
トゥモロー・ウォー
映画「トゥモロー・ウォー」の感想です。
めちゃくちゃ面白かったです!
設定的にどこかで矛盾が出そうなストーリーなのに、意外とそんなこともなく。戦場が未来というのもなかなか斬新なアイデアでしたね。

映画「トゥモロー・ウォー」の見どころは……
- 主人公の父子(子として、親として)の物語。
- クリアしているタイムパラドックスの矛盾。
- 宇宙生物の襲来×前線は未来という世界観。
本記事は2026年02月13日に執筆したものです。すべての情報は執筆時点のものですので、最新の情報はご自身で直接ご確認ください。
作品情報
| タイトル | トゥモロー・ウォー |
| 原題 | The Tomorrow War |
| ジャンル | アクション、SF、ヒューマン |
| 監督 | クリス・マッケイ |
| 上映時間 | 138分 |
| 製作国 | アメリカ |
| 製作年 | 2021年 |
| 公開年(米) | 2021年 |
| レイティング | 不明 |
| 好きレベル | ★★★★★ |
あらすじ
元軍人でありながら、現在は高校で化学教師として教鞭を執るダン・フォレスター。ダンの夢は研究室で働くことだったが、ある日、テレビでサッカーの試合を観戦していたところ、サッカー場に謎の兵士たちが現れる。彼らは30年後の未来からやってきたと語った。30年後の未来では、宇宙生物の襲来により人類滅亡の危機にあるのだという。そこで、彼らは過去の人間に協力を求めることにしたのだ。政府は徴兵を開始。作った転送装置で未来に人を送り込むことを決定したが、主に一般人から徴兵をしていたため、死傷者は多く――。
主な登場人物
(以下、敬称略)
ジェームズ・ダニエル・フォレスター
(演:クリス・プラット)
元軍人の高校化学教師。父と同じ名前で呼ばれることを嫌がり、周囲からは「ダン」の愛称で呼ばれる。大きなことを成し遂げることが夢で、研究室に転職活動を行っている。そんな中、未来人たちが訪れ、強制的に軍人として復帰させられることに。未来へ転送される。
ミューリ・フォレスター
(演:イヴォンヌ・ストラホフスキー)
ダンの娘。ダンが未来に転送される前は9歳だったが、未来では軍の大佐として現れる。
ジェームズ・フォレスター
(演:J・K・シモンズ)
ダンの父親。幼い頃、母親と幼いダンを置いて家を出たため、ダンとの仲は壊滅的。孫のミューリに毎年クリスマスカードを送っている。
エミー・フォレスター
(演:ベティ・ギルピン)
ダンの妻で、ミューリの母親。軍人として復帰し、徴兵されることになったダンのことを心配している。
チャーリー
(演:サム・リチャードソン)
ダンが未来に転送されることになった際、同じチームに配属されることになった黒人男性。もともとは大学の学科長だったが、現在は民間企業で開発部長を務めている。妻は最初の派兵ですでに戦死。
ドリアン
(演:エドウィン・ホッジ)
ダンと同じチームに配属された黒人男性で、これが3度目の派兵。癌を患っており、あと半年の命だと語る。戒めとして、宇宙生物の爪を持ち帰っている。
ハート
(演:ジャスミン・マシューズ)
未来から派遣されてきた黒人女性。中尉。
映画「トゥモロー・ウォー」の感想
映画「トゥモロー・ウォー」の感想です。謎に思う部分がないわけでもないけれど、思ったほどの矛盾もなく面白かった!
