歳のオーラに惹かれていっているような感じが「大人としてどうなの?」というところもあって、実はこいつもヤバいんじゃ? と予感させる。中心人物とは違う他の誰かが犯人だったとしても、それはそれでありだなと思わせるような内容で。
誰が犯人なのか、実際に登場するまでわかりませんでした(もしかしたら、ミステリー好きさんたちは「ミステリーあるあるだよ!」と思ったかもですが)。
面白かった。
映画「トラウマ/鮮血の叫び」が好きな人におすすめの作品
映画「トラウマ/鮮血の叫び」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- オペラ座/血の喝采(1988)
- フェノミナ(1984)
- シャドー(1982)
- 知りすぎた少女(1963)
映画「トラウマ/鮮血の叫び」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年01月09日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:とっつきやすいアルジェント映画
ダリオ・アルジェントというと虫(特に蛆虫)が出てくる! みたいなイメージがあったんですが、本作はどちらかと言えば正統派で、アルジェント映画としてはとっつきやすい描写が多いと感じました。
ホラーとしても、ミステリーとしても面白く、観やすかったです。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 50% Popcornmeter 41%
IMDb
5.8/10
Filmarks
3.4/5.0


