
ファイナル・デッドサーキット
「ファイナル・デッドサーキット 3D」の感想です。
「ファイナル・デスティネーション」シリーズ(2000~)の4作目で、3D実写になりました。
もうね、3Dの使い方が独特すぎて面白かったし、展開的にも斬新で今までにない映画に仕上がっていたと思います。
本記事は2025年12月25日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
今度の舞台はモータースポーツのサーキット!いろんなものが飛び出してくるよ。
作品情報
| タイトル | ファイナル・デッドサーキット 3D |
| 原題 | The Final Destination |
| ジャンル | スリラー |
| 監督 | デヴィッド・R・エリス |
| 上映時間 | 84分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2009年 |
| 公開年(米) | 2009年 |
| レイティング | R15+ |
| 個人的評価 | ★★★☆☆ |
あらすじ
モータースポーツを観戦しに、マッキンレー・スピードウェイを訪れていたニック、ローリ、ジャネット、ハントの4名。レース観戦に熱中していたニックだが、ふと、白昼夢らしきものを見る。それはサーキットで事故が起こり、観客席を巻き込み大惨事になるというものだった。その光景があまりにリアルで、胸騒ぎを覚えるニック。友人たちに声を掛けなんとか外に連れ出したが、サーキットでは本当に凄惨な事故が起きてしまうのだった――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ニック・オバノン
(演:ボビー・カンポ)
ローリの恋人。恋人、友人らと共にサーキットを訪れていたところ予知夢を見る。サーキットでの出来事以来、死のヒントにつながるようなビジョンを見るように。
ローリ・ミリガン
(演:シャンテル・ヴァンサンテン)
ニックの恋人。ニックの予知夢をすぐに信じ、行動を共にする。死の連鎖を止めるために奔走。
ジャネット・カニンガム
(演:ヘイリー・ウェブ)
ローリの友人で、ハントの恋人。恐怖心が強く、ニックの予知夢に反発。
ハント・ウィノースキー
(演:ニック・ザーノ)
ニックの友人で、ジャネットの恋人。ニックの予知夢は信じていないが、どうせ死ぬならと女遊びに走る。
ジョージ・ランター
(演:ミケルティ・ウィリアムソン)
サーキットの警備員。死の連鎖を止めようと奔走するニックたちに協力する。自身に過失のある事故で、妻と娘を失った過去を持つ。
映画「ファイナル・デッドサーキット」の感想
映画「ファイナル・デッドサーキット」の感想です。話としては、正直あまりハマらなかったんですが、いかんせん3Dが好きすぎる(笑)。
物足りなさはあの人の不在
本作を観て「なーんか物足りないなあ……」と思っていたんですが、たぶんあれです。
トニー・トッド演じるウィリアム・ブラッドワースが出ていないからだ。あのミステリアスな人がいるだけで、グッと雰囲気が引き締まる感じがしません? なんていうか、こう、人知を超えた何かが襲い掛かってきているというのがより強調されるというか。
あの存在感はやっぱりすごいですよねえ。
それに、圧倒的にピタゴラ感が少なかったような気がします。
淡々と展開していくストーリー
あと、個人的に思ったのは、ストーリー展開が非常に淡々としている印象だなということ。
というのも、ニックが予知夢を見たことを周囲が割とすんなり受け入れてくれるんですよね。ジャネットやハントは「聞きたくない!」という態度ではあるけど、激しく拒絶する様子はない。「そっちはそっちで勝手にやって」という程度。
だから、序盤からずっと「ニックが死に関するヒントを見る」「誰かが死ぬ」というのをひたすら繰り返すだけ。
展開自体は「ファイナル・デスティネーション」(2000)をなぞっている感じもしましたし、ストーリーに関しては真新しさもほとんどなく、ドキドキハラハラ感も物足りなかったです。ニックの必死さもそんなにという感じでした。
いやしかし、死神的にはなぜわざわざ死のヒントを与えたりするんでしょうね。一度目の舞台で「偶然事故の予知夢を見てしまった」ニックが周囲を巻き込んで死を回避したから怒っているということなのかな。自分が決めた死の運命を狂わされた! って。
死に方は斬新
とはいえ、死に方はかなり斬新で面白かったです。
全部が全部そうというわけじゃないんだけど、ハントの死に方とか「そんなんアリ!?」と思わず笑ってしまう。こういうちょっと馬鹿げた演出(※褒め言葉)は大好きです。不謹慎(※褒め言葉)で、これぞ「ファイナル・デスティネーション」! と拍手を送りたくなります。
あと、個人的にはサーキット場にいて、ニックと同じく死を回避したとある一家の母親の死に方も意外性があって良かった。完全に「そこ!?」と予想を裏切られました。