タイムパラドックス問題をクリア
こういう過去と未来を行き来するみたいな話で必ず問題になるのが、タイムパラドックスの問題。このタイムパラドックスをわかりやすく描写したのが、かの有名な「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)です。
よく知られているのが親殺しのパラドックスと言われるあれですね。
タイムトラベルをして時間を遡り、自分を産む前の親を殺したとする。そうすると、当然自分がこの世に生まれることはない。となれば、親を殺した人物(=自分)もいなくなるので、親が殺されることもなく、自分は普通に生まれてくることになる。しかし、そうなれば自分はやはり過去に遡って親を殺すことになり……タイムトラベルが可能なものとすると、これをエンドレスに繰り返すことになるよっていう。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は、主人公が過去に遡ったことにより、故意ではないが両親の仲を邪魔してしまう。そうすると主人公は生まれないことになるので、どうにかこうにか両親の仲を取り持たなければ! というストーリーでした。
本作の話に戻りますが、本作は、現在の人間たちが未来に派兵され、最強宇宙生物と戦わされるという設定でした。タイムパラドックス起きるやんけ! と思っていたら、劇中でしっかり説明されていましたね。
未来から(現在に)送り込まれてきた兵士たちはみんな若く、現在、まだ生まれていないであろう年齢(つまり30歳以下?)。で、徴兵され、未来に送り込まれることになった人たちは、見たところ40歳以上がほとんどで30年後には死亡しているかも? な年齢。
これ、30年後に70代だったら、全然元気に生きている人もたくさんいるのではないかと思ったんですが、調べてみたら、
米国疾病予防管理センター(CDC)の下部組織である国立衛生統計センター(NCHS)は8月31日、2021年の米国人の平均寿命が76.1歳となり、2020年に比べ0.9歳短くなったとする暫定データを公表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。低下は2年連続で、1996年以来の低水準に落ち込んだ。
(引用元:米国、2021年の平均寿命は2年連続低下の76.1歳、1996年以来の低水準│ビジネス短身 ― ジェトロの海外ニュース)
とのことでした(本作の製作は2021年)。
それでも、矛盾がまったくないわけではないと思いますが、このようなパラドックス的問題をできる限り起こさないために、人類滅亡ギリギリまで過去の人たちに頼ろうとしなかったのかななどと想像すれば、そういったところもクリアできてしまいます。未来の人間はどうせほとんど死んでいるのですからね、最悪生まれようが生まれまいが、といったところ。
30年後からの使者
とはいえですよ。
サッカーフィールドに未来の兵士が降り立ったシーンの次には、すでに一般人の徴兵が開始され、未来に転送され数多の死傷者を出しているというふうな話になっていたのですけれど、政府はどのようにして「30年後からやって来た兵士たち」の話を信じたのかというのは気になりました。
まあ、サッカーの試合中に突然ワープしてきたのだから、そのとんでもない技術だけでも信用に値するといえば値するのかもしれないけど。
だとしても、未来の人類のために今生きる人たちの命を犠牲にする決断ってすごいですよね。よっぽどすごい証拠を見せられたのかなあ、とか。でもそれが確実に本物だと検証するのは今の技術では不可能だよなあ、とか。いろいろ考えるところではありましたね。
女性も徴兵
個人的に、今(もしくは未来)の戦争っぽいなと思ったのは、女性も普通に徴兵されているあたり。
看護部隊などを含めると、アメリカで女性が軍隊に参加するようになったのは随分前だと思いますが、本作で徴兵されているのは基本一般人ですからね。ダンみたいに元軍人というほうが稀。
もし自分が明日、戦争に行ってこいなどと言われたらと思うと恐ろしすぎます。ろくに訓練も受けさせてもらえないなんて、それだけで捨て駒同然の扱いだとわかりますし。その点では「この政府、本気で勝つ気あるのか?」と思ってしまいましたが、人類滅亡の危機にあっては、そんな悠長なことはしていられないということなのでしょう。
だとしても、チャーリーのように銃の装填方法もわからないまま送り出されるなんてひどすぎると思うけど。隣にダンがいて良かったね!
