
テラフォーマーズ
「テラフォーマーズ」の感想です。
伊藤英明さんをはじめ、豪華俳優陣によるSF映画。原作漫画は未読なので、まっさらな状態で観てみたんですが……いかんせん、中途半端な印象だなあっていう映画でした。
本記事は2025年07月16日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
ワンフレーズ紹介
今からあなたたちには、火星でゴキ(略)駆除をしてもらいます!
作品情報
あらすじ
人口が爆発的に増えた影響により、火星移住を決めた人類が暮らす地球。人類はコケとゴキ(略)を火星に送ることで、火星においても地球と同じような環境を作り出そうとする。それから500年後。自身の犯した罪を無罪放免とするため、小吉と奈々緒は、ゴキ(略)を駆除するミッションに参加することになるのだが――。
主な登場人物
(敬称略)
小町小吉
(演:伊藤英明)
奈々緒の幼馴染みで、奈々緒の犯した罪をかぶる覚悟をしていた。奈々緒と共にゴキ(略)駆除のミッションに参加する。
秋田奈々緒
(演:武田咲)
小吉の幼馴染み。養父の命を奪ってしまう。自らの罪をかぶった小吉が死刑になるのを防ぐため、小吉と共に火星でのミッションに参加することに。
武藤仁
(演:山下智久)
元キックボクサー。
蛭間一郎
(演:山田孝之)
貧しい家族を養うため研究に打ち込んでいたが、教授に嵌められすべてを奪われたため、大金目当てでミッションに参加する。
ゴッド・リー
(演:ケイン・コスギ)
純日本人だが、中東の紛争地域での戦争に参加していた。
森木明日香
(演:菊地凛子)
元刑事だが、押収した金に手をつけたことが露見し失職。
大張美奈
(演:小池栄子)
ミッションにて小吉らと協力して戦う。
堂島啓介
(演:加藤雅也)
宇宙飛行士で、小吉らを火星まで導く。上司の理不尽さに耐えかねて暴力に訴えた結果、相手を半身不随にしてしまった過去を持つ。
大迫空衣
(演:篠田麻里子)
かつて、少女売春組織のリーダーをしていた女性。
手塚俊治
(演:滝藤賢一)
連続殺人犯。
本多晃
(演:小栗旬)
小吉らをミッションに勧誘した人物。ゴキ(略)の正体を教えずに送り出した。
映画「テラフォーマーズ」の感想
映画「テラフォーマーズ」の感想です。ヤツがヤツすぎる瞬間が何度かあって、そのたびに「ひぇーっ!」ってなりました(笑)。
キャストは豪華
まず、言わずもがなですが。
キャストが豪華でした。
主演の伊藤英明さんをはじめ、武井咲さんとか山下智久さんとか、山田孝之さんとか……なんならほんのちょい役に的場浩司さんが出ていたりもして、これは役より俳優さんに目が行ってしまうからもうちょっと抑え気味にしたほうが良かったのではと思わなくもなかったです。
ただ、初見ではケイン・コスギには気がつかなかった(笑)。あとで知って「え、あれケイン・コスギだったのー!?」って。
ちなみに、個人的に一番好きだったのは小栗旬さんでした。もうね、素晴らしい。あの振り切った感じがとても好み。有能なヤバい奴、嫌いじゃないんですよねえ。
演技に……違和感
ただ、あれだけの実力派俳優さんたちがそろっているのに、演技がいまいちに感じたのはどうしてでしょう。いちいち大袈裟というか。
日本の映画でこういったタイプの作品はなかなかないので、やり慣れていないということなんでしょうかね。
画は良いのにコスプレ感
で、ミッション中の小吉たちはなんだかコスプレ感が強い(笑)。変身後はもちろん、変身前も。映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014)とかみたいなボディスーツっていうのかな。ああいうの、海外の俳優さんがやるとまあまあ様になるのに、日本人がやるとどうしても仮面ライダー的な何かに見えてしまう……。
まあ、ここもやっぱり見慣れていないからというのはあると思うんですが。違和感はどうしてもありますね。
ちなみに、原作では各国が関わっている設定だったらしく、ミッションに参加するのも日本人だけということではなかったみたい。
変身中は待ってくれる
あと、敵のゴキ(略)たち、変身中は律儀に待ってくれます。「セーラームーン」とか「キューティーハニー」とか、ああいう感じ。
いや、別にいいんだけど。いいんだけど、実写版であれをやると違和感がすごいなって。目の前には今にも襲いかかってきそうな敵がいるわけですからね。「あいつら、あの感じで待ってくれてんの?」とはなってしまうわけで。
さらに言えば、小吉たちが「バグズ手術」を受けて変身できるようになった虫(人間)の姿。あれもいちいち「オオスズメバチとは……」「パラポネラとは……」って説明が必要な時点で、正直あまり実写映画化は向かない作品だったのではないかと思ってしまいますね。
雰囲気はとても好きだったし、世間で酷評されているほど酷いとは思わなかったのだけど!