まあ、欲を言えば、ジャネットの危機的展開はもうひと捻り、ふた捻りぐらいあっても良かったんじゃないかなと。「あ、これで終わり……? 意外とアッサリしていたな」となってしまったのは私だけじゃないと思う。
いやしかし、「ファイナル・デスティネーション」シリーズにおけるネイルガンって恐ろしいですよね。どことは言えませんが(ネタバレ防止)、今回も出てきました。
自ら命を絶つのはNG
ちなみに、死の連鎖に巻き込まれている場合、死神が手を下す前に自ら命を絶つのはNGらしい。この設定は前作にはなかったような気がしますね(なかったよね?)。
今回、サーキット場の警備員で、同じく死を回避したジョージが、死の運命を受け入れ、その前に自ら命を絶とうとしましたが、どうやらことごとく失敗。薬を飲んでも吐いてしまうし、首を吊ろうにも太くて頑丈そうな紐が切れるという事態に見舞われていました。
死神的には、ただ死の運命を受け入れればいいというわけじゃなかったんでしょうね。先述した通り、やっぱり罰的なものも兼ねているのかも。実際、「あの予知夢の通りに死んでいれば良かった」と思うような無惨な死に方をするパターンも多いし。
そう考えると、ジョージの死に方が一瞬だったのは、死の運命を受け入れたことに対するせめてもの褒美(?)だったのではとすら思えます。過度な恐怖を感じなくて済んだという意味で。
予知夢が一度というルールはない
なお、予知夢が一度きりというルールはないという事実は目から鱗でした。
そう、劇中、ニックは二度目の予知夢を見ます。
観ている側は、今までの「ファイナル・デスティネーション」を知っているから、まさかそれが二度目の予知夢だとは思わない。正直、予知夢(二度目)の最後のほうは「ん? これ、現実か?」とはなるけど、それでも「いや、でも二度も予知夢を見るなんてそんな……」という気持ちがあるので、予知夢の終わりまで新鮮な気持ちは衰えない。
この演出はすごかったですよ。
「そうか、予知夢は一度だけなんてルール、最初からなかった……!」と驚きました。ニックのそういう力が強かったのか、死神が二度も立て続けにうっかりしてしまったのかはわかりませんが(笑)、新しい「ファイナル・デスティネーション」を見たという感じでした。
3Dの活用法が面白すぎる
なお、タイトルにもある通り、本作は3D実写映画です。
これがね、すごく面白かった。
舞台がサーキット場なので、例えばタイヤがゴロンゴロン飛び出してくるとかはまあわかる。3D演出としてさもありなんな描写ですが。
本作では、どんなに些細なシーンでも3Dが使えるところは使おうみたいなことではなく、徹底して3Dであることを活用したいから作り出された場面がいくつかありました。
例えば、ニックたちがお酒で乾杯する際にポンッと瓶からコルクが飛び出してくる、みたいな(笑)。そこ、3Dにする必要ある?(笑)と笑ってしまった。死の運命を回避できなかった人の折れた歯が飛び出してきたこともありましたね。
個人的には、「ファイナル・デスティネーション」は3Dじゃなくていいや、というところでした。使い方が独特すぎてめちゃくちゃ面白かったけど。
映画「ファイナル・デッドサーキット」が好きな人におすすめの作品
映画「ファイナル・デッドサーキット」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- カウントダウン(2019)
- フローズン(2010)
- スクリーム(1996)
- バイオレント・ナイト(2022)
映画「ファイナル・デッドサーキット」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2025年12月25日)。レンタル作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD |
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まとめ:グロさも控えめで観やすいが物足りない
全シリーズを通して考えると、グロさは控えめに感じました。
なので、観やすくはあるのだけど、個人的にはちょっと物足りない感じも。ハントのシーンなんかもう少し頑張って描いてほしかったなと。
なお、「ファイナル・デスティネーション」シリーズの原題は、基本的に「Final Destination」+数字なのですが(例:「Final Destination」「Final Destination 2」「Final Destination 3」)、本作はなぜか「The Final Destination」で「The」が付くだけなんですよね。次作でまた「Final Destination 5」に戻るので、なんでなんだろうとずっと思っています。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 28% Popcornmeter 35%
IMDb
5.1/10
Filmarks
3.3/5.0