素人の偵察
ただ、ダンもダンで(笑)。
未来の現場に到着し、ダン率いるRチームは「研究者たちの救助」というミッションを与えられます。
その際、ラボに向かって素早く移動することになるのですが、ダンはまさかの一般人に「あそこに何かいないか偵察してこい」と命令(笑)。このシーンはさすがに「えー!?」ってなりましたね。
つい先ほどまで一般人だった人たちに!? 偵察指示!? 私だったら「え、私がですか!?」ってなるけどなと。なんていうか、戦いのプロでもないし、そんなにうまく偵察できるわけもない。「死んでこい」って言われているみたいじゃないですか?
ダンが突然、一般人を兵士として扱い始めたから困惑してしまったのかも。そのうえ、チームとしてわりとちゃんと回り始めたので「嘘でしょ!?」と驚いたのもあります(笑)。一般人だらけのこんなチーム、もっとぐちゃぐちゃするはずだけどって。
ダンを逃がすために、(しつこいようですが)先ほどまで一般人だった人たちが「ここは私たちに任せて行って!」というのも、正直微妙な展開だった。先ほどまで一般人だったのに(しつこい)覚悟が決まりすぎていて戸惑う。
派兵3度目の男
Rチームの中には、派兵3度目のドリアンという人物がいました。
みんなを救おうとするダンに対して「他人のことなんて気にしていたら死ぬぜ」と言う男。とても良いキャラというか、こういう物語には欠かせないタイプの人物ではあるんですが、欲を言えば、もうちょっと一匹狼的に描いてほしかったなと。もう少しダンとぶつかり合ってほしかった。
というのも、こんなことを言っていても、ダンの言うことには従ってくれるし、ダンが人助けしようとすれば、文句を言いつつ手伝ってくれる。
最初から普通に良い人で、頼れる人。
完全に個人の好みなんですが、もうちょっと最初はツンツンしてくれてもいいんじゃないかなと思ってしまう(笑)。まあ、その場合、冗長的に感じられるシーンがだいぶ増えたかもしれないけど。
父子の物語
また、本作は、父子の物語としても描かれていました。
ミューリとダン、ダンとジェームズ。
幼い頃、ダンはジェームズに捨てられたと思っていて、ミューリもまた幼い頃にダンに捨てられたと思っている。ミューリもダンも「本当は頼りたかった」「本当は寂しかった」という気持ちを抱えているんですね。
こういうの、本当に弱い。特にミューリとダンのシーンなんてうるっと来てしまいました。
年齢を重ねても親はいつまでも親のままだし、親からすれば子どもはいつまでも子どものまま。大人になってからやっと親に対して本音で語れることって、やっぱりあると思う。そのあたりもけっこうリアルで良かったです。
同時に、子どもの時は親に守られるだけの存在だったのが、大人になると時に立場が逆転して、子どもが親を守るということも増えてくるのだよなと感じました。それが自然なことだと。
なんかもう、この描写がとても良かった。好きでした。
なにより、世界観が良いですね。クリス・プラットも格好良かったし、不自然な部分も少なくて観やすかったです。
映画「トゥモロー・ウォー」が好きな人におすすめの作品
映画「トゥモロー・ウォー」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
- ミッキー17(2025)
- アイ・アム・レジェンド(2007)
- オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014)
- オブリビオン(2013)
映画「トゥモロー・ウォー」が観られる動画配信サービス
※記事執筆時点での情報です(2026年02月13日)。レンタル(有料)作品等も含まれます。最新情報はご自身で直接ご確認ください。
| Netflix | U-NEXT | Amazon Prime Video | Hulu | Ameba TV | FOD(PREMIUM) |
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まとめ:父子の物語が素晴らしいSF映画
主人公ダンが子として、親として、両方の立場で描かれているのがとても良かったです。
こういう父子の物語は、なんとなく予想できつつもやっぱり感動する。
もちろん、世界観も良かったです。現代人が未来で戦争をするという設定も、他にはないなかなか新しいアイデアだと思いましたね。
Rotten Tomatoes
Tomatometer 51% Popcornmeter 76%
IMDb
6.6/10
Filmarks
3.7/5.0