極悪人チームなのに団結早いな……
それから、小吉たちの団結が早い。
小吉や奈々緒みたいに止むに止まれず参加した人もいるにはいるんですが、半分ぐらい(いや、それ以上だったかも?)は犯罪者。それなのにあんなにスムーズに結託するとは。まあ、確かに状況が状況ですし、結託せざるを得ない部分はあると思うんですけれど。
だとしても、みんな聞き分けいいなあって感じでした。
特に滝藤賢一さん演じる手塚。連続殺人犯って役柄なのに、女性陣をやたらとナンパするぐらいで頭のネジが外れているという感じはしなかったかな。それで言うなら篠田麻里子さん演じる大迫もそうで、少女売春組織のリーダーだったらしいのにちょっと常識人っぽい雰囲気がありました。
キャラに対する設定と言動が一致していないように感じられたんですよね。演技に違和感を覚えたというのは、そういうのもあったのかも。
ヤツがヤツすぎる瞬間
劇中、ゴキ(略)が進化した姿が登場します。
最初は「ほーん? これがヤツの進化した姿ねえ?」ぐらいの感じで観ていたんですが、バグズ2号(確か)の壁? に貼りつく姿と集団で飛び上がる姿を見て「ひぇーっ! これは紛れもないGやー!(涙)」ってなりました。羽を広げる様子。そして、バサバサと飛ぶ羽音。完全にヤツ。気持ち悪い。
あのあたりの描写はかなりお上手でしたね。
相手から見てもきっとそう
唯一「そうだよな」と思ったのは、劇中、誰だったかが「私たちだってゴキ(略)を攻撃するのに意味はない」と言っていたあれ。……まあ、確かに。ヤツらは見た目が気持ち悪いだけであって(それも主観だし)、害虫と言われるほどの害はなさそうですし。
家でゴキ(略)を放っておくとアレルギーなどの感染症状が云々とは言われるものの、ヤツらを見つけてそれを考えて駆除する人はほとんどいないと思うんですよね。たいてい「キモい!」からの殺虫剤(もしくは物理)。
ゴキ(略)が人間世界に現れたら駆除されるのだから、人間がゴキ(略)世界に現れたら駆除されるというのはあながち間違ってもいないことなんだよなと。世界のルールとしては。本作の人間がゴキ(略)を利用したのでなく、ゴキ(略)が人間を利用したのだという考えは、割と好きでした。印象的なお話だったので、たぶん原作にあるアイデアなのだと思うけど。
何も嫌っているのは人間だけじゃないよっていうね。
映画「テラフォーマーズ」が好きな人におすすめの作品
映画「テラフォーマーズ」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- 銀魂(2017)
- Zアイランド(2014)
- 寄生獣(2014)
まとめ:思ったほどは酷くない!
先述した通り、思ったほどは酷くなかったです。むしろ、雰囲気は好きまである。ただ、いかんせんストーリーが中途半端な印象だったのが残念でした。おそらく本作でのストーリーは原作で言うところの一巻にあたる部分だと思うので、中途半端なのも仕方ないのかもしれませんが。
欲を言えば、ぜひ続編を作ってほしいところ。
Rotten Tomatoes
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IMDb
4.7/10
Filmarks
2.3/5.0