
グラスハウス
「グラスハウス」の感想です。
配信で観たんですが、個人的には午後のロードショーとか、地上派で放送していそうなサスペンスだなあという印象でした。
ストーリー自体は丁寧なんだけど、いまいち盛り上がりに欠けていたような。
本記事は2025年08月13日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
引き取られた先はプール付きの大豪邸!まさかこんなことになるなんて!
作品情報
タイトル | グラスハウス |
原題 | The Glass House |
ジャンル | サスペンス |
監督 | ダニエル・サックハイム |
上映時間 | 106分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2001年 |
公開年(米) | 2001年 |
レイティング | 不明 |
個人的評価 | ★★☆☆☆ |
あらすじ
厳しくも愛情深い両親に反して、夜遊びに明け暮れている高校生のルビー。その日も友達と遊んでいたが、夜、帰宅してみると、家には警察官の姿が。そこでルビーは両親が交通事故で亡くなったことを知らされる。両親は倹約家だった。そのため、弟と2人なら一生暮らしていけるだけの遺産があることが判明した。さらに、両親は弁護士を介し、子ども2人をグラス夫妻の養子に入るようにしていて――。
主な登場人物
(敬称略)
ルビー・ベイカー
(演:リーリー・ソビエスキー)
高校生。厳しくも愛情深い両親を持ちながらも、本人は夜遊びが好きなお年頃。両親が事故で亡くなり、グラス夫妻に引き取られる。
レット・ベイカー
(演:トレヴァー・モーガン)
ルビーの弟で、ゲーム好き。グラス夫妻に疑いの目を向けるルビーに反し、グラス夫妻のことを慕っている。
テリー・グラス
(演:ステラン・スカルスガルド)
エリンの夫で、自動車工場の社長。ベイカー家の隣人だったよしみでルビーとレットを引き取ることに。
エリン・グラス
(演:ダイアン・レイン)
テリーの妻で、医者。
アルビン・ベグレイター
(演:ブルース・ダーン)
弁護士。ベイカー夫妻の遺言により、ルビーらをグラス夫妻に紹介する。
映画「グラスハウス」の感想
映画「グラスハウス」の感想です。ジャンルとしてはサスペンスだと思うけど、サスペンスというほどサスペンスでもなかったような、でした。
午後のロードショー枠
本作を観て、まず初めに思ったことは「午後のロードショーでやってそう」(笑)。いや、別に午後のロードショーを貶しているわけではないんですが、こういう系のサスペンスをよくやっているよなって。
映画「ザ・インターネット」(1995)とか、ああいうタイプの作品に雰囲気はとても近かったです。ちなみに「ザ・インターネット」は、先日まさに午後のロードショーで放送されていました。余談(?)ですが、「ザ・インターネット」だと個人的に若干違和感があるので「ジ・インターネット」にしてほしい(?)。
犯人はあからさま
正直、サスペンスといっても犯人は最初からあからさまで、強いて言えばハウダニット×ホワイダニットなのかなと思ったりもしましたが、それにしては方法も理由もなんとなーく想像できてしまうという(笑)。
「だろうな」と思ったことが劇中で展開され「でしょうね!」となる、答え合わせみたいな映画でした。
ここにスカッとする人もいれば、物足りなく感じる人もいると思う。私は言うまでもなく後者でした。まあ、怪しく見える人物は複数名いるにはいるんだけど、あるひとりが群を抜いて怪しすぎて比較対象にもならん! って感じでしたね。
個人的には、弁護士のおじいちゃんが好きでした。良い人が良いことばかりをするとは限らないよねって。当たり前だけど、全方面に常に善人であれる人なんているわけないんだよなあと思いました。良いことをしたと思っても、それが裏目に出る場合も少なくないだろうし。
ずっと続く友人は一握り
劇中、マリブに引っ越す前にいた夜遊び友達が、ルビーのことを完全に「過去の人」として語るシーンがありましたが。
いやあ、リアルですね。
私自身、単身海外へ出て行った身なんですが、一年に一度、一時帰国するたびに携帯内にある友達(だと思っていた人たち)の連絡先が消えていく(笑)。「帰って来たし遊べるかな?」と思って連絡すると、当時はメールが主流だったもので、宛先不明で送り返されてくるという。メールアドレスを変更した時に、その旨を知らせてもらえなかったというわけですね。
