スピリット 未知への冒険 [DVD]
映画「スピリット 未知への冒険」は、2002年に公開されたアニメ映画「スピリット」と、ネット配信のアニメ「スピリット 自由に駆け抜けて」のスピンオフ作品です。
上記2つの作品を未鑑賞でも十分楽しめるストーリーになっているので、家族で見られる映画を探しているという人はぜひチェックしてみてください。
※本記事の情報は2023年9月時点のものです。
作品情報
作品名 | スピリット 未知への冒険 |
原題 | Spirit Untamed |
ジャンル | ファミリー、アニメーション |
監督 | エレイン・ボーガン、エンニオ・トレサン |
上映時間 | 88分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
(アメリカ)公開年 | 2021年 |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
あらすじ
夏。別々に暮らしていた父と一緒に過ごすため、田舎にやってきたラッキー。そこで出合ったのは一匹の野生馬だった。ラッキーは野生馬を「スピリット」と名付け仲良くなろうとするが、父親ジムは反対なようで――。
登場人物
(※敬称略)
ラッキー・プレスコット(声:イザベラ・メルセード)
本名はフォルトゥナ・エスペランザ・プレスコット。離れて暮らしていた父親と一緒に過ごすため、アメリカ西部の田舎街を訪れる。
ジム・プレスコット(声:ジェイク・ジレンホール)
本名はジェームズ・プレスコット。ラッキーの父親。妻(ラッキーの母親)を馬術の演技中に亡くしているので、娘が危ない真似をしようとすることに忌避感がある。
コーラ・プレスコット(声:ジュリアン・ムーア)
ラッキーの叔母。ラッキーの付き添いとして、一緒にアメリカ西部の街にやって来た。
プルデンス・グレンジャー(声:マーサイ・マーティン)
あだ名はプルー。ラッキーの友人。真面目だが友達思いな性格で、ラッキーの思いつきに巻き込まれることも。
アビゲイル・ストーン(声:マッケナ・グレイス)
ブロンドヘアの女の子。ラッキーの友人。明るい性格で、行動力がある。
スニップス・ストーン(声:ルシアン・ペレス)
アビゲイルの弟。
映画「スピリット 未知への冒険」の感想
ほのぼのとした、けれどもわくわくするようなファミリー向け映画が好きな人におすすめの作品です。
一種のファンタジーとして見れば面白い
幼いころに母を亡くし、父と離れ都会で叔母と暮らしていたラッキー。また一緒に過ごすことになり、叔母のコーラとともにアメリカ西部の田舎街を訪れるが――という設定だけを聞くと、なんだかまあ現実にもありそうな話なんですが……。
ストーリーの肝になっている冒険が、結構ファンタジーな感じに仕上がっています。
まさにひと夏の冒険。
子どもにとってはわくわくする響きであることは間違いないですね。それこそ大人でも、子どものころに感じていた「夏休みのわくわく、どきどき感」を感じることができます。
でも、ラッキーたちが冒険でしていること、しようとしていることは現実ではほとんどありえない(と思う)ので、一種のファンタジーとして見るととても面白いです。子どもが夢の中で見る感じ。
見る年齢によって感じ方が変わりそう
本作はファミリー映画としてジャンル分けされているので、視聴者層のメインターゲットは間違いなく子ども(児童)なんでしょうが、見る年齢によって感じ方が変わりそうだなというのが正直な感想でした。
例えば、ラッキーがやりたいことをやりたいと主張し、父親が駄目だと反対する場面などでは、子どもなら「この父親、突然出てきて父親面なんて(ラッキーもそのようなことを言っていた)鬱陶しい! わからずや!」と感じるでしょうし、大人なら「(父親に対して)わかるよ……! 保護者として子どもに危険な真似をしてほしくないんだよね。奥さんを似たようなことで亡くしていたならなおさら!」と感じるでしょう。
なお、個人的には、父親への共感が強い一方、自分が子どものころのことを思い出したら、ラッキーの気持ちもわからなくもない……といった感じでした。
ずっと離れて暮らしていた、ほとんど記憶のない父親に突然強く指示されたうえ、本人はそうと思っていないのに「危ないから」などという理由で反対されても納得できないのはわかります。
あと、父親は父親でちょっと子どもっぽい。
友情や勇気……いろんなものが詰め込まれている
映画「スピリット 未知への冒険」に描かれているのは、実にさまざまな感情。
友情、勇気、愛情、(人や動物との)絆……物語を通して、ラッキーが人とつながっていくたび、いろんな感情を育んでいきます。
(偏見かもしれませんが)まさに都会っ子らしい「田舎はつまんない」「面白いことなんてあるわけない」みたいな感覚が、野生馬のスピリットや友達のプルー、アビゲイルと出会うことで、のびのびと冒険心にあふれた元の性格に近づいていく、みたいな感じですね。
ラッキーが暴走娘すぎる
たぶん(視聴者の)子どもからすれば「わくわく、どきどきの大冒険!」なんだと思うんですよ。
でもね、大人からするとちょっとやんちゃな女の子――あるいは、勇敢という言葉では言い表せないほどの無茶な暴走ぶり。
自分が保護者だったらどうか?
むり。
絶対に怪我するし、なんなら命の危険があるような真似までするし、止めたら止めたで夜中でも勝手に家を抜け出すし、よそさまの娘さんたちまで巻き込んで問題を起こすし。
まさにやりたい放題!
こんなの、大人から見ればとっても怖くないですか?
もし友達を巻き込んで事故にでも遭ったりしたら、それこそ彼女たちの親御さんたちには「ごめんなさい」では済まないですよね。
そこらへんは「もっと強く説得しなさいよ」と思ってしまいました(そうすると逆に物語として面白味がなくなるかもしれませんが)。
スピリットが勇敢で可愛すぎる
乗馬をやっている人や馬好きの人たちには堪らないのだろうという本作のキャラ。
スピリットが可愛すぎる。
あらすじにも書いてある通り、スピリットは野生馬なんですが、野生馬らしい荒々しさがありつつも賢い雰囲気があって、ラッキーと触れ合っている様子にはなんとも言えない可愛らしさがあります。
颯爽と草原を駆け抜けるスピリットは、その名のイメージ通りどこまでも自由です。
映画「スピリット 未知への冒険」が好きな人におすすめの作品
映画「スピリット 未知への冒険」が好きな人には、以下の作品もおすすめです。
・「塔の上のラプンツェル」(2010)
・「メアリーと秘密の王国」(2013)
・「あの夏のルカ」(2021)
・「ヒックとドラゴン」(2010)
まとめ:馬が好きなら絶対好き!
スピリットをはじめ、馬たちの動きがリアルに描かれているのが、本作の魅力のひとつ。
現実味はありつつもファンタジー感が強いので、物語の展開にいちいち突っ込みを入れたくなってしまうという人は、馬や自然の美しさを見るだけでも楽しめるでしょう。
情景の表現がとても素晴らしい作品でした。
※本記事の情報は2023年9月時点のものです。