限られた時間の中、「この人には会っておきたい!」と連絡したのに音信不通になってしまったときの悲しさったらもう。今思い出してもちょっと切なくなります。今は通話アプリなどがあって、わざわざブロックされない限りは連絡できないということにはならないので、とても便利な世の中になったなあと思います。
もちろん、通話アプリでしか連絡を取っていないと、いざスマホが壊れたときに緊急の連絡ができないというパターンもあるので、便利は不便という側面も持ち合わせているとは思いますけれど。
でも、本作を観て改めて「なんとなく、それでもずっと友達でいられる人って一握りなんだよな」と感じました。
なぜ後見人がグラス夫妻だったのか
そして、本作で疑問に思ったこと。
それは、ルビーとレットの両親が、なぜ後見人としてグラス夫妻を選んだのかというところ。このあたりをもう少し説明してほしかったかな。たぶん、隣人としてはとても良い人だったからだろうと思いますが。
もっとバックストーリーをちょうだい! という気分でした。
っていうか、「君たちには莫大な財産があるよ」とか突然聞かされたあとで、親族でもなんでもないただの隣人を後見人として紹介されたら、かなり疑ってしまうと思う(笑)。「そもそもお前は本当に弁護士か?」って。まあ、これは本当に弁護士だったわけですけれど。
イラッとするけど共感もする姉
ちなみに、姉のルビーにはたびたびイラッとさせられます。
この姉、弟よりも先に「何かが起きようとしている」と異変に気がつくわけですが、たぶん、もともと人との関わり方がうまくないんじゃないかなと思うんですよね。しかも、本人的には無自覚。
引っ越しに伴い学校も変え、曰く真面目な人たちが多いという話なのに、前の学校で課題をカンニング? 誰かのを写した? のは本当か(ちょっとここら辺記憶が曖昧です。申し訳ない。ズルをした的なことだったと思う)と聞かれ、「校長と寝て許してもらったわ」みたいな感じで答えていました。少し間を置いて「ジョークよ」などと言っていましたが、いや、これはねえ、初対面の距離感ではどう反応していいかわからないジョーク(笑)。
しかも、冗談にしていたけど、「今の本当にジョーク?」と疑いたくなるような間があって。
その後すぐ相手の子が友人に呼ばれ、そそくさと去ってしまったので「これ、ジョークとしたあの内容を言いふらされて、次の日からいじめられるんじゃないか」って本気で思いましたもんね。頭の中でサスペンスじゃなく、別の物語が展開しそうだった(笑)。
と、まあ、「なんでわざわざそんなことをするの?」みたいなイラッとポイントもあるにはあったんですが。 これが思春期の女の子だと考えると、一部共感できるところもありました。
親は厳しいけれど、その目を掻い潜って夜遊びをしちゃうとかね。弟を「血がつながっているだけだ」と言い、同じ部屋になった時は「同じ部屋!?」とめっちゃ嫌な顔をしたり(これは確かに嫌だとは思う。年齢も年齢だし)。学校の先生に反抗的な態度を取ってみたり。やることなすこと絶妙に嫌な感じで、「ああ、思春期!」ってなりました。成長過程としては、健全と言えば健全なのかな? やられる先生はたまったもんじゃないけども。
弟の活躍を見たかった
あと、個人的には弟のレットをもう少し活躍させてほしかったところ。
ゲームを買ってもらい、早々にグラス夫妻に丸め込まれた以外は存在感がほぼほぼありませんでした(笑)。まあ、あれだけゲームを買ってもらったらうれしいよねって。自分たちに多額の財産(親の遺産)があり、ゲームのひとつやふたつ買っても困らないだろうことは、きっとルビーは教えていなかったのだろうし。
主人公がルビーとはいえ、弟のほうもがっつり当事者ではあるのだから、見せ場のひとつぐらい欲しかったかなと。
映画「グラスハウス」が好きな人におすすめの作品
映画「グラスハウス」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ストレンジャー・コール(2006)
- フライトプラン(2005)
- モンタナの目撃者(2021)
まとめ:午後ローで十分
結果、午後のロードショーで十分だなという感じのサスペンス映画でした。
先述したように、午後ローを馬鹿にしているわけではなく、単純に映画館で観たり配信でわざわざ選んだりするよりも、地上派でやっていたら観るぐらいの温度感でいいんじゃないかという。
全体的に「物足りない」印象を抱きました。当然、観る人によるとは思いますけれどね。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 21% Popcornmeter 39%
IMDb
5.8/10
Filmarks
3.1/5.